結果発表
2023/09/06 10:00

第25回 雪梁舎フィレンツェ賞展

応募作品数:163点
受賞作品数:6点(佳作および入選を除く)
主催:公益財団法人美術育成財団雪梁舎

フィレンツェ大賞

追憶の街
横田 宙八
追憶の街
作品コメント
足早に通り過ぎる人達の中に、寄り添い歩く家族の姿。幼い日の記憶は、父となった今、少し角度を変えて思い起こされる。

フィレンツェ美術アカデミア賞

自由研究
薗田 雅俊
自由研究
作品コメント
これまでしばらく“線”を取り入れた画面づくりに取り組んできた。今作品は赤のグラデーションを意識したため、線も赤でスタートした。線とのバランスをとりつつ平面性を保ちたかったので、色面は極力ボリュームを抑えている。

ファウンダー捧賢一賞

誰もいない場所
余 梦婷
誰もいない場所
作品コメント
私の作品は多く夢から出てきた記憶やイメージ、風景そして人間を描いてきた。夢の場面は現実の世界と結びついて、不思議な風景となる。
休みのときに旅をして、そこで出会った様々な人々やその情景を記録した。ヨーロッパ、日本、あるいは中国の建物を空間に用意し、夢に出てきた人々を描き、独自の絵画世界を描いてきたと考えている。自分の中に対象を求め、創作する過程で客観的な視点からその世界を見ることから始めた。現実と内的な世界の先にある生命に対しての思考を、私の絵画世界に定着させることを考えている。夢に出てきた人々は、そこにいる人物としてではなく記憶として描かれている。

雪梁舎設立30周年記念賞

緑の通路
洪 旭頡
緑の通路
作品コメント
夏のある日、静かな電車に集まった小学生たちはマスクをしていても、目や姿勢から何か情報が伝わってきます。
電車はまだゆっくりと進み、子供たちを緑道へと導きます。

優秀賞

ゆっくり急げ
河野 隆行
ゆっくり急げ
作品コメント
画題はヨーロッパで古くから用いられている格言「FESTINA LENTE」からインスピレーションを得ました。
小学生の息子は、毎日就寝直前に音読の宿題を慌ててこなします。焦って早口で読む姿は、かえって余計な労力を必要とし、よい読書の習慣にはつながっていないように思えます。けれど、眠気のあまりじっくり読んでも求める効果は得られなさそうです。何か相反する時間の中で、もがいている光景が浮かびました。
私の描く対象は、身の回りにあるもの、旅先で出会ったものなど、生活の何気ない場面の中に潜んでいます。描きたい衝動に駆られたそれらのものたちを、画面に留め置くように構成し、油彩の古典技法を用いて丹念に描こうと心がけています。
表現したいのは、私の心の内で揺さぶられる強く儚い世界そのものですが、鑑賞者には自由にイメージを感受してほしいとも願っています。
こぼれていく
野中 美里
こぼれていく
作品コメント
作品テーマは、目には見えないつながりです。一つひとつ個々で存在するのではなく、一つひとつの関係にながれを感じながら制作しています。特定の風景を描くのではなく、時間、場所、日にちの違うたくさんの風景を線で描きおこしていきます。いろんな風景を重ねて一つの風景を構成してから画面に入ります。画面の中で新しい風景に出会うような感覚で制作しています。
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