結果発表
2019/10/30 10:00

第7回 がん征圧ポスターデザインコンテスト《学生限定》

応募作品数:115点
受賞作品数:5点(入選を除く)
主催:公益財団法人日本対がん協会

最優秀賞

「大丈夫」?
森上早雲(岡山県立岡山南高等学校)
「大丈夫」?
作品コメント
家族、友人から病院に行くのを勧められても「まだ、大丈夫」と勝手に自己診断をして行かない人が多いと聞きました。本当に大丈夫だと思えるために病院できちんと診てもらって欲しいというメッセージを込めてデザインしました。コピーを斜めに傾けることで、右の人物から左の人物へとストーリーが繋がるように工夫しました。
審査コメント
虫メガネをうまく使った、アイデアあるコトバ遊び。インパクトの強い大胆な構成が、とても印象に残りました。言葉の中に隠されたメッセージは、多くの人が抵抗なく自分への忠告として受け止めるでしょう。この作品には、検診を後回しにしている人々の背中を押す力を感じます。(粟辻美早)

優秀賞

小さな危険
中山 亮(愛知工業大学)
小さな危険
作品コメント
全体の構成はシンプルにして、中心の図形は放置しているとどんどん成長していくという意味を込めて余白を全面的に使いました。本作で私は、第一に見てもらうことを目的とし、一目見た時に「なんのポスターであるのか」と注意を引き、さらに通勤などの移動中でも端的に内容がわかるように工夫しました。今後、余白を黒くしていくのか、それとも白くするのかはあなたの行動次第であるというメッセージ性も込めています。
審査コメント
たくさんの秀作がそろった中で白スペースが大胆なデザインが目をひいた。最優秀賞にするべきだという声もあったが過去に類似アイデアがあったために優秀賞となった。シンプルなデザインでも、スペースや色の使い方、コピーワークに高いディレクション能力を感じる。(本田 亮)
母からの電話
佐藤里菜(静岡文化芸術大学大学院)
母からの電話
作品コメント
一人暮らしをする子供をついつい心配してしまうのが親心です。「ちゃんと食べてる?」は健康を気遣う常套句ですが、それと同じくらい「がん検診には行った?」と聞くことが当たり前になって欲しいとの願いを込めました。コピーには「がん」という強い言葉を使わず、左下の協会名を見ることで初めて「がん検診」と分かるように配慮しました。
審査コメント
少し前屈みに心配する母の姿が、イラストの優しいタッチによって、より深い愛情を感じさせます。自分を心配している人のために、その人を安心させるために。心あたたまる母の問いかけが、若い人たちの心にもきっと届くはずです。(粟辻)
疑え
宮田怜佳(東京造形大学)
疑え
作品コメント
日本人の2分の1が人生に1度はがんになるという話を聞いて、自分も含めて同じ場にいる誰かが今この瞬間がんになってもおかしくないと思いました。誰もががんになりうるということを「癌」という漢字そっくりの存在しない漢字で表現しました。全体の半分の数ずつを「癌」と「癌かもしれない」漢字でランダムに埋め、誰ががんになってもおかしくないということを表しています。
審査コメント
日本人の二人に一人ががんになるという表現が多い中でこの作品がもっともビジュアルインパクトがあった。まだ「癌」になっていない人にも可能性がある。今は「癌」の一歩手前かもしれないという恐怖を感じることができる。見る人が自分事として考えさせられる作品である。(本田)
倒れる前に
井澤詩萌(岡学園トータルデザインアカデミー)
倒れる前に
作品コメント
がんにかかり倒れてしまう人をドミノで例え、「ドミノが最後まで倒れる前に検診へ」=「自分が倒れる前に検診へ行くこと」をかけたデザインにしました。
審査コメント
がんが進行する前に検診に行こうというメッセージがシンプルなデザインでユーモラスに表現されている。一方で倒れるのは「癌」ではなくて「人」ではないかという意見も出て、人によって捉え方が違う作品となった。しかし、アイデアのユニークさを評価して優秀賞とすることにした。(本田)
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