結果発表
2022/12/02 10:00

香十「香皿」デザインコンテスト 2021

応募作品数:91点
受賞作品数:8点
主催:創業440年御香所香十(株式会社香十天薫堂)、株式会社日本香堂ホールディングス

最優秀賞

うつろい
I.M.A. 今井勝英
うつろい
作品コメント
うつろいはスチール製の香皿です。
香りと煙りの流れを楽しむ「お香」
そこには小さいがしっかりとした熱が存在する。
「うつろい」はその熱を背面の鉄板に施した温度を感知し色を変化させる塗料により可視化する。
時と共にうつろうその風景は香が燃え尽きるまでの限られた時間を香りと共に、より大切な記憶へと昇華させる。
なにげなく過ぎていく日常が特別であることを知るデバイスとしての提案です。
受賞コメント
この度は素晴らしい賞をいただき誠にありがとうございます。
日常で、意識されず見過ごされているものに気付くこと、そしてその見過ごされているものによって新しい価値がうまれたらより素敵な「もの」「こと」になるのでは。そんな想いで作品を作らせていただきました。
まだまだ検討の余地のある状態ですが「うつろい」が香皿の可能性の一つを提案できていれば幸いです。
製作にともない金属の加工・塗装においてご協力いただいた方々に心より感謝申し上げます。

優秀賞

onput(オンプット)
迫 健太郎、迫 穂奈美
onput(オンプット)
作品コメント
お香を立てると、まるで音符のように見える香皿です。好きな音楽をかけるように、好きな香りであなたの部屋を満たしてほしい。
自宅で過ごす時間が増えた、特に若い世代の人々にお香をカジュアルに取り入れてもらうためのプロダクトです。
受賞コメント
この度は優秀賞への選出、誠にありがとうございます。
凛と立つお香の姿をさらに引き立て、香皿の形と一体となって視覚的に楽しめる作品を目指してデザインしました。
今回の受賞を励みに、今後も夫婦で創作活動を続けて参ります♩

中原賞

Moss
中野雅子
Moss
作品コメント
苔玉をイメージしたデザインです。
日々の暮らしの中でお香を焚き、ゆっくりと落ち着き、ゆったりとした気持ちで溶けていくイメージで作成いたしました。
受賞コメント
この度は中原賞を賜り、大変光栄に存じます。そして日頃から制作の応援をしてくださる方々に、この場を借りて感謝申し上げます。
穏やかな香り、光、空間、時…などを意識し、その制作は楽しく勉強になりました。
今回、評価いただけたことが、今後の制作の励みになります。
誠にありがとうございました。

島田賞

KOBO ─ 香棒 ─
榊原義弥
KOBO ─ 香棒 ─
作品コメント
野に街に香りを持ち出す。一服の香りを纏う場を探し求め一片の木片に目を留め、拾い上げるそんな所作が日常から離れた新たな癒しの時を生み出します。
世代ごとにお香との距離も様々…従来の静謐な「静」のお香も良し。部屋から飛び出し、首から掛けて野や街でお香を焚く…日常と異なる場と香りは、世代を超えた人に新たな気付きと癒しを与えてくれます。
受賞コメント
香りを外に持ち出し、心に触れた場と花木と共に一服の香りを楽しむ…
変化した日常の新たな「時」の過ごし方を想い、デザインしました。束の間、日常から離れ、たおやかな時を過ごしてもらえればと思います。
この度は選考いただき、ありがとうございました。

香十賞

風の小道
幸田大和
風の小道
作品コメント
どこまでも続く小道に香りが漂い、記憶の散歩へ出かけるようなイメージで制作しました。
お香を斜めに挿すタイプで、灰が散らばらずに小道に落ちる角度にしています。柔らかな曲線と一本の木が特徴です。
受賞コメント
この度は「香十賞」をいただき、誠にありがとうございます。陶器の優しい風合いと滑らかな曲線を大切に作りました。
今後の制作の励みとし、より良いものを制作していきたいと思っております。本当にありがとうございました。

陶器部門賞

Incense Mug
関口祐介
Incense Mug
作品コメント
「おうち時間」が増えた昨今、その日の気分や家族の居場所に合わせ、自分の作業スペースも変える。
そんな新しいライフスタイルに寄り添った香皿の提案です。コーヒーマグの形からヒントを得て、持ち運びしやすくモダンな住環境に溶け込むデザインを目指しました。仕事中に気分転換したい時、リラックスしたい時あたかもコーヒーを淹れて飲むような気軽さでお気に入りのお香を好きな空間で楽しめるようにしました。
受賞コメント
この度はこのような素晴らしい賞をいただき、誠にありがとうございます。
慌ただしい毎日の合間に、お香でホッと一息つけるような優しい雰囲気を目指し、りんごのような、ころっとした丸い曲面でデザインしました。
この作品の制作にあたって、ご協力いただいた方々にも感謝を申し上げます。
今回素敵な賞をいただけたことを励みとし、今後精進していきたいと思います。

金属部門賞

WAVE
奥居功周
WAVE
作品コメント
波型の板を少し斜めにトリミングすることで、線香が皿の中に納まり、また波型の溝が落ちゆく灰を留める。そのような香皿をデザインしました。
一見モダンな造形に見えますが、扇子の和紙の折りから引用しています。
受賞コメント
今回、受賞の連絡をいただき大変嬉しく思っております。
私自身が普段からお香を嗜むこともあり、デザイン×お香 でものづくりができたこと、そして賞までいただけたことは今後の活動の励みになります。

ガラス部門賞

鏡花水月
塚原 梢
鏡花水月
作品コメント
夜の静かな水面に月明かりに照らされた花が映り込んでいる様子をイメージしました。
ガラスに七宝で使用する銀線を置き焼成する技法で制作しています。ガラスの透明感や鮮やかな色彩、銀線の繊細な線のそれぞれの素材の良いところをあわせることができるので、そこに魅力を感じています。
受賞コメント
この度は、素敵な賞をいただき、ありがとうございます。
今回の制作では色々な発見があり、引き続き香皿を作りたいと思います。
賞をいただけたことで、とても励みになりました。今後も精進してより良い作品が作れるように頑張ります。
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