結果発表
2017/12/11 10:00

CREATIVE HACK AWARD 2017

応募作品数:437点
受賞作品数:7点
主催:WIRED(コンデナスト・ジャパン)

グランプリ、パブリック賞

Street Debater
Street Debaters
作品コメント
ストリート・ディベートは路上で問題提起をし、世論を硬貨で可視化する職業である。これは、路上での「ものごい」に代わる行為でもあり、尊厳を損なわずにお金を稼ぐことができる誰もができる方法である。路上で暮らすことを余儀なくされた人々が、友好的な会話を通して社会へ対等な立場で再接続する最初のステップとなることを目指している。ロンドンではストリート・ディベートで1時間に平均13.5ポンドを稼ぎ、12.5人を議論に巻き込むことが明らかになっている。現在もロンドンでは一人のストリート・ディベーターが、通りすがりの人々にベーシックインカムの是非を問いながら日々の生活費を稼いでいる。

私たちはかつてないほど思想的に分断された社会の中を生きている。SNSがもたらしたエコーチェンバー現象による思想の分断が社会に歪みをもたらし、世界中の国の政治が極端なイデオロギーに傾き始めている。社会の両極化を是正できるのはデモによる一方的な方法での思想の押し付けではなく、様々な背景から来た人が顔を合わせ、異なる立場を保ちつつ意見の違いを議論することではないだろうか?

ものごいの行為のハックから始まったこのプロジェクトは、都市の至るところで「問い」と「対話」が立ち上がる未来の実現を目指している。
なにをハックしたか
ヨーロッパの都市における「ものごい(begging)」
なぜハックしたか
ものごいは都市に負の関係性を生成すると同時に、ものごいをする当事者の尊厳を損なう行為であるから。
どのようにハックしたか
路上で問題提起をし、世論を硬貨で可視化する職業ーStreet Debaterーを広める
審査コメント
共さんが素晴らしいのは、貧困にフォーカスし、“声なき人たち”に存在意義を生み出しているところです。いまはアナログなアプローチですが、いずれこの試みが大きなものになっていくことを期待しています。(クラウディア・クリストヴァオ)

準グランプリ

くらまの火祭
谷 耀介
作品コメント
京都は鞍馬の由岐神社。ここで毎年行われる奇祭、鞍馬の火祭。ドキュメントとファンタジーが交錯しながら、人とカミ、妖怪たちが一緒になって祭りを作り上げる。

京都にある実際の祭、「くらまの火祭」をベースに、ファンタジー要素を加えたアニメイテッドドキュメンタリーとして描いた作品。
この祭の持つ、民俗学的な背景やアニミズム的世界観をダイレクトに映像の中に描いた。
物理的な制限のない記録性を持ち、より抽象的なドキュメントの価値を生み出す。
なにをハックしたか
アニメーションのリアリティ
なぜハックしたか
現実感のボーダーがより薄くなってきたから
どのようにハックしたか
ファンタジーとドキュメントを交錯させた
審査コメント
「アニメーションをつくるためのアニメーション」ではなく、京都三大奇祭の一つである「鞍馬の火祭」を描くことを通し、「神様を描くとはどういうことか」にアニメーションで挑戦していると思いました。最近のアートアニメーションは、作家の心象を描くことが主流となっていましたが、そうした潮流に対して一石を投じる作品だと思います。(笠島久嗣)

特別賞

Sundial by Prescription
Architectural Prescription
F.I.E(For Insect Eating)
高橋祐亮
Biological Tailor-Made: 2.5 Dimensional Fashion Pattern Cutting
川崎和也

ソニー特別賞

I am ☆ Star(アイ アム ア スター)
TETSUJIN - AUDIO VISUAL(高橋哲人、モシ村マイコ)

ワコム特別賞

土下座ポートレート
動いた。

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