結果発表
2026/10/19 10:00

TOKYO MIDTOWN AWARD 2026 アートコンペ

主催:東京ミッドタウン
協力:合同会社生活と表現
後援:University of Hawai‘i at Mānoa /Department of Art and Art History
パートナー:三井デザインテック株式会社

応募作品数:295点
受賞作品数:3点

グランプリ

Wave Goodbye, Waves
德本道修
Wave Goodbye, Waves
作品コメント
私が住む福井県敦賀市は、高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉から、急速な高齢化と人口減少に直面し、近年「魂抜き」と呼ばれる、継承者のいない仏壇を処分する法要が急増している
本作は、一見すると関係性が見えない、この二つの現象を重ね合わせ、原発をめぐる議論を、賛成・反対という二項対立や、危険か安全かという二元論ではなく、地方の地域社会、家制度・家系の記憶の問題を巻き込んだ現実として重層的に捉え直す試みである

準グランプリ

Who is sitting there?
山中春海
Who is sitting there?
作品コメント
空襲で家族を失った曽祖父の戦争PTSDを出発点に、戦争によるトラウマがどのように世代間伝達されているかをテーマに、当事者の子世代に取材し制作している。本作は個人の中に残る戦争トラウマを、土中に埋まった不発弾を見るように映像を通じて「覗き込む」作品。映像に映されている風景と、実際に存在する空席の椅子が虚実反転する装置によって、鑑賞者はいつしか土中の死者の視点で恐怖を追体験する。

優秀賞、パートナー賞

噴水(cafe cup)
平松可南子
噴水(cafe cup)
作品コメント
「都市の中の一人ひとりの噴水は、例えばスタバのコップの中にあるのではないか」という仮説から出発する。温度や時間の経過によって変化するカフェカップ内部の小さな流動を、極めて私的な「噴水」と捉え、境界の曖昧な噴水の構造と重ね合わせ、その不可視の流れを連続する絵画面による立体として可視化する。都市に潜む個人的な時間や内と外の揺らぎを、一時的なオアシスとして画面上に立ち上げ、都市と個人の関係を問い直す。

ファイナリスト

Ghost
飯村健二
Ghost
作品コメント
美術教育というある種の呪いによって強迫観念に近かった「“うまく”描くこと」や「彫刻が“ある”こと」
「“ない”彫刻こそ本質である」と気付いた時に、自分が受けてきた、自分が授けてきた美術教育という呪いから解放された。
“ない”彫刻の内と外からの景色を、この東京ミッドタウンという場所で見てみたい、見てほしい。
それは、新しい彫刻概念と未来の美術教育へ辿り着くための最初の景色になるかもしれない。
瞬いて
植松美月
瞬いて
作品コメント
呼吸は、絶え間なく繰り返される身体の営みでありながら、一つとして同じものは存在しません。この作品は私が1日に意識して行った呼吸の記録を可視化しました。積層した色彩と反復する数字は、目には見えない時間の厚みと、呼吸によって刻まれる1日の痕跡を静かに浮かび上がらせます。
スピード感のある社会のなかで、数字を追うことを通して、置き去りになりがちな身体のリズムに立ち返るきっかけとなればと思います。
プロレス版画 ─ 見立て兄川大合戦之図 ─
日髙衣紅
プロレス版画 ─ 見立て兄川大合戦之図 ─
作品コメント
木版画を制作していると、彫る・摺るという反復のなかで、自らの身体と時間が画面に刻まれていくように感じる。それは、鍛錬を重ねながら技と物語を紡ぐプロレスと響き合う。本作では、合戦絵を下敷きに弾丸の軌道をリングロープへ置き換え、ラワンベニヤの荒い木目・彫り跡・摺りの軌跡を活かし、プロレスの力強さと躍動感を表現した。私がプロレスに勇気づけられてきたように、現代を生きる人々へ前へ進み続ける力を届けたい。
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