住まいの環境デザイン・アワード 2014

募 集 終 了

  • 建築・インテリア・エクステリア
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  • 結果発表

応募作品数:198点
入賞作品数:25点
結果発表:2014年1月

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グランプリ

SHIRASU
「SHIRASU」

設計:鈴木亜生(ARAY Architecture)
施工:アルカンシェル

コンセプト

鹿児島の台地を形成する火山性堆積物のシラスでつくったブロックを、中空層を挟む内外壁として二重に積層した住宅。「自然に対して、人間は後釜に過ぎない」という建て主の言葉に啓発された設計者は、シラスという地域の素材に着目。断熱性や調湿性、耐火性、軽量といった特性を生かす建築用ブロックを、地元の材料メーカーと共同で開発した。ほかにも、この住宅では太陽熱温水利用や屋上緑化なども採り入れ、エネルギーに頼り過ぎず、自然を生かした暮らしという要望に応えている。エネルギー消費量は、以前、建て主が住んでいた戸建住宅と比べて半減したという。

審査講評

建て主のポリシーや生活観とも合致した非常にチャレンジングな住宅で、かつそれが実際に功を奏している。特に、シラスのブロックを二重壁にした点がポイントで、住宅の性能を教科書的に考えるのではなく、自分のものにしたからこその提案だろう。写真では、建物の外観が少し重い印象を受けたが、実際には住宅地の中で全く違和感がなかった。

住空間デザイン最優秀賞

扇屋旅館
「扇屋旅館」

設計:安原 幹・日野雅司・栃澤麻利(SALHAUS)、大坪輝史(6D)、泉井保盛(+i DESIGN)
施工:増田建設

コンセプト

創業90年近くの老朽化した駅前旅館を、オーナー宅の新築を機に全面改修したプロジェクト。それまで旅館から離れていた自宅を敷地奥に建てるのと同時に、道路からのアプローチとなる中庭を、街に向けて開放した。住居部分は、中庭寄りに居間などのパブリックな空間、奥に寝室などのプライベートを配置。それぞれの境界に木製ルーバーを設けてプライバシーを確保した。中庭を介した職住の豊かな関係と、地域再生の拠点を生み出している。

審査講評

自宅の新築をきっかけに、地域を巻き込んだ旅館の再生に発展させた点を評価したい。ひと昔前まで、日本にはこうした職住が絡み合った暮らしが普通にあった。豊かな生活空間というのは家の中だけではなく、職場や地域に溶け込んだところにあることを再認識させてくれるプロジェクトと言える。


villa921
「villa921」

設計:村梶招子・村梶直人(ハルナツアーキ)
施工:八建実業

コンセプト

沖縄・西表島の雄大な風景を一望する鉄筋コンクリート(RC)造の平屋住宅。切り妻屋根の妻面に当たる東西面は全面開口で、広いテラスから外部の自然までが一体につながった生活空間としている。一方、西側に深い庇を張り出し、強い日射を遮るほか、台風時には防風ネットを巡らせて、生活空間を守る。ツアーガイドである建て主の暮らしと、沖縄ならではの気候風土の双方に調和するコンパクトな現代住宅を創出している。

審査講評

沖縄の伝統的な住宅に見られた縁側的空間「アマハジ」の発想を、RC造の現代住宅で実現している。建て主の暮らし方に加え、猛烈な台風時をしのぐ工夫や、潮風への対策、材量調達の難しい離島の事情などをトータルにとらえつつ、沖縄の住宅のプロトタイプになり得る住宅を提案している。

環境デザイン優秀賞

DONUT
「DONUT」

設計:関本竜太(リオタデザイン)
施工:堀尾建設

コンセプト

古い2階建て住宅を、平屋に建て替えたプロジェクト。前面道路の往来からのプライバシーを確保するために、外側に対しては閉じる一方、中庭を囲む回遊式の各部屋は全面開口とした。中庭に張り出す軒の出や屋根勾配、建物外周部の高窓、中庭の打ち水などで、通風や採光を最適に調整し、エネルギー負荷の小さい快適な住まいを実現している。

審査講評

建物の断熱性能をきちんと確保したうえで、中庭側を全面開放できるようにしており、開いても閉じても快適で環境性能に優れた空間を実現している。細部まで配慮の行き届いた丁寧な設計が見られる。


桜時(さくらどき)
「桜時(さくらどき)」

設計:佐藤 勉(佐藤勉建築設計事務所)、須藤慶一(スチルソリッド)
施工:横沢建設

コンセプト

暮らしの変化に柔軟に対応する「時への呼応」を一つのテーマに掲げた住宅。1階、2階とも、建物の南側はワンルームが基本で、生活の場面や季節などに応じて、様々に仕切ることができる。太陽熱の蓄熱・循環システムのほか、ルーバーで採光・通風を制御するなど、エネルギー負荷を抑える様々な工夫が凝らされている。

審査講評

暮らし方に応じて伸縮できる柔軟な空間構成と、高い環境性能を確保するための空間構成とがうまく合致している。特に、住まい手自身が、その時々で快適と感じる空間や環境に変えられる点を評価したい。

住空間デザイン優秀賞

外・〈外〉・〈〈外〉〉
「外・〈外〉・〈〈外〉〉」

設計:葛川かおる・鹿田征歳(ああす設計室)
施工:技拓工房

コンセプト

外部から段階的に内部へと移っていく3層の「外」を、入れ子状に組み合わせた住宅。建物の外周に〈外〉、その内側に〈〈外〉〉があり、さらにその内部に居間や寝室など4箇所の「小さな小屋」を配置。気積の小さい各空間はエネルギー負荷が小さいうえ、それぞれの開閉によって季節ごとに環境を調整できるようになっている。

審査講評

内外の関係に対して、意欲的な空間構成が提案されている。入れ子を構成する木の架構の重なりや、ポリカーボネート板の仕切りからふんだんに入る自然光によって魅力的な空間が創出されている。


みんか2013
「みんか2013」

設計:興津俊宏・内田哲広
施工:斉藤工務店

コンセプト

伝統的な民家の土間や縁側、懐の深い屋根といった要素を、現代的に再編した住宅。建物の中心に、昔の蔵に当たるコンクリートのコア部分を設け、外側に向けて縁側的空間、土間的空間を展開。各空間の用途を限定せず、生活の場面などに応じて様々な場を生み出せるようにしたほか、農家としての実用にも対応できる空間構成としている。

審査講評

非常に魅力的な空間構成が考案されている。昔の蔵に当たる熱容量の大きい空間を中心に据え、その上部にある高い屋根の先から換気や採光を確保するなど、民家の特性を巧みに引用している。

入賞

作品名 設計者
工場から家 浅井裕雄(裕建築計画)
ステップテラスの家 La Casa della Terrazza Scalinata 丸子 淳・根本 理(mcja)
煉瓦とガス灯の家 宮島 豊(フーム空間計画工房)

ビルダー・工務店部門 優秀家づくり賞

作品名 設計者
胡桃(くるみ)の家 草野広宣(ケント・ハウス)
狭小住宅 -パッシブデザインリノベーション- OKUTA
京町町家~陽・風・緑=豊かな暮らし~ ザイソウハウス

暮らしデザイン部門 LiVES賞

作品名 設計者
創造する住まい 鈴木淳史建築設計事務所

暮らしデザイン部門 住まいの設計賞

作品名 設計者
en 富永哲史(富永哲史建築設計室)

暮らしデザイン部門 モダンリビング賞

作品名 設計者
FLAT40 河口佳介、K2-DESIGN

ベターリビング ブルー&グリーン賞【新築】

作品名 設計者
NOIE 清水知和・相原まどか(YUUA建築設計事務所)、アーキネット

ベターリビング ブルー&グリーン賞【リフォーム】

作品名 設計者
浄明寺の家 波多周建築設計

東京ガス賞

作品名 設計者
鴻巣さんの家 西久保毅人(ニコ設計室)
向陽ロッジアハウス 金野千恵(KONNO)
我孫子の家 白砂孝洋・清水大地(白砂孝洋建築設計事務所)

大阪ガス賞

作品名 設計者
長浜のいえ 神田篤宏・佐野もも(comma)
桑津の家 大西憲司設計工房
河内長野の家 藤原慎太郎・室 喜夫(藤原・室建築設計事務所)

九州の家賞

作品名 設計者
荻浦ガーデンサバーブ 大建
2012年
過去の応募要項