結果発表
2024/12/13 10:00

YAMAGIWA UNDER 25 IDEA & DESIGN COMPETITION

主催:株式会社YAMAGIWA

応募作品数:383点
受賞作品数:3点

最優秀賞

peco-poco
上條陽斗・田崎 祥(東京大学大学院 工学系研究科 建築学専攻)
peco-poco
作品コメント
平たいボックスを持ちあげると「ぺこぽこ」とリズミカルな感触でランタンが立ち上がり光が溢れだす。
暗闇に明かりを灯すことは人間の根源的な喜びだ。ワンタッチで、あるいは触れもせずにライトを点けられる現代だけれども、このランタンに明かりを灯すための大仰な仕草は灯すことに込めた思い、その喜びを指先から伝えてくる。
審査コメント
私自身もデザインに関わる中で、照明のデザインは大変難しく、光の魅力だけではなく素材、構造、デザインが三位一体になって初めて素晴らしいデザインが生まれるということを実感しています。本作品は、まさに三位一体が見事に再現されている素晴らしいものでした。現代では光というのは簡単にスイッチで灯すことができるけれども、あえて自らが光を灯すという行動を取り入れた点が非常に素晴らしかったと思います。(鈴木啓太)

優秀賞

幻渚
中根海人(レノボ・ジャパン合同会社)
幻渚
作品コメント
漆黒の夜の防波堤に、突如として現れる無数の柔らかな光の輪。テトラポッドの突起に埋め込まれたその光は波に呼応し揺らめき、無機質な防波堤を海と人を繋ぐ新たな空間へと変える。
日常の喧騒を離れ、静寂の中で自然と対話するようなひとときが訪れる人々を包み込む。
単なる照明を超え、命のつながりと未来への物語を紡ぐこの光が、訪れる人々にとって他にない特別な思い出をもたらす。
審査コメント
本作品は風景の一つを作り上げている、とてもスケールの大きな作品だと最初の審査の時から感じていました。海に並んでいる無機質なテトラポットに照明をつけ、海の波に乗って一緒に呼応しながら呼吸するように光を放つ。まるでテトラポットが生き物になったような、そんな情景が海の中に流れたらどんなに護岸の風景が素敵になるだろうと。海の風景は今、人工的にどんどん変わってきていると思いますが、それをもう一度自然の風景に戻していく。そんな役割を照明を使って作り出す、とても素敵な提案だと思います。(永山祐子)

YAMAGIWA賞

ALBA
通山ひなの、松尾瑛人
ALBA
作品コメント
時間と共に外の光とリンクした表情へと変化していく照明を考えました。毎日室内で仕事をしていると外に意識を向けることが減り、あっという間に日々が過ぎていきますが、真昼の木陰の揺れ、真っ赤な夕焼けなど外の世界には印象に残る風景が多々あります。室内であっても数字だけで時間を判断するのではなく、光の表情を変化させていくことで時間を緩やかに伝える照明があることで、その日だけの風景を見せてくれる空間をつくることができます。
審査コメント
本作品はもともと通山さんが自然の中で暮らしていた、郷愁を感じさせる自然の中での夕焼けなどの風景をあかりというプロダクトに落とし込むという発想で形にされています。あかりが時間と共に移ろっていく、新しいあかりの体験が素晴らしいアイデアだと思いました。今回のIDEA&DESIGN COMPETITIONのコンペ名にあるとおり、豊かな発想とそれが形に表れている点が高く評価されたと思います。(廣川玉枝)
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