受賞者インタビュー
2017/12/25 9:00

学生応募者にはより多くのチャンスが - シェル美術賞2017学生特別賞受賞者インタビュー(関野凜太郎・吉岡瞳) [PR]

学生応募者にはより多くのチャンスが - シェル美術賞2017学生特別賞受賞者インタビュー(関野凜太郎・吉岡瞳)シェル美術賞2017 学生特別賞受賞の2名
(左)関野凜太郎「anemone」、(右)吉岡瞳 「アマゾン」
現代美術における若手作家の登竜門として昭和シェル石油株式会社が主催する公募展「シェル美術賞」。40歳以下を対象とした若手作家による平面作品展として、創設当初より完全な公募制で実施されている。

46回目を迎えた今回、学生支援など新たな取り組みの一環として「学生特別賞」が新設された。入選作品の中から将来を期待する学生1~2名に賞金10万円ずつが贈られる。初の受賞者には大阪芸術大学大学院の関野凜太郎さん、多摩美術大学の吉岡瞳さんが選ばれた。

このシェル美術賞の入選・受賞作品展が、2017年12月13日(水)~12月25日(月)まで国立新美術館で開催されている。総応募数852点の中から選出された受賞作品8点に入選作品46点を加えた計54点を展示するともに、過去受賞・入選者の作品展示“シェル美術賞 アーティスト・セレクション(SAS)2017”も併催。

今回、「登竜門」は学生特別賞の受賞者、関野さんと吉岡さんに今のお気持ちを伺った。

他の方に作品を見て、評価してもらえたことが励みに

— お二人とも、学生特別賞の受賞おめでとうございます。どんな思いでらっしゃいますか?

関野凜太郎(以下、関野):嬉しいです。評価していただき、多くの方に作品をご覧いただく機会を下さり、大きな励みになりました。

吉岡瞳(以下、吉岡):今回、審査をしていただいた美術関係者の方たちからの評価をいただいたことが、とても励みになりました。制作時は一人で、自分のことは自分で考えているしかなかったので。

吉岡瞳:1992年生まれ、多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻3年

— シェル美術賞には、どうして応募してみようと思ったのでしょうか?

吉岡:大学3年という区切りを自分の中で感じたことがきっかけです。シェル美術賞は有名なので以前から知っていましたが、こういった公募展に応募するのは初めてなんです。だんだん自分の思うことを作品に表せるようになってきたので、一度外に出してみようと思いました。たくさんの人に作品を観てもらうチャンスだとも思ったんです。

関野:私は大学院に進学し、学部生だった頃よりも制作の方針がある程度固まってきたので公募展にも挑戦してみようと思い、応募しました。自分の作品を客観視することや力試しをすることがよい経験になると考えました。

— 今年からシェル美術賞に学生特別賞が加わりました。ご存知でしたか?

関野:大学で行われた学生説明会に参加し、今年から新たに始まる学生支援企画だと知りました。新たに特別賞ができたことで、可能性が広がり、今回シェル美術賞に応募する後押しになったと思います。

関野凜太郎:1993年生まれ、大阪芸術大学大学院芸術研究科博士課程前期1年

吉岡: 私は応募を決意した時点では知りませんでした。でも、募集要項を入手する際にシェル美術賞の公式ホームページで知り、新設されたのなら挑戦してみたいなと思いました。

あるがまま、等身大を描いた受賞作

— 受賞作について教えてください。関野さんの作品は、様々なものを画材にしたコラージュ作品ですね。どのようなコンセプトなのでしょうか

関野:私の作品は過去のある出来事に由来する自分の感情の機微を描いており、ある種の自画像のようなものです。

「自分の中でようやく人に見てもらえる作品になったと思います」と自身の作品を語る関野さん

綺麗な面だけではなく、あるがままを表現したいと思っています。暗い感情が前面に出ることも多いですが、それ以前にあった幸福へ思いを馳せ、愛おしさのような要素も作品に組み込むことで愛着の持てる人物を描きたいと考えました。

いくつかの素材を組み合わせているので、それぞれの強みを引き出せるように意識しています。支持体は新聞紙や和紙でコラージュしたものを作り、そこに墨汁やコーヒーをメインにソフトパステルや木炭で細部を描いています。

— 吉岡さんの作品は非常に複雑で緻密な線描ですが、どんなテーマで描かれているのでしょうか。

吉岡:私は自身の等身大の心情と、小さい頃から身近にあるネット環境、それに現代の感情のあり方などを題材に描きました。木製パネルに紙を張り、その上にペンで描いています。

ペンを重ねる箇所の苦労を話す吉岡さん

受賞により今後の制作の方向性を考えられるようになった

— 今回の経験を今後の作家活動にどう活かしていきたいですか?

吉岡:受賞したことで、自分の考えていたことや感じていたことが伝わったのかなと思えて、今後の制作の方向性を考えられるようになりました。今後は作品を作り溜めたり、色々な作品を観たり本を読んだりして制作をより深めていきたいと思っています。将来も作品制作を続けていける環境を整えていきたいです。

関野:この経験を糧に新たな制作に臨みます。また、個人で作品を発表した経験がありませんので個展などにも挑戦したいです。将来的には、どんな形でも継続的に作家活動を続けられるようになりたいと思っています。

— 来年、おふたりに続け! と応募される学生の皆さんにメッセージをお願いします

関野:自分の作品を人に評価していただくことは貴重な経験になりますし、学生応募者にはより多くのチャンスがありますので、きっと自分のためになると思います。

吉岡:このチャレンジによって自分の制作を客観視できるようになるのが一番大きいですが、頂ける賞金10万円も学生にとっては大きい金額で、制作費に役立てることもできたりするので、ぜひ応募してみるとよいと思います。

シェル美術賞展2017 概要

  • シェル美術賞2017 受賞・入選作品 計54点
  • シェル美術賞 アーティスト・セレクション(SAS)2017 作品展示

会期:12月13日(水)~12月25日(月)※19日(火)休館
時間:10:00~18:00(入館締切17:30)
※15日(金)・22日(金)は20:00まで開館
※最終日の25日(月)は16:00まで開館

会場:国立新美術館[1階展示室1B]
入場料:一般400円
※学生、70歳以上の方、障がい者手帳等持参の方(付添の方1名含む)は無料

【関連イベント】
■ 受賞作家によるアーティストトーク
12月16日(土) 14時00分~15時00分
聞き手:島敦彦審査員

■ みらいを奏でる音楽会 by シェル美術賞展
12月22日(金) 18時00分~18時40分
出演:AUN J クラシック・オーケストラ(和楽器アンサンブル)
協力:出光興産株式会社
※ブライターエナジーアライアンスにおける協働活動としてのイベントです

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