結果発表
2020/10/01 10:00

COPIC AWARD 2020

応募作品数:4321点
受賞作品数:12点(入選を除く)
主催:株式会社トゥーマーカープロダクツ

グランプリ

silk hat cat
HAMU(Japan)
silk hat cat
審査コメント
隙間を空けながらいろんな色を混ぜつつ画面の中で色が濁らないような配慮、離れて俯瞰してみると複雑な表現がされていて近寄ってみると一つ一つの色が際立っていて……という工夫を感じられ、実はすごく計画的に描かれた絵なんじゃないかと思います。
最後に悩んだ3作品はどれがグランプリになっても全くおかしくなかったですが、評価をするとしたらその技術力の高さかなと思ってこの1点を選びました。(松下 計)

一次選考の時から気にはなっていたのですが、原画で見たら面白くてなんだか不思議で妙に引き込まれました。作者が描いてて楽しそうだなっていうのが伝わってくるのがいいです。(小畑 健)

準グランプリ

Vielfalt
HiddenService(Germany)
Vielfalt
審査コメント
どうして一次選考の時に見落としてしまったのだろうというぐらい、原画で実際に見たらすごく熱意の伝わる作品でした。かわいい女の子のキャラクターをメインで描く作品は多くありますが、これはもう全部全力で描いてるなと。木の肌の質感や植物の捉え方の描き込みなど、誠意をもって描いているという迫力を感じました。(せきやゆりえ)

アワードのサイトで見た時から目立っていて、自分で選んだ作品の一つです。一番最初に画面で見た時から素晴らしくて、少し感じた怖ささえその良さなのかなと感じました。原画を見た時、あぁこれは絶対優勝だと思いました。この描き込まれた世界観にキャラクターがミックスされた様子がすごく素敵です。(津森千里)
Humedo
Salvador Piuma(Argentina)
Humedo
審査コメント
これは絵の構図や描き込まれているモチーフがシュルレアリスムのようなSF映画のような、いろんなイマジネーションをかき立てるような不思議な絵ですよね。塗りもシンプルなのかと思えば、背景のタイルは一つずつ均一に塗るのではなくちょっとずつ陰影をつけていたりと、実物を見るとすごく丁寧な仕事をされているのがわかりますし、アイデアと技術が両立しているすごくいい作品だと思います。
プロフィールをほとんど見ずに審査したのですが、アルゼンチンの若い20歳くらいの人ということでちょっと会ってみたいと思わせられます。今後の活躍に期待していますし、面白い良い作家が見つかったなと思いました。(岩渕貞哉)

次世代アーティスト賞グランプリ

Don't believe everything at face value
Ja_Sutapat(Thailand)
Don't believe everything at face value
審査コメント
虎のなんともいえない表情に対して、草食動物たちの表情が読み取れないところなど、このイラストにどのようなストーリーが込められているのか、ひと目で興味をひかれて想像を掻き立てられました。
やや俯瞰ぎみに描いている構図も印象に残ります。
また、塗りも細部まで丁寧で、陶器質の光沢と面、温もりと冷たさまで感じるタイルの表現なども秀逸です。オレンジ、ミントブルー、ブラウンのまとまりのある色調が素晴らしいです。

岩渕貞哉 審査員賞

今日の記憶
susu kim(Korea South)
今日の記憶
審査コメント
これは、単純に派手なものやキャッチーなものを描くのではなく、空間の描き方とか、シンプルな色使いや人物の造形に落ち着いているけれどセンスの良さを感じられて好感を持ちました。今の若者の感覚というか、地に足が着いていながらも軽妙さのある印象を受けます。
原画で実物を見て、よりいいなと思ったポイントとして、色味の使い方も良かったです。落ち着いたトーンの中にポイント的に明るい色を使っていたり、ちょっと青を利かせてみたり、という配色も綺麗でいいなと思いました。(岩渕貞哉)

小畑 健 審査員賞

ばばば
魚pH(Japan)
ばばば
審査コメント
最初に一次選考でアワードサイトで見た時からすごくいいなって思っていて、実物が見たいという思いがあって選びました。
自分もこういう絵を描きたいと思って試したこともあるんですけど、なかなか満足したものは描けないです。こういう絵を描く人がすごく昔から好きなので、単純にこの絵は好みで選ばせていただきました。(小畑 健)

せきやゆりえ 審査員賞

Construcción de símbolo
Ariel Gutierrez(China)
Construcción de símbolo
審査コメント
コピックの技術というか、使い方的にはすごくストレートな塗り方だと思います。
色の塗りはとてもシンプルなんですけど、あんまり見たことない作風だな、と思って目を引かれました。全体的に紫色のトーンで作られていて、暗い室内に光が反射してる感じだとかがとても上手に描けていますし、絵の空気感がすごく素敵です。色のバランスとかもセンスがあって、とても好きな作品です。(せきやゆりえ)

津森千里 審査員賞

The unordinary restaurant
melistncl(Turkey)
The unordinary restaurant
審査コメント
まずは、動物がいっぱい出てきてその動物たちと人間が一緒にご飯を食べてる絵、っていうのがすごく楽しいなと思いました。とてもカラフルだし楽しそうだし、夢があっていいですよね。たまたま自分が今回アフリカをテーマをした洋服を作っていて動物に関心があるというのも選んだ一つのきっかけになるのかもしれませんが、私は審査員賞に関しては純粋に好きなものを選びました。ファンタジーのようにどこかおかしくて、面白がれるイラストが好きなのですが、この絵の作者もそうやって楽しみながら描いたんじゃないかなと伝わってくるのがとても良かったです。(津森千里)

松下 計 審査員賞

2020
Steven Labadessa(United States of America)
2020
審査コメント
新型コロナウイルスのことをテーマにしている作品で、今年の時代を振り返った時に「そういえばあの年はコロナが大変な年だったよね」っていうことを思い出せるような絵だったので、今年の象徴として良いなと思ったのが一つの理由です。また、言語的なアプローチをしている作品が多い中で、これは比較的 詩を感じたというのがもう一つの理由です。この感情が溢れるようなアプローチに対して惹かれるものがあり、選ばせていただきました。(松下 計)

pixiv賞

海のまほろば
ym(Japan)
海のまほろば
審査コメント
入選作品にはいずれも甲乙つけがたい作品が数多くあり悩みましたが、この作品は原画を見た時に緻密さが頭一つ抜けており、コピックをしっかり使いこなしているなと、技術的な面が特に素晴らしいと感じました。淡い色が主体なのにも関わらず線がしっかりしていて、印象的に仕上がっています。

クラフト賞

Machiners will I dream?
越智 紫(Japan)
Machiners will I dream?
審査コメント
生命と融合している不思議なレトロ調の宇宙服や物哀しげな顔の表情のためか、映画のストーリーを彷彿とさせ、神秘的な時空を超えてここに現れたかのように感じます。
豚革を素地に用いられ、コピックによる緻密な線や彩色の組み合わせによって表現された人形には、作者ならではの世界感がよく表現されており心惹かれます。イマジネーション豊かな作者のこれからに大いに期待しています。

SNS賞

The Goldfish Queen
Gretel Lusky(Argentina)
The Goldfish Queen
審査コメント
Instagramで非常に多くの注目を集め、今年はじめて設けられたSNS賞の受賞作品に決定しました。おおらかで力強い雰囲気と、コピックらしい鮮やかな画面が印象的で、数多くの人から高評価を得たのも納得のイラストでした。

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