結果発表
2016/08/25 10:00

第10回 電車と青春21文字のメッセージ ~初恋・これから~

train-seishun応募作品数:4,603点
受賞作品数:4点
主催:電車と青春21文字プロジェクト

石坂洋次郎青春賞

電車って、恋が芽生える温室かもね。
志村紀昭
作品評(俵 万智)
恋の種が落ちても、環境が整わなければ、芽生えることなく枯れてしまうでしょう。電車は、恋が芽生え、よく育つ温室だという比喩に、とても説得力があります。今回の入選作の数々を見ても、それは明らか。多くの人の心にあるものを言葉にすることに成功した作品です。

初恋賞

もう少し話していたいけど制限時間はあと二駅
井田菜摘
作品評(俵 万智)
制限時間という表現が、とてもユニークですね。せっぱつまった気持ちや、電車独特の「駅と駅とのあいだ」の感じが、よく出ています。容赦なくきてしまう下車の時間。限られているからこそ大事にしたいという思いも伝わってきます。

MAKE YOUR SMILE賞

車窓に映るあなたと私、内緒の写真たて
北園淳子
作品評(俵 万智)
車窓に映る自分の顔を確認したり、相手の表情を盗み見たり…という作品は多くありましたが、二人並んでというのは珍しいですね。しかも「写真立て」という比喩が新鮮です。一瞬で過ぎてしまいそうな車窓の面影ですが、心にはずっと残ることでしょう。

大津市長賞

出発と共に心が動き、停車と共に覚悟を決める
野澤佳奈
作品評(俵 万智)
リズムがとてもよく、対句的な手法も鮮やかです。電車の動きと心の動きが連動している様子が、リアルですね。こんなふうに、背中を押してくれるものとして、電車があるというのが素敵だなあと思いました。