応募数、適切な目標設定のために(1)
前回は「登竜門を活用した応募数予測」についてご説明しました。
今回はその前提となる、コンテストを実施する場合の代表的なKGI(Key Goal Indicator)についてご説明します。
コンテストのKGIとは? それは応募数の目標設定です。
まず応募数の幅を把握する意味で、既存の事例を見てみましょう。
最も多い応募数を誇るコンテストは?
ご存知の方も多いと思われる伊藤園「おーいお茶新俳句大賞」の応募数は、186万2954句(第27回)。
俳句と冠していますが、川柳の募集です。俳句よりもハードルが低く誰にも親しみやすい「川柳」というフォーマットだけが条件で、特定のテーマをもうけず、老若男女問わず誰でも日々のちょっとした気づきで参加できる、という応募内容の設定が最大のポイントでしょう。それを補強する魅力として、最高賞が文部科学大臣賞で賞金50万円、お茶のボトルを発表媒体にした露出の広がり、歴史と知名度、良識があり幅広さを感じる審査員陣、協会や教室などの後援……などがあげられます。
住友生命「こども絵画コンクール」は応募数 21万2843点(第39回)。こちらは小学生以下のこどもを対象としたもの。
これらコンペが膨大な応募数を誇る要因の一つは、学校からの大量な応募です。いずれも文部科学省が後援し、学校でのチラシ配布などの広報活動も徹底しています。
デザインコンペの規模は?
こうした規模感もありながら、たとえばデザインコンペで最大規模といわれる「コクヨデザインアワード」は、第13回となる2015年の応募数が1659点でした。登竜門では様々なコンテストの結果も記事としてお伝えしていますが、アートや建築、デザインなどのクリエイティブ系は数十から数百の幅に収まることが多いようです。
企画によって、桁が3つも4つも違う訳です。
応募対象となる層が狭くなればなるほど、当然、母数が減りますので、得られる応募数も比例する傾向にあることは言うまでもないでしょう。
(2)へ続きます。
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