結果発表
2026/10/14 10:00

19th SHACHIHATA New Product Design Competition

主催:一般社団法人未来ものづくり振興会

応募作品数:1610点
受賞作品数:8点

グランプリ

感謝材
柴野杏菜
感謝材
作品コメント
緩衝材を「ありがとう」を伝えるしるしに変換する。ハニカムクッションペーパーを広げると、角度によってTHANK YOUの文字が現れます。モノを送る機会が増えた現代で多用される梱包材に、気持ちを届ける「しるし」を加えることで、受け取る瞬間に小さなよろこびを生み出します。
審査コメント
「紙の切り込みと印刷を重ね合わせることでこんなコミュニケーションが可能になるのか、という驚きがありました。感謝を伝えるということよりも発見の部分にポテンシャルを感じます」(中村勇吾)

「ものを包む緩衝材にメッセージを潜ませる着眼点になるほどと思わされました。色々なメッセージに対応できるので、これを起点に面白いコミュニケーションを考えていけるといいと思います」(原 研哉)

「緩衝材を新しいメディアとして再発見したところに驚かされました。思わず、やられた!と言いたくなるアイデアです」(深澤直人)

「印刷と切り加工によるシンプルな仕組みですが、まだ見たことのない鮮やかなアイデアでした。ありそうでないという一番難しいことをやっている作品だと思います」(三澤 遥)

「宅配便の利用が増え、緩衝材を目にする機会も多い中でこのようなアイデアが出てきたという点に、テーマである『現代』を感じました。広げると文字が見えてくるという計算された仕組みにもデザインの良さを感じます」(辰野しずか)

準グランプリ

縁取る印
今井大和
縁取る印
作品コメント
「縁取る印」は、薄い紙の縁にフィットする特殊な形状のマーカーです。紙の側面をなぞることで、縁が朱色に染まり、本やノートの小口にひと筋のしるしを刻みます。デジタルの海に消えゆく情報の輪郭を呼び戻し、現代の記録に揺るぎない意味を宿すための新しい「しるし」の提案です。
審査コメント
「本の小口に地層のように現れる線状のしるしは今までになかったしるしの在り方です。新しい文房具というのはなかなか出てこないものですが、本作は素晴らしい発想と定着力でそれをやっていると思います」(原)

「紙の縁を一つの面と捉え、しるしの対象にする作者の視点に目から鱗が落ちる気がしました。紙を『一枚』ではなく『六面体』と捉えれば、縁も確かに媒体として機能します」(三澤)
きれいに押せる印
菊池 潤
きれいに押せる印
作品コメント
直感的にきれいに押すことができる印鑑です。円盤状なので、印の近くを手で塞ぐことなく構えることができます。また、透明なので真上から位置を確認しながら押すことができます。手元の見通しをよくすることで、押印という行為を、従来よりも明瞭な意思表示へと変える、新しい印鑑のかたちです。
審査コメント
「審査を通じて様々なハンコを押してきましたが、際立って押し心地が良かった。開けた視界の中で、しるしがポンと着地する様子に体験としての新しさを感じました」(中村)

「透明な円の中にしるしが浮いている様が美しく、押し心地も良かったので、素直に欲しいと感じました。新しいものは出尽くしたという諦めや飽和感のある時代に、それでもハッとするような新しい提案が生まれたことに、現代性を見出しました」(辰野)

審査員賞 中村賞

KOKURI
仙谷日菜、郭 瓊嬪(チーム名:nekoze)
KOKURI
作品コメント
うなずきは会話に安心感をもたらす大切な「しるし」です。KOKURIは、WEB会議の画面上で、ユーザーの動きに合わせて名前のアイコンをうなずかせることができるアプリケーションです。顔を見せることなく「聞いていますよ」という意志を伝えて安心感を作り出す、現代の「しるし」の提案です。
審査コメント
「WEB会議で誰もがそれとなく感じているであろうモヤモヤを、シンプルな手段で解決してくれる案だと感じました。アバターや拍手の絵文字などでリアクションを示すこともできますが、うなずく動きだけで同意を示す本作は、より直感的で優れたソリューションだと思います」(中村)

審査員賞 原賞

私のプリン様
秋本賀珠
私のプリン様
作品コメント
忙しい現代では、家族同士でも「楽しみに取ってある」「食べないでね」という小さなひとことを伝える機会が減っています。「私のプリン様」は、そのひとことの代わりに座布団を使いご褒美の存在を家族にやさしく伝えるしるしです。座布団の色を家族分用意すれば、楽しみをそっと守り合うことも出来ます。
審査コメント
「コミュニケーションには繊細さだけでなく笑いが必要です。この案には単なる思いつきではない、暮らしの中からにじみ出てきたような機微を感じました。冷蔵庫にこれがあれば、家庭が円満になるのではないでしょうか。『現代』というお題に座布団という回答が出てきた点にも驚きがあります」(原)

審査員賞 深澤賞

pac
志村 優
pac
作品コメント
アレルギー特定原材料9品目それぞれを示すリボンで、どれが含まれているのかを視覚的に知らせるしるしです。「現代病」とも言われるほど、アレルギー疾患を持つ人が増加している今、含まれている材料をさりげなく明らかにすることで、安心して食べてもらうための気遣いの「しるし」の提案です。
審査コメント
「アレルギーの情報をリボンにしてパッケージ上に表示するという発想に優しさを感じました。最近はアレルギーに限らず食品の表示をよく見て買い物をする人が多くなっているといいます。機能的な表示を、ギフトのような見た目でやってのけるところに表現としてのレベルの高さを感じました」(深澤)

審査員賞 三澤賞/辰野賞

手触りの鉛筆
木下 快
手触りの鉛筆
作品コメント
表面のテクスチャーが、芯の硬さと対応している鉛筆です。手に取ると、感触から書き心地を無意識に想像してしまう。そんな触り心地を起点に、道具と体の関係を直感的なものへと変化させるプロダクトです。視覚的な記号でもなく、デジタルで発する信号でも無い、触覚だけで伝える「しるし」の提案です。
審査コメント
「鉛筆に触れた瞬間、今から書こうとしているのものへの意識が動く感じがして気持ち良かったです。真っ黒な見た目で手触り以外の情報がない鉛筆ですが、それでも触覚を通じて伝達されるものが豊富にある。そういう人間の感覚の敏感さに気づかせてくれる点にもぐっときました」(三澤)

「デジタルが台頭する時代に、手触りというリアルなものが携える特徴に着目している点に惹かれました。書き心地と鉛筆の手触りがリンクしているという身体的な心地よさは、スクリーン越しにものごとと接する機会が多くなっている現代において、改めて見直していい価値だと思います」(辰野)

特別審査員賞

名古屋のしるし
山内可奈子、山内真一(チーム名:kuli-kuli)
名古屋のしるし
作品コメント
失われつつある印鑑文化を「食べられるハンコ」として再編集し、未来へ残す試みです。かつて日本では誰もが持っていた印鑑を、飴としておいしく楽しみながら知る、新しい文化継承の形を提案します。菓子問屋や駄菓子文化が根付く名古屋の地域性も取り入れた、文化と食が結び付いた土産でもあります。
審査コメント
「飴でハンコをかたどってお土産にしてしまうという発想そのものが面白いです。『中村さんと、加藤さんにお土産を買って帰りたいから土産物店でそれぞれの名前の飴を探そう』なんて行為が名古屋駅に定着したら楽しそうです。食べ物の案なのでチャレンジではありますが検討しようと思います」(舟橋)
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