【レポート】LEXUS DESIGN AWARD 2018 世界から集まった1319作品の審査を実施
11月20日、高級車ブランドのLEXUSは、国際デザインコンペティション「LEXUS DESIGN AWARD 2018」のファイナリスト審査会を東京・南青山の自社ブランディングスペース「INTERSECT BY LEXUS – TOKYO」にて開催した。
LEXUS DESIGN AWARD は、気鋭のクリエイターを育成・支援する目的で2013年に創設され、今回で6回目を迎える。今年はテーマを“CO-(共)“としてアイデアを募集。世界89カ国から1319作品(うち国内応募173作品)の応募があった。
審査会当日は世界中で活躍する審査員6名とメンター4名が集結。直接議論を交わしながら選考を行うかたちで全応募作品の中から40作品にまで絞り込み、その後メンター1人につき4作品ずつのプロトタイプ制作候補を挙げ、 審査員に推薦理由についてのプレゼンテーションを行った。
審査を経て選定された入賞12作品の発表は来年1月の予定で、うち4作品は担当のメンターからアドバイスを受けながらプロトタイプを制作する。プロトタイプ4作品および他の入賞作品8点のパネルは、来年4月にイタリア・ミラノで開催されるミラノデザインウィーク2018のLEXUS会場にて展示され、受賞者には自身の作品をプレゼンテーションする機会が提供される予定だ。展示会場での最終審査を経て、プロトタイプ4作品の中からグランプリ1作品が決定する。
審査員総評、および「登竜門」編集部が取材した審査員コメントは以下の通り。
審査員総評(一部抜粋)
今年の応募作品は、若きデザイナーの情熱と未来への配慮が非常に強く打ち出されていました。デザインにおける多様性も年々増しており、環境危機に精緻なデザインアプローチで挑む姿勢はこれまでも数多く提案されてきましたが、今年は新たなテクノロジーを取り入れ、より建設的なアイデアに出会うことができました。
パオラ・アントネッリさん(MoMA シニアキュレーター)
第1回から審査をしているが、毎回質は向上している。今年はラテンアメリカやアフリカなど今までなかった国からも応募があり、認知度の向上も感じられた。
生物学分野からのアイデアや建築など、応募作品も大きな広がりを見せている。デザインという概念は広く、ビデオゲームから生物学まで多種多様なジャンルを含むもので、LEXUS DESIGN AWARD ではそれを実感でき、とても幸せだ。
今年はどの作品も非常に魅力的で、良い展示になるとイメージできる。最終的にどの作品がミラノデザインウィークで展示されるかまだわからないが、どれが選ばれたとしても素晴らしい展示になると思う。今回はメンターも多彩な分野から参加されているので、多角的な視点で選出してくれるだろう。ここからがまた、楽しみだ。
澤良宏さん(LEXUS International President)
今回のテーマ「CO-」はより効率的に、美的に手を繋ぐことで新たな価値やソリューションを生むというもの。比較的分かりやすいテーマだったためか、生活に近いアイデアから将来の社会構想まで幅広いアイデアが集まった。
今年は半数の審査員とメンターを変えたため、審査ではこれまでと違う観点で、有機的なディスカッションができたと感じている。作品も幅広ければ審査員のバックグラウンドも幅広くなったので、多様な意見が出てエキサイティングだった。今年はメンターも多様な分野の方に参加いただいており、ミラノデザインウィークではこれまでと少し違った作品を展示できるだろうと期待している。
一方でLEXUS DESIGN AWARDには、変わらない大きな特色がある。それは応募時点で完成度の高く美しいデザインより、未来をよりよく変える可能性が秘められたアイデアを選ぶことだ。このアワードは若い才能の可能性を応援するためのもの。だからメンターも一流の人を揃えている。
現時点で、作品はまだまだ未完成。作者のデザイナーはこのあと一流のメンターとともに作品をブラッシュアップし、最終的にミラノデザインウィークで展示するまでに至る。この経験は本当に貴重な成長の糧、将来の財産になるだろう。LEXUSも若いブランド。一緒に成長して未来をよりよくしていきたい。
最終的にプロトタイプ化される4作品は、各メンターが自身で推薦した作品のクリエイターとのセッションを通じて決定する。来春のミラノデザインウィークでは、LEXUSのデザイン哲学をさらに発展させ、新しい価値を感じさせる作品が見られることだろう。期待が高まる。
画像提供:LEXUS International