結果発表
2023/10/11 10:00

NOBUKO基金ART 第2回 「絵と言葉のチカラ」展

応募作品数:425点
受賞作品数:8点(佳作・入選を除く)
主催:「絵と言葉のチカラ」展実行委員会

グランプリ

春、再び
絵・言葉 石居麻耶
春、再び
言葉
やわらかな風が吹いてきて、
遠く追いかけていたものがいつの間にか
すぐ隣で花を咲かせています。
風に背中を押されるように一歩踏み出し、
空にかざした手の先に触れた舞い降りる花のひとひらを
手のひらで静かに受け止めていました。
はじまりの季節はそんなふうにして訪れる気がします。

今年も桜を見に来ました。

花の名前は、花を心の眼で見るためには
頭の片すみに置いておくくらいに
思っていてもよいのかもしれません。
名を知ればそれはいつもの同じ花と思って
見過ごしてしまうものもあるのです。

変わりゆくものと変わらないもの。
同じだけれど同じではない
その花の新しい姿を今一度心に映しておくために。

「雲の上はいつも、晴れ」
明日のことは分からなくても、
またこの桜を見たいという気持ちが
再びの春へと心を向かわせます。
夢待ちの花
絵・言葉 石居麻耶
夢待ちの花
言葉
春を待ち望む気持ちが
長い冬を越えて花開きます。

樹齢千年の桜が咲いていると知りました。

千年先を想ってみれば、
今日の日の様々な出来事は
咲き誇る桜の無数の花々から
手のひらに舞い降りる
ひとひらの花びらのよう。

そこにはまるであなたが居るみたいです。

千年前を思い描いてみれば、
昨日一昨日、一年前も数十年前の出来事も
無数の花びらに紛れて見分けがつかなくなる
ひとひらの花びらのよう。

そこにもまるであなたは居るかのようです。

遥か先の日に希望を重ね見るとき、
「また来年も桜が咲くのを見たいね」という
季節の約束が交わされます。
もう一度会いたい気持ちと、季節の花と。
さくら通りを駆けてゆくあの子の向かう公園で。

NOBUKO賞

母子像
絵・言葉 横山芙實
母子像
言葉
母よ、
母よ

浮かびたゆたう
ぬくもりの

思い出づるは
在りし日の

ああ鼻をつく
地のにおい

齋 正機賞

BREAD・136
絵 倉田和夫、言葉 香織
BREAD・136
BREAD・137
絵 倉田和夫、言葉 香織
BREAD・137

山下裕二賞

通り過ぎた街角
絵・言葉 片山 勝
通り過ぎた街角

「芸術新潮」賞

まぶたの裏
絵・言葉 谷口朋栄
まぶたの裏

上野松坂屋賞

月ノ輪会議
絵・言葉 山下健一郎
月ノ輪会議
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