オランダの世界報道写真財団が、報道写真の世界的コンテスト「世界報道写真コンテスト」の今年の結果を発表した。大賞には、AFP通信の千葉康由さんが撮影した「Straight Voice（まっすぐな声）」が選ばれた。

同コンテストは、主に前年に撮影された報道写真を世界中から募るフォトコンテスト。今年は125の国や地域から4,282人の報道カメラマンが参加し、7万3996点の作品が集まった。国際審査員団により、8つの部門での受賞作品と、全部門を通じて1点の大賞が選出された。

大賞受賞作「Straight Voice」は、2019年6月19日にスーダンの首都ハルツームで撮影されたもので、文民統制を求める若者が集会で政府への抗議の詩を叫ぶシーンだ。政府当局が電気やインターネットを遮断して取り締まりを強化する中、携帯電話で周囲を照らしながら声を上げる青年たちの姿が浮かび上がっている。

受賞した千葉さんは1971年生まれ。武蔵野美術大学映像学科を卒業後、朝日新聞社、フリーランスを経て現在はAFP通信社ナイロビ支局にてチーフフォトグラファーを務めている。日本人の大賞受賞は1979年以来となり、4人目の快挙だ。

また、今年はEPA通信の黒川大助さんも「スポットニュース部門」で入賞し、日本人の活躍が目立つ結果となった。

同コンテストの受賞展「世界報道写真展」は例年、世界各地を巡回するが、今年の開催は未定となっている。

コンテスト公式ホームページ（英語）
https://www.worldpressphoto.org/collection/photo/2020/39852/1/Yasuyoshi-Chiba-POY

世界報道写真展 公式ホームページ
https://www.asahi.com/event/wpph/