結果発表
2017/08/07 10:00

第5回 がん征圧ポスターデザインコンテスト《学生限定》

応募作品数:65点
受賞作品数:16点
主催:公益財団法人日本対がん協会
※ここでは、上位4点をご紹介します

最優秀賞

この人は嘘をついています
勝森彩香(沖縄県立芸術大学)
この人は嘘をついています
作品コメント
がんは自分が気づかないうちに進行している。これを伝えるために、がん検診に行かないガンコな人が言いそうなセリフを考えました。イラストとセリフのラフなタッチと注意書きの緊張感で、2つのギャップを待たせて見ている人に興味を持ってもらおうと思い、デザインしました。
本田 亮先生からの講評
がん検診に行かない人の気持ちを肩から力を抜いて表現し、キャッチで「嘘」という強い言葉を使って真っ向否定する構成が見事。がん検診を推奨する専門家も思わず納得した作品。きわめてシンプルな作りだが、イラストの味わい、アイコンの使い方など、デザインの基礎力があるのに敢えてそぎ落としていると感じた。

優秀賞

ステージ
赤嶺嘉朗太(那覇情報システム専門学校)
ステージ
作品コメント
がん検診を行うことで、避けられるかもしれない人生の「ステージ」があるのを、周知してもらうことが目的です。
本田 亮先生からの講評
極めて完成度の高い作品だと思った。がんの「ステージ」と、歌の世界の「ステージ」という言葉を重ねて、患者にスポットライトを当てているビジュアルに大人のユーモアを感じた。大胆にブルーで統一したデザインもなかなかインパクトがある。最後まで最優秀賞を争ったが、わずかな票数の差は、人間の温もりの差にあったように思う。
検診 行く行く詐欺
大賀愛子(金沢美術工芸大学)
検診 行く行く詐欺
作品コメント
ついつい後回しにしてしまいがちながん検診。がん検診の優先順位度が高くないため、誰かに検診に行くように促されても「うんうん、行くよ~」と返事をするだけで受け流してしまいがちだと思います。そんな人たちに注意喚起をするとともに、がん検診を多くの人に受けてもらえるようなポスターを目指して制作しました。
本田 亮先生からの講評
審査員からも「こういう会話、よくあるよね」と多くの共感があった。「行く行く詐欺」という言葉も軽妙でユーモアがある。日常会話の中でがん検診を捉えた目の付け所も良い。親しみやすくわかりやすいビジュアルを採用している分、デザイン的にシャープに引き締める部分があっても良かったのではないかと思う。
癌はスマホじゃ分からない
岡庭秀晃(長岡造形大学)
癌はスマホじゃ分からない
作品コメント
がんの問題は自分だけではなく、周りの人にとっても重要な問題だと気づきました。検診を受けるのは自分自身のためでことを伝えるポスターはたくさんありますが、自分にとって大切な人のためでもあるのだと感じられれば、がん検診に行こうと思うのではないではないかと考え、制作しました。
本田 亮先生からの講評
多くの応募作品の中でただ一つのユニークな発想だった。現代社会の中で万能だと思われているスマホ検索をチクリと批判しつつ、実際に行動に移すことの大切さをアピールした視点は面白い。黒をベースにしたデザインもがんを発想させ、シンプルで力強い。受けコピー(「そうだ、がん検診に行こう」)がパロディではなく、自分の表現になると良くなったと思う。
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