日常に溶け込むアート展「LUMINE meets ART AWARD」 受賞者インタビュー1 / 2 [PR]
2016年も7月1日より応募受付が開始される中、飯田英樹さん(2015年グランプリ/インスタレーション部門) 、奥田昌輝さん(2015年入賞/映像部門) 、柿崎サラさん(2014年ルミネ賞&オーディエンス賞/エレベーター部門)の3名の受賞経験者に同アワードの魅力や、自身の経験談を語ってもらった。
受賞作品はルミネというファッションビルで展示されます。不特定多数の方が作品を見るということについて、どう思いましたか?
奥田昌輝(以下、奥田):これまで、劇場ではないパブリックな場所に展示される機会がほとんどありませんでした。自分の作品だけを見にくるのではなく、ともすればスルーされてしまう環境というのは、とても新鮮でした。
柿崎サラ(以下、柿崎):これほど日常に溶け込んだアート展はなかなかないと思います。確かに、興味のない人なら通り過ぎてしまうでしょうが、それでも何かしらのインスピレーション源にはなると思うんです。その無意識に見られることにも、面白さはあると思います。
飯沼英樹(以下、飯沼):展示環境については、ただ真っ白な空間を自分の作品で独占することだけが、アートの表現方法ではないと思います。どんな場であれ、自分が表現したいことにどう挑戦してゆくかが、アートの本質のような気がします。
アワードに応募したきっかけを教えてください
奥田:ツイッターで、たまたま見たんです。ルミネがやってるということでまず興味を惹かれ、応募要項を読んでみるとテーマに縛られず自由に作れるとあったので、これは面白そうだなと。しかも賞金ももらえるし(笑)。
柿崎:元々エレベーターを題材にしたアート作品に興味があって、自分でも手掛けてみたいと思っていたんです。そんな時、ルミネで買い物をしている途中にポスターでアワードの存在を知り、これはチャンスと思い応募しました。
飯沼:アワードに応募したのは十数年ぶりでした。それも以前は学生時代のことだったので、感覚としてははじめてなんです。ルミネのアワードは、絵画から映像、彫刻まで、幅広い作風を受け入れる複数の部門があって、年齢制限もありません。多くのアワードでは条件や年齢制限を設けている中、とても希有なアワードといえます。アート作品を作る人には、分野を超えて広い視点で見てもらいたいという願望があると思います。その点、作風も手法も年齢も、すべてが自由であるルミネのアワードは、大いに惹かれました。
柿崎:それこそが、不特定多数の人が訪れる商業施設で開催されるアワードの魅力なのかも知れませんね。肩書きもなにもかも、いうなればルミネに来るお客さんと同様に、誰が来てもいいんですから。
飯沼:条件に当てはまらないから応募すら出来ないというのは、やはり悔しさを感じます。ただでさえ、応募できても受賞できるのはほんのひと握りなんですから。
受賞されて、何か変わったこと、得たものはありますか?
柿崎:反響がとても大きかったです。受賞後は、展覧会やお仕事の依頼を頂きましたから。実はそのおかげで、私はやっとイラストレーターとしてスタートを切ることができたんです。それまでは仕事の傍ら、趣味で描いていただけでしたので。LUMINE meets ART AWARDでの受賞は、まさに人生のターニングポイントでした。
飯沼:劇的に何かが変わった実感はないのですが、それまでの自分とこれからの自分を繋ぐ、重要な何かとなったのは間違いないと思います。具体的に限定することは難しいのですが、ゆるやかながら確実な変化を感じ取っています。あっ、親戚から見に行ったよって連絡はありました(笑)。
奥田:取材をして頂いたり、それまで縁がなかった方々や世界と繋がるきっかけになったと思います。映像のアート作品って、それだけの展覧会というのが少なく、多くの人が集まる場所で上映される機会があまりないんです。ルミネにズラリと並ぶ柱のデジタルサイネージで一気に上映され、多くの人に見ていただけたことで、いつも以上の反響をいただけたと思っています。