賞金総額300万円! 街づくりアイデアコンペ「SRF賞」が熱い1 / 2 [PR]

賞金総額300万円! 街づくりアイデアコンペ「SRF賞」が熱い

「SRF工法」、またの名を包帯補強というユニークな耐震補強法。その名を冠して2012年から開催されているコンテストが、今年で6回目を迎える「SRF賞」だ。テーマは「みんなで考える安全で快適な街づくり」。

賞金総額が300万円とホットな設定で、応募資格は不問。この冬イチオシのコンペだが、賞金額の高さには主催者の熱い想いが込められている。そこで「SRF賞」の特長や目的などを紹介するとともに、主催の構造品質保証研究所・五十嵐俊一社長に、この賞に対する想いや期待を語っていただいた。

逆転の耐震技術「SRF工法」

賞のタイトルである“SRF”は、構造品質保証研究所が独自開発した耐震補強工法「SRF工法」からくる。SRF工法とは、建物の柱に接着剤を塗ってポリエステル製のベルトを巻きつけるユニークな工法だ。白いベルトを包帯のようにぐるぐる巻きつけることから、包帯補強とも呼ばれている。

従来の耐震補強では鉄・炭素繊維などやエポキシなどの強力接着剤などを使うが、硬い補強材料が繰り返し地震を経験するとコンクリートの建物をも壊してしまう。SRF工法は、コンクリートを壊さない材料で補強するという。

第6回「SRF賞」(主催 構造品質保証研究所株式会社)

SRF工法を施した柱と、主催の構造品質保証研究所・五十嵐俊一社長

“包帯”で大丈夫? と思うだろうが、実際に2011年の東日本大震災では、SRF工法で補強された400件以上の建物が無事だった。東海道新幹線の橋脚や公共機関のビル、マンション、木造住宅などに広く使われている。

2012年、このSRF工法で補強された柱が1万本を達成した記念に始まったのが「SRF賞」だ。

“SRF部門”は若き研究者の登竜門、“一般部門”は誰にでもチャンスが広がる

「SRF賞」にはSRF部門と一般部門の2部門がある。テーマは共通で「みんなで考える安全で快適な街づくり」だが、求めるアイデア・完成度が異なる。

告知ポスターも2種類!ちょっと珍しい。主催の熱の入れようが伝わってくる

告知ポスターも2種類!ちょっと珍しい。主催者の熱の入れようが伝わってくる

“SRF部門”は学生や研究者の挑戦の場に

この部門は「より安全で快適な将来の街づくりを実現・維持するための技術に関して、夢のある革新的なアイデア」を募集している。大賞賞金は100万円。

アイデアのジャンルは幅広く、工学的な技術開発を中心に、社会制度の改革、身近な防災関連用品や公共施設のデザイン、情報通信技術の応用など。新規性や独自性に加え、必要に応じて検証がなされていることや、プレゼンテーションが明快で簡潔にまとめあげられていることも求められる。

研究発表としての基本的なクオリティが審査対象になっているため、分野を問わず学生や若手研究者の腕試しにお勧めしたい。

“一般部門”はふと浮かんだアイデアにも入賞の可能性が

一般部門の募集内容は「毎日の暮らしの中でふと浮かんだ考えや工夫など、夢のあふれる自由な発想によるアイデア」で、賞金10万円の優秀賞が10点選ばれる。安全で快適な街づくりに関することなら、ぱっとひらめいたものを素直に書きとめたものでも入賞の可能性がある。過去には高校生や主婦も入賞しており、ひとりで複数の応募も可能(SRF部門はひとり1作品のみ)なので、誰にでも大きなチャンスが広がっている!

前回の受賞作から読み解く 「SRF賞」が求めるもの

では、具体的にどのような応募作品を作ればいいのだろうか。昨年開催された第5回「SRF賞」の入賞作品を見てみよう。

SRF部門 大賞「和風ビルディング」

京都の街にある建物を、伝統的な着物の柄をプリントしたSRFで覆ってしまおうというアイデアだ。

第5回S「SRF賞」 SRF部門 大賞「和服ビルディング」岡河貢さん

第5回「SRF賞」 SRF部門 大賞「和服ビルディング」岡河貢さん(広島大学建築学専攻 准教授)

発案の契機は、京都に増えているコンクリートの建物が伝統的な街並みと調和せず、景観が壊されることへの危機感だ。そこで発案者の岡河さんが気づいたのが、SRF工法に使われるベルトが織物だという点。日本の伝統的な着物の柄をSRFにプリントしてマンションやビルなどの建物に着せたら、伝統的な街並みに調和するのではないか。しかもただ装飾するだけでなく、構造的な補強を担うものになるという発想で辿り着いたのが「和風ビルディング」のアイデアだ。

このコンテストにSRF工法の活用は必須ではないが、耐震補強材を発展的に活用して美しい街並みをつくるという着眼点が受賞の大きな理由となった。

一般部門 優秀賞「これからのペットショップ」(ほか10作品)

優秀賞は10作品が選出されている。その中から、ある小学生が応募したアイデア「これからのペットショップ」を紹介しよう。

第5回「SRF賞」 一般部門 優秀賞「これからのペットショップ」 

第5回「SRF賞」 一般部門 優秀賞「これからのペットショップ」(※画像部分のみ掲載)

街のペットショップではケージの中に子犬や子猫を入れているが、これをブリーダーに育てられている子犬や子猫を写すモニターに変えるというものだ。そうすることで、ペットが劣悪な環境に置かれることもなく、売れ残ることを減らすことに繋がるというアイデア。販売されている動物を思う気持ちが高く評価された。

賞金額から垣間見えるのは、主催者の熱い想い

これまでお話ししてきたとおり、注目したいのが「SRF賞」の賞金額。SRF部門の大賞賞金は100万円、一般部門は優秀賞10万円が10作品で、賞金総額は300万円。高額賞金に主催者の熱意が感じられる。

「SRF賞」主催 構造品質保証研究所株式会社 代表取締役社長 五十嵐俊一

「SRF賞」主催 構造品質保証研究所株式会社 五十嵐俊一社長

そこで編集部は、主催の構造品質保証研究所・五十嵐社長に、「SRF賞」にかける熱い想いを伺った。

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