和光ショーウインドウ デザインコンペティション 2012

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応募作品数:258作品
受賞作品数:6作品
主催:株式会社和光

最優秀賞

木漏れ星

作品名 : 木漏れ星
作者名 : 谷 佳奈恵

コンクリートの道。そびえ建つビル。そこには窮屈に植えられた街路樹であふれていた。排気ガスで空は雲ってしまった。「満天の星空」はそこにはもうない。けれども、街路樹の間からはわずかながらも輝き溢れている「木漏れ星」が見えた。私達の身の周りの植物は、人工物と共に存在している。それらはまるで、コンクリートや排気ガスを栄養とし、周りのビル群に合わせながら生きている「灰色の樹」の様に見える。「灰色の樹」から見える「木漏れ星」を今回私は、環境問題をテーマにメッセージを持った作品として表現した。全てが「灰色の樹」となり、「木漏れ星」とならないために。未来にもう一度「満天の星空」を・・・・・・。
【審査員評】
未来にもう一度「満天の星空」を、という作家の強い想いを感じられる作品。(八鳥) 「木漏れ星」というタイトルとデザイン画に込められたイメージから、未来への夢と、表現としての日本の文化的な技術を感じさせる作品。工芸的であり、ポエティック。銀座が常に求める「革新性」に通じる「危険な表現(黒と銀)」。未来的視点は「生命と宇宙が共生する未来を描いたショーウインドウ」。(田中)

優秀賞

その街のその時のある風景

作品名 : その街のその時のある風景
作者名 : 手島伸幸

ショーウインドウは都市に対して開放的で生活の中に最も身近なアートなのではないだろうか。ならばそこには、ただ”みる”という行為だけが存在するのではなく、そこでしか体感できないものが良いのではないだろうか。そこで体感することでつくられるショーウインドウを考えた。ショーウインドウ内にセンサーを設け、人が通ることで反応し光の波紋と、音を発生させる。その場所を通ることで初めてショーウインドウはかたちづくられる。それは人の身長、密度、速度などの変化によって刻一刻と変化し、その一瞬にしか存在しない街の表情をつくりだす。設ける場所によって異なる体感型のショーウインドウをこの銀座という場所から始めることは、大きな意義があるのではないだろうか。
【審査員評】
参加する未来的ショーウインドウ。先端的なデジタル技術とヒューマンがひとつになる未来を予感させる。(田中) 見る人との関わりを考え直す作品。インタラクティブな仕掛けで、新しい感情を呼び起こすことが出来るかもしれない。課題は、人が反応しなくても美しいか、明るい日中にも美しいか。(武蔵)

時を重ねる喜び

作品名 : 時を重ねる喜び
作者名 : 持木慎子

日本人は、とかく年を重ねる事にマイナスイメージを抱きがちです。しかし、時を重ね経験しなければ得る事のできない力や喜びがあるはずです。外見の美しさが心の美しさ(豊かさ)へと移行しながら人生のバランスを取って生きたいものです。「大人の街・銀座」だからこそ、このメッセージを発信するのにふさわしい場だと考えます。老いる事を楽しめる大人が、日本の未来を明るく導けると思います。幸せなお年寄りが多い国は「豊かな国」。そうあって欲しいという希望を込めてデザインしました。人物は白の石コウ像、キュートな笑顔のおじいちゃんとおばあちゃんを制作。
【審査員評】
年を重ねたものが持つ美しさを表現している。大人の街、銀座にふさわしい。人間が最も興味を持つのは人間。(八鳥) 我々の未来は老人なのだから、楽しい老人時代がないと、日本の未来はない。(中村) 「老人は未来だ」というのは、意外なメッセージだが重要。(田中)

特別賞

雨景色

作品名 : 雨景色
作者名 : 榊 竜太

【審査員評】
磨りガラスにすることで意外性のある新しい表現の可能性がある。(八鳥)雨の空気感をうまく表現している。未来的というより、今すぐにできる完成度の高いデザイン。(田中)

UTSUROI

作品名 : UTSUROI
作者名 : LINEs AND ANGLEs

【審査員評】
デジタルに徹した表現で美しい。一見抽象的な屏風の世界だが、霧、蛍の光など、時間による変化が立体的で、具象的な美しさがある。デジタル時代の表現としての期待感がある。(田中)

生きてるおもちゃ

作品名 : 生きてるおもちゃ
作者名 : 田中秀征

【審査員評】
子供にとっての未来が見える。音符が音を感じさせ、思わず楽しくなる。大人にはない表現。実際に作ると、大人目線ではロボット的な面白さがあるのでは。誰が見ても、未来が明るくて楽しいものだと感じる。(田中)