第2回 SRF賞【一般部門】

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あなたが考える「こんなマンションあったらイイね!」を大募集

コンクリートを耐震被覆(たいしんひふく)して壊れない材料へと変換する「SRF」。従来技術より遥かに軽く、安価かつ簡単に安全な構造物をつくり出すことができる新技術で、先の大震災でも有効性が実証されました。

本コンテストを主催するのは、SRFを開発した構造品質保証研究所株式会社。これまでの震災対策にパラダイムシフトを迫る、革新的な新技術であるSRFを中心に、安全で快適な人間空間を創造することで、新世紀の社会への貢献を目指しています。

ここでは、応募要項を読み解くと共に、主催者に直接取材した内容を補足することで、どのような提案が求められているか「登竜門」流に考えてみようと思います。

1.キャッチコピーとキャラクター達

このコンテストの肝です!「第4の戦士」って何?!

数多くのコンテストの広告に接している登竜門も、正直なところ、この表現にはびっくりしました。少し読み進めるとお分かりの通り、もちろん「戦士」というのは比喩です。4人目のサイボーグを募集している訳でも、闘牛士を募集している訳でも、もちろん、ゆるキャラを募集している訳でもありません。

震災に立ち向かうイノベイティブなテクノロジー、旧来の業界常識へパラダイムシフトを迫るベンチャーなビジネスマインド。思わずカタカナを濫用してしまいましたが、こういった意気込みを「戦士」という言葉で表現しているのだと思います。
で、「第4」ということは、すでに仲間が3人(3社?)いて、4番目の仲間を募集しているよ、ということでしょうか。

であれば、仲間を集め始めた一人目ってどんな戦士で、どんな仲間 ── コンテストの場合は提案ですね ── を求めているか、を考えることが入賞への道筋になるのではないでしょうか?!

2.一人目の戦士「HOTAI MAN」って?

何で顔が四角いの、スーツ着ているの…

普段はビジネスされてるんでしょうね。変身前のスーパーマンでしょうか、いやこの姿が戦闘モードなようです。
公式ホームページに“革新技術で戦う実業家”、“包帯補強「SRF工法」で地震から建築物を守る。これまでに1万本以上の柱を補強してきた実績の持ち主。”とあります。
なるほど、これは主催者である構造品質保証研究所株式会社のことですね。
四角い柱に包帯を巻くのがSRFですし、革新目指してビジネスのフィールドで戦っているので、このようなキャラクターになったのだと推測します。

3.では「どんな仲間」を求めているの?

主催者はどんな提案が欲しいか?と読み替えて考えましょう

ここまでくれば、応募要項の前文を読めば分かりますね。
「日進産業は、セラミックを多層化し、熱の移動を抑制する塗剤(GAINA)を開発。都内のビルでは、SRFとGAINAを組み合わせて、消費電力が大幅に減ったことが確認されました。」とあります。これが第2の戦士、常識破りのセラミック戦士こと「GAINA MAN」です。
第3の戦士は、遺伝子工学のニューヒロイン「GENE WOMAN」。「今は、ポリエステルですが、遺伝子工学で、より強く切れにくい新しい糸を創れば、薄く、スマートになります。」
と、包帯だけでも強いけど、そこに塗装を加えたり、包帯自体の素材を進化させたり、といった改良、革新でSRFがさらに凄くなる。
といったストーリーがすでに描かれている。

ここから先は、「安全で快適な21世紀の街づくりに向け、さらに新しい発想の技術や材料を、広く、世界中から募ります。」ということですね。
制限無く何でもウェルカム、という感じに読めます。
SRFの改良等もありでしょうし、SRFとコラボレーションすることで力を発揮する何かもありでしょうし、SRFから離れて安全快適を実現するアイデアでもよいのでしょう。

ここで、主催者にお聞きしました。
「第一の戦士が立ち向かう脅威は地震と津波。第二の脅威はヒートアイランド、第三の脅威は老朽化を想定している」とのことです。
包帯補強で地震や津波に対応し、熱移動を抑制してヒートアイランドに対応し、遺伝子工学で作る強く切れにくい糸で老朽化に対応する、ということのようです。

それらを克服して、安全で快適な街をつくれたと思ったところに出てくるのが…、第4のまだ見ぬ脅威。そこに立ち向かう戦士を求めているのだそうです。
言い換えますと、「地震と津波、ヒートアイランド、老朽化“以外“の、もしくはそれらを越えるような問題意識や着眼点」を指摘し、それにどのように対応するか、という提案を求めている、ということでしょうか。

4.何を出せばよいの?

自由なアイデアを、得意な表現方法で自由に提案しましょう

内容については、「安全で快適な街をつくる身近なアイデア」であれば、新しい概念でも、ビジネススキームでも、プロダクトでも、プログラムでも、もちろん建築に関わることでも自由に考えて良いということだと思います。
ただ絵空事ではダメなのでは。「さらに新しい発想の技術や材料を、広く、世界中から募ります」ですから、専門部門ではない一般部門だとしても、現実味のある技術や材料を下敷きにした提案が望ましいのでは。
応募要項に「絵・写真・図面・ポスター・文章等を1枚にまとめて」とありますので、それを得意な手法で表現して、画像ファイルにして提出する、ということでしょう。

「登竜門」のまとめ!

とても志の大きなコンテストだと感じました。建築関連のコンテスト(設計競技)ですと、具体的な敷地や物件を想定したものか、抽象度が高い空想・未来的なもの、という二方向があるようにも思いますが、今回のコンテストは、未来志向で具体的、というユニークな立ち位置なのかと感じました。まだ2回目ということもあり、規模と豪華な審査員にしては、まだ知られていないように思います。チャンスじゃないでしょうか。
(登竜門編集長:山崎)

2012年
過去の入賞作品