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コンテスト名の決め方 〜「コンテスト」「コンペティション」「公募」の違いについて〜

コンテストを開催するにあたり、コンテストの名称を決める必要があります。
どのような名称のコンテストがあるのか、登竜門の2021年掲載実績から見てみましょう。

なお、このContest irohaのサイト内では「コンテスト」という名称で統一していますが、「コンテスト」の類語としては「コンペティション」や「コンクール」、「アワード」、「公募」など多数あります。

用語意味検索サービスの『コトバンク』で、これら類語の意味を調べてみました。

「コンテスト」…作品のできや技術、容姿などを競う催し。評価は審査員が下す。(出典:コトバンク/精選版 日本国語大辞典)
「コンペティション」…主に建築設計、デザインなどの競技。公共性の強い建築やロゴ、マークなどの設計、デザインの公募。コンペ。(出典:コトバンク/精選版 日本国語大辞典)
「コンクール」…特定のテーマで参加者を募り、作品のできばえや技能・演技などの優劣を競う催し。競技会。競演会。通常、審査員が採点して、入賞・優勝者を決める。コンテスト。(出典:コトバンク/精選版 日本国語大辞典)
「アワード」…賞。賞品。(出典:コトバンク/デジタル大辞泉)
「公募」…一般から広く募集すること。出典:コトバンク/精選版 日本国語大辞典)

「コンテスト」・「コンペティション」・「コンクール」には“競う”という意味合いがあるようです。ちなみに「コンテスト」と「コンペティション」は英語、「コンクール」はフランス語です。

そういった“コンテスト”を指す単語では、やはり「コンテスト」が企画の名称として使われることが多いようです。次いで「募集」、「賞」と続きます。

しかし、この中には1つの企画で上記単語が複数含まれる場合も存在します。

コンテスト名称に使われる単語の件数グラフ

Web『登竜門』2021年掲載実績を元に集計(単位:件)

例として「東京アニメアワードフェスティバル 2022(TAAF2022) コンペティション部門」には「アワード」「フェスティバル」「コンペティション」の3つが含まれています。

また、「募集」はWeb『登竜門』に掲載時に追加する単語で、コンテストの正式名称では無い場合もあります。「KYOTO STEAM 2022 国際アートコンペティション 作品プラン募集」はコンテストの企画名自体は「「KYOTO STEAM 2022 国際アートコンペティション」です。
登竜門掲載記事:https://compe.japandesign.ne.jp/kyoto-steam-art-2021/
KYOTO STEAM 2022公式サイト:https://kyoto-steam.com/program/event01/

「募集」が単体で使われる場合としては「古町芸妓ロゴマーク募集」など単発の企画で使われる傾向ですが、「第61回 PHP作品募集」などの継続企画にも用いられることもゼロではありません。

「賞」は「アガサ・クリスティー賞」など文芸系のコンテストで多く使われます。

他に特徴的なこととしては、「公募」は<絵画・アート>カテゴリー、「フェスティバル」は<映像・アニメ・動画>カテゴリー、「コンペ」は<建築・インテリア・エクステリア>カテゴリー、「オーディション」は<音楽・エンタメ・レシピ>カテゴリーに多いです。

コンテスト名は、応募者が企画を知る入口になります。「このコンテストは何を募集しているのか」が伝わりやすい名称にすることが最も大切です。