結果発表
2026/08/03 10:00

第24回 CSデザイン賞 一般部門

主催:株式会社中川ケミカル

受賞作品数:12点

グランプリ

三菱総研DCS株式会社本社オフィス来客エリア “Grow to SKY”
ディレクター:西田 幸(株式会社イトーキ)
デザイナー:富樫弓恵、岩松里紗、樫尾 綾(株式会社イトーキ)
クライアント:平野慎一(三菱総研DCS株式会社)
施工:寺崎歩乃佳、印南彩音(株式会社クラウドポイント)
フォトグラファー:神宮巨樹(合同会社神宮巨樹)
三菱総研DCS株式会社本社オフィス来客エリア “Grow to SKY”
作品コンセプト
「Grow UP!」をテーマに、社員と企業が共に成長できるオフィスを計画しました。最上階の会議フロアでは、さらなる発展と成長を象徴する「空」をデザインコンセプトに採用。ガラス面には、時間の移ろいや雲、靄(もや)といった多彩な空の表情をグラフィックで施しています。このガラスシートは、適度に目線を遮る機能性と空間の美しさを両立させ、働く人々が心地よく過ごせる開放的な会議室を構築。自由な発想や新たなコミュニケーションを創出する場を目指しました。

準グランプリ

In the Distance
ディレクター:Liisa
演出・構成:橋本真那
出演:伊村千奈美、植田 円、許 東鈞
舞台監督:小林勇陽
舞台監督助手:下村 唯
照明:森田智子、茂木紀恵、野村洋子、中井麻美
映像:洪 孟承
主催・企画・制作:NPO法人DANCE BOX
フォトグラファー:岩本順平、洪 孟承
In the Distance
作品コンセプト
この作品では外からの視点として日本を語るのではなく、いまをここに生きる一人の人間としてこの国をいかに捉え、どのような対話が可能かを模索する橋本真那の舞台作品である。
舞台美術では「横断歩道」という具体的なモチーフが提示されたが、それを単なる写実的な装置としてではなく、公共空間の規範性や移動の制度化を象徴する構造として再構成した。雨のシーンと連動させることで、横断歩道が舞台空間を越えて観客席と会場全体へと拡張し、観客自身を制度化された空間の内部へ巻き込むような空間体験を設計した。
Rin Takashima
デザイナー:浦田友博(浦田)、石原由貴(株式会社澤村)
クライアント:株式会社澤村
施工:山田和也(株式会社澤村)
フォトグラファー:大竹央祐
Rin Takashima
作品コンセプト
プロジェクトについて
滋賀県高島市で築40年の木造民家を改修し、オフィス・カフェを中心とした地域創生の場をつくるプロジェクト。この地域で古くから建設業を営む会社が中心となり、地域の活動や資源を拾いあげ耕すこと、また地域を訪れる人の滞在拠点となることを目指した。かつて自転車屋さんだった既存建物は大らかな気積をもった空間だったため、そのがらんどうの質を残すように設計を進めた。計画としては、1Fは手前にカフェ、奥にコワーキングスペース、東側の動線空間をライブラリ、2Fはショールームとし、カフェをきっかけとして段階的に奥へ引き込むようなプランとしている。
北海道の生活史展
ディレクター:廣村正彰(株式会社廣村デザイン事務所)
デザイナー:中村一行、内屋敷隼人(株式会社廣村デザイン事務所)
クライアント:生活協同組合コープさっぽろ
北海道の生活史展
作品コンセプト
コープさっぽろ60周年記念事業の一つとして刊行された「北海道の生活史」の出版にあたり、北海道庁赤れんが庁舎で開催された展覧会の企画を行なった。会期が1週間と短期間であったため、什器は解体・廃棄がしやすいダンボールで計画。また、表示面は、本に登場する150人分のメッセージをシートで表現している。

優秀賞

Sony Park展 2025
ディレクター:色部義昭(株式会社日本デザインセンター)
デザイナー:安田泰弘(株式会社日本デザインセンター)
プランナー:Ginza Sony Park Project
クライアント:Ginza Sony Park Project
プロダクションマネージャー:ソニーPCL株式会社
施工:塩生一博(株式会社脇プロセス)
フォトグラファー:岡庭璃子(株式会社日本デザインセンター)
Sony Park展 2025
作品コンセプト
リニューアルオープンしたGinza Sony Parkのオープニングプログラム「Sony Park展 2025」のサインデザイン。プログラムを構成する六つの展示を、6色の蛍光色テープによるグラフィックで表現した。巨大なテープのオブジェをエントランスサインとして配置するとともに、アーティスト写真やテキストをテープで直接壁面に貼り出し、ブルータルなコンクリート建築に情報の彩りを添えた。変化に富んだ建築空間の中で視線を自然に導き、展示体験を支えるサインシステムとして機能している。
令和7年度 愛知県立芸術大学 卒業・修了制作展《木木木(もり)の卒展》
デザイナー:高田颯平
プロデューサー:水津 功(愛知県立芸術大学)
制作ディレクション:諸戸里帆
クライアント:愛知県立芸術大学
施工:高槻ひなた、大野こと子、大和はな、可部谷清楓、松下明衣、髙山那月、鈴木琵雛、長沼侑聖、池田愛莉、鈴村晃平(愛知県立芸術大学 在校生)
令和7年度 愛知県立芸術大学 卒業・修了制作展《木木木(もり)の卒展》
作品コンセプト(一部抜粋)
愛知県立芸術大学の卒業・修了制作展におけるサイン計画、および空間デザインのプロジェクトです。
近年、美術大学で校舎移転のニュースが続く中、本校は建築を残し、この場所で卒業制作展を続けていく選択をしました。本計画は、その姿勢に共感し、建築と融和した新しい景色を立ち上げる試みとして始まりました。
着目したのは、キャンパスの中心広場から外側へと視線が遠景へ抜けていく、建築家・吉村順三による空間構造「透き通し」です。この視線が通り抜けるガラス面にサインを施し、人の目に自然と留まる機能的なサインとしました。
視線が通り抜けるガラス面に重ねられた緑のグラフィックは、遠景と複雑に重なり合い、まるで葉が幾重にも重なる森のような風景を生み出します。これは、卒業制作展のタイトルである「森の卒展」と呼応し、建築・自然・グラフィックが重なり合う新しい景色を立ち上げています。
フラ(わ)
デザイナー:池田寛美(株式会社日本デザインセンター 名古屋支社)
施工:株式会社中川堂 名古屋営業所
フォトグラファー:武藤健二(LUCKIIS Inc.)
フラ(わ)
作品コンセプト(一部抜粋)
名古屋の撮影スタジオ兼カフェ「EUREKA Gallery&Cafe」にて、空間に植物の「気配」を宿らせる期間限定の装飾を実施しました。本作品の最大の狙いは、ミニマルで無機質な空間の「縁(ふち)」に、あえて人よりも大きなスケールの植物グラフィックを配置することで、訪れる人々の無意識的な行動に変化をもたらすことにあります。
具体的にはカッティングシートを用い、空間の境界線に生命力溢れるグラフィックを「植生」させました。その結果、人々が巨大な葉の根元をベンチのように見立てて腰を下ろしたり、植物の陰に隠れるようにポーズを取って写真を撮影したりと、単なる鑑賞を超えた能動的なアクションが次々と生まれました。これは、グラフィックが視覚的な装飾に留まらず、人の身体感覚に直接訴えかける「居場所」として機能した証となりました。
伊豆市津波避難複合施設 テラッセ オレンジ トイ
デザイナー:丸山智也、野中優衣(株式会社マルヤマデザイン)
クライアント:伊豆市
建築設計:今井公太郎(東京大学生産技術研究所 今井研究室)、国枝 歓(日本工営都市空間株式会社)
施工:株式会社フィーリン
フォトグラファー:中村 絵(中村絵写真事務所)
伊豆市津波避難複合施設 テラッセ オレンジ トイ
作品コンセプト
蓄光塗料を混ぜた樹脂をシート状にしたものを使用し、細いラインのグラフィックで、災害時と平時双方で機能するものを考案した。ガラス面や階段に設置した海抜表記は、実際の高さを実感してもらうとともに、建物の目的を周知させる役割もある。蓄光素材を使ったサインは、夜間での視認性の確保だけでなく、この施設の視覚的な個性付けにもつながっている。
水色に光るラインが、この施設とともに土肥地区の安心・安全の象徴となることを願っている。
LIVING MOTIF window
デザイナー:渡部智宏、平綿久晃(株式会社モーメント)
クライアント:株式会社アクシス
フォトグラファー:八坂麻理子(八坂麻里子写真事務所)
LIVING MOTIF window
作品コンセプト(一部抜粋)
東京・六本木のLIVING MOTIF 1階で開催されたアウトドアファニチャー展示イベントのデザイン。テーマは「Hotel like Outdoor design」。カッティングシートによるグラフィックと、床材・植栽・パーテーションといった実体のある要素を組み合わせて空間を構成し、それらをFloor、Plant、Partition、Viewの四つの要素として整理しました。各要素をモジュール化することで、会期ごとに再構成できる展示空間を計画しています。なかでも「View」は、ガラス面に施工したカッティングシートによって街の景色を再編集する要素として位置づけました。
大きなウィンドウにはビル群を抽象化したパノラミックなグラフィックを展開。展示は3会期にわたり開催され、ウィンドウのグラフィックも商品や空間レイアウトに合わせて会期ごとに更新しました。

中川ケミカル賞

2025年大阪・関西万博 スイスパビリオン
担当教員:エルウィン・ビライ、木下昌大、朽木順綱、山崎泰寛(京都工芸繊維大学 KYOTO Design Lab)
スタッフ:菊地理沙、飯田隼矢(京都工芸繊維大学 KYOTO Design Lab)
コラボレーター:マヌエル・ヘルツ(Manuel Herz Architects)
デザインワークショップ参加学生:セシリア・チュー・ユー・フイ、梯 涼真、清瀬莉奈、松嶋航生、奈須葵心、尾崎小太朗、外岡 遥、芳澤海飛(京都工芸繊維大学)
クライアント:Nussli Switzerland Ltd. Japan Branch
施工:学生有志
フォトグラファー:京都工芸繊維大学 KYOTO Design Lab
2025年大阪・関西万博 スイスパビリオン
作品コンセプト
本プロジェクトは、大阪・関西万博の開幕後にスイスパビリオンで顕在化した強い日射の課題に応答するとともに、既存建築に新たな意味を重ねる建築的アップデートとして構想された。
日射を抑えるため、熱を反射するカッティングシートを小さなシール状に切り出し、パビリオンの透明な膜の内側に貼り付けた。シールの形状は、パビリオンの展示にも関連するスイスの伝統工芸「切り絵」と、当初の計画は建物を囲む予定でありながら実現しなかった藤の花をモチーフとしている。学生たちの手によって、計画段階で構想されていた風景を膜面上に立ち上げることで、機能的な環境調整と空間的な物語の更新を同時に実現することを試みた。
エアリスベース
ディレクター:平野篤史(アフォーダンス株式会社)
デザイナー:平野篤史、赤間冴江子(アフォーダンス株式会社)
クライアント:群馬県太田市役所
建築:平田晃久(平田晃久建築設計事務所)
施工:アクト企画
フォトグラファー:吉江 淳
エアリスベース
作品コンセプト
圧倒的な配架数を感覚的に把握できるように、原色の色で分類し、漫画に登場する「吹き出し」や「強調線」「スクリーントーン」などを、それぞれの配架される図書のイメージに振り分けていき、天井に貼り込んである。その際の色が書棚にも影響をするように、視覚的な横断を目指しています。
豊田自動織機 Japan Mobility Show
デザイナー:丸山顕章(株式会社博展)
設計:岡村加代(株式会社博展)
ライティングディレクター:竹島千尋(株式会社博展)
ライティングシミュレーター:勝俣暸勉(株式会社博展)
グラフィックディレクター:川崎葉月(株式会社博展)
クリエイティブエンジニア:石田将也(株式会社博展)
テクニカルディレクター:笈川 岳、金 兌妍(株式会社博展)
プロダクトマネジメント:長井亮太(株式会社博展)
制作:永田愛夏、松下建介(株式会社博展)
プロデューサー:河田友輔、本間一翔、高田佳弥(株式会社博展)
クライアント:株式会社豊田自動織機
フォトグラファー:荒井 章(株式会社ナカサアンドパートナーズ)
豊田自動織機 Japan Mobility Show
作品コンセプト(一部抜粋)
一つの素材で、「企業らしさ」と「展示会で求められるデザイン」を体現する
豊田自動織機がJapan Mobility Show(JMS)出展にあたり求めたのは、「華美ではないが美しい」という同社らしい空間表現と、JMSにふさわしい未来感や動きのあるデザインの両立である。JMSではLED Visionを多用した高輝度でインパクトの強いブースが主流である一方、豊田自動織機は、あえて一歩引いた美しさを志向し、過度な発光や演出に依らない表現を求めた。
RAYCREAが可能にする透明感と繊細さ、動きを伴う面発光は、その相反する要件をつなぎ、企業らしさと展示会で求められる表現を両立させる中核的な要素となった。さらに、レイヤー構成によって透明感のある光が重なり合い、多様な表情を生み出すとともに、100周年を迎える豊田自動織機の歴史の積み重なりを表現している。
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