結果発表
2017/10/23 10:00

富山水辺の映像祭スフィア 2016

受賞作品数:8点
主催:富山水辺の映像祭運営コンソーシアム

グランプリ、特別審査員賞

バイバイ、いっさい
渡邉高章
作品コメント
イッサイの少年が見つめるイッサイの世界を彼の言葉とともに描きました。イッサイの彼の言葉を録音するにあたって生活の中で四六時中マイクをセットしていました。その甲斐あって、作品の中で様々な言葉をのせることができました。この度の公募テーマである「生まれる」に基づいて、イッサイの少年の視点から生まれたばかりの人生を描きました。

ネクストスフィア賞

pa_cka_ge
斎藤有里
作品コメント
現代、世界の人々の「悲しい」はパッケージ化され、お菓子箱のように陳列されている。「悲しい」は、ある種のステータスとなり、日常で消費されていく。自分の悲しいが相手の悲しいをわからなくさせるのだ。他人の心や命の価値がわからなくなった「多感な女の子」の精神世界を描く。私にとってCGシュミレーションは「無機物」そして「制御不能」なメディアだ。私は、CGシュミレーションを自身の手のようにコントロールできない。それは、自分の心の中に突如起こる「悲しい」という現象も一緒である。

特別審査員賞

Serendipity
清水健斗
作品コメント
何気なく過ごしている一瞬の間に世界で起きている出来事を意識することで、瞬間を生きることの意義を。ふとした偶然をきっかけに生まれる出会いから、生きていれば幸せは誰にでも訪れ、そこからより多くの何かが生れていくということを。この二つの視点を通し、この星の出来事は偶然や小さな奇跡から生まれている、そんな広義の「生まれる」を表現した。画角は世界でも注目を浴びている9:16バーティカルフォマットと従来の16:9を合わせ、物語の意味合いだけでなく視覚的にも新たな感覚を生み出せるように配慮した。

審査員賞

ふたつめ
木山瑞嬉
作品コメント
左右対称のふたつの要素から成る私たち。肉体だけでなく、本能と理性、主観と客観など人の成長に深く関わる精神的な部分においても、まるで双子のように対になり、人という存在を成り立たせている。当たり前だけどよく考えると奇妙、それを人の一生とその循環を描き出すことで表現した。
恋する極道
中川晴樹
作品コメント
劇団・ヨーロッパ企画に所属する俳優・中川晴樹の初監督作品。ジャンルは、ヤクザ+ラブコメ+ミュージカル映画です。
好きな女に子供が出来た、赤ちゃんが「生まれる」。その時、極道はどうするのか?という、心の葛藤をコメディータッチで描きました。
HAPPY BIRTHDAY
中嶋駿介
作品コメント
これは一人の人間が偽りの過去と決別し、新たな自分に生まれ変わろうとする物語です。序盤はどこか不穏な空気で話が進んでいきますが、終盤のコピーワークにより、その不安は勘違いであり、実は前向きな作品だったと視聴者は気付きます。そんな「繊細なテーマに頓知を盛り込み魅力的に表現した作品」を目指し制作しました。
せんそうはしらない
神保慶政
作品コメント
私は戦争を知りません。しかし、2008年8月6日に広島で灯篭流しに参加した時、美しいのにどこか物哀しい灯篭流しの雰囲気に触れ、私は「戦争は本当にあったのだ」の実感しました。この物語では、戦争について直接言及するのではなく死生観に関心を持ちはじめる少女の姿を描くことで、私たちがこの世に生れたことの不思議さ・ありがたさを表現しようと試みました。命とは何かという根本的な問いかけを、戦後70周年を迎える日本から発信できればと思い製作した作品です。(2015年シネマスコーレ主催オムニバス企画「Filmusic in 中川運河」上映バージョンの短縮版です)
8月35日
角 洋介
作品コメント
鬱屈とした日々を送る若者。決して貧困な生活を送っているわけではないにも関わらず、彼はどこか満たされないままに毎日を過ごしている。そんな中で見つけた幼い頃の日記に記された無念を果たすため、あるいはそれを言い訳に逃げるため、彼は海を見に行く。無理やりに綴った日記の続きは、死んだような日々を送る彼に「生」を与えることとなる。普段見慣れない縦長のアスペクト比という新しい映像表現に挑戦した。前半では左右が削られたことによる閉塞感を、後半では上下に広がった開放感を表すような画角を追及することで、新たな表現の可能性を模索した。
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