結果発表
2019/11/27 10:00

第12回 タムロン鉄道風景コンテスト

応募作品数:7843点
受賞作品数:17点(一般の部:7点/小・中・高校生の部:7点/全応募作品より選出:3点)(入選および佳作を除く)
主催:株式会社タムロン
※ここでは、大賞・準大賞をご紹介します
一般の部

大賞

ドクターイエロー、田んぼを走る
黒須雪美
ドクターイエロー、田んぼを走る
作品コメント
黄金色の田んぼで、稲穂を抱えた二人のTシャツには大好きなドクターイエローが繋がっていました。
審査コメント
体験稲刈りで撮影された1カットのようです。この写真の一番のポイントは、ドクターイエローのTシャツが二人できちんと一編成に見えるところです。一見、さりげない写真のようですが、こんなにうまく車両の模様を真っ直ぐには撮れないものです。
特に右の女の子の身体の向きを合わせるのが難しかったと思います。カメラの向きや高さを変えたり、少しの演出もあったのかも知れません。いろんな注文に女の子がちょっと“ふくれっ面”になったようにも見え、そこがまたリアリティーがあって可愛いですね。
ドクターイエローの黄色と稲の黄金色がとても美しく表現されています。しかも男の子が抱えた稲束に沿って列車が田んぼを走り抜けるようにも見えます。また、実りの秋に子供たちの成長を祈る、そんな幸福感に満ちあふれた「鉄道風景」を作り出していると思います。

準大賞

電車とGO
水野勝之
電車とGO
作品コメント
浜名湖作久米駅にて。
審査コメント
この作者はものすごくベテランの方だと思います。何枚も同じ場所で撮られた写真を応募されていましたが、どれもが準大賞レベルの力作ぞろいでした。なかでもこの作品は特に優れていて、日中シンクロ撮影を実に上手に使いこなしていると思いました。
カモメの群れと車両をいいアングルから大迫力で捉えていますが、16mmの超広角で撮影しているので、この1羽は実際にはすぐ目の前を飛んでいることになります。よくここまで引きつけて正確かつ魅力的に写し込んだものだと感心します。天竜浜名湖鉄道でカモメを撮った写真はずいぶんたくさん見ましたが、これほど類型的でない力作は初めてです。
名駅マジックアワー
小堀正一
名駅マジックアワー
作品コメント
名古屋駅から一駅離れたローカル駅より、マジックアワーの名古屋駅方面を撮影しました。
審査コメント
名古屋駅から一駅離れた場所から名古屋駅方面のマジックアワーを狙った作品とのことですが、3カットコンポジット(3回に分けた比較明合成)撮影で撮られています。非常にカラフルで惚れ惚れします。たくさんの光跡を何回にも分けて写し込んでいくという、作者の工夫が実を結んで、チャレンジ精神にあふれた個性的な作品に仕上がっています。
自分がこう表現したかったという意図が実に明確で、そこにオリジナリティーを求める作者の熱意が強く伝わってきます。写真は冒険だ、という見本のような作品とも言えます。
この精神を忘れずに撮り続け、ぜひ来年も応募してください。
宮島康子
春
作品コメント
小湊鐵道の春風景を運転席から。
審査コメント
運転席からタイトルどおりズバリ“春”を撮った写真です。この作品が成功したのは窓枠にピントを合わせて、窓外の春景色をアウトフォーカスにしたことです。穏やかでソフトで、やんわりと“春”を表現したことで作者の美意識や心理が明確に感じられます。このイメージは作者の康子さんが女子学生のときから抱いていた春の印象なのでしょうね。
いくつになっても青春時代の想いを忘れずに、自分の感性に自信を持つ。そうした原点を齢を重ねても捨てることなく追求し大きく膨らませる、それが写真の第一歩だという気がします。この作品を見ていると、そんな写真への創造力が湧いてきます。
小・中・高校生の部

大賞

春の風景
玉田 光
春の風景
作品コメント
サクラと夕日がとてもきれいでした。
審査コメント
トラス橋の中を走り抜けてくる車両と桜との取り合わせによって、晩春の夕方のデリケートな時間帯を切り取った、とても優しい雰囲気の魅力的な作品だと感心しました。さりげなく撮られたようでいて、車両のライトの位置なども非常に効果的な位置に入っていて、実際このような瞬間を捉えるのは難しいと思います。背景の鉄骨の力強さと葉桜になりかけた柔らかい枝との対比も素敵で、優しい夕方の光に包まれた情景からも、本当に作者がこの風景に心惹かれて写し取ったということがよく伝わります。
決して力強くストレートに訴えてくる種類の写真ではありませんが、望遠ズームの美しいボケ味を最大限に生かし、一歩でも狂うと台無しになってしまう絶妙な構図にチャレンジした勇気に拍手を贈りたいと思います。類型的な鉄道写真から少し離れて、自由に自分の撮りたい風景を撮りたいように撮られたところも、とても素晴らしいと思いました。

準大賞

TWILIGHT
大西遥也
TWILIGHT
作品コメント
日没後の幻想的な空模様を背景に走る京葉線。葛西臨海公園の観覧車と絡めて撮った1枚。
審査コメント
観覧車の丸いラインも車両も、どちらもギリギリのところを画面内にギュッと納め、僕はこの風景が好きなんだ!と個性的なメッセージを発信した作者にとても共感を覚えます。
タイトルどおり、とても美しい夕空と観覧車と車両のシンプルな組み合わせが素敵です。電車の中の細部がよく出ているところも魅力で、緑がかった蛍光灯の色調もトワイライトによく合い、車両のオレンジ色も都会的なイメージを高めています。後部車両だと思いますが、あえて車掌さんの姿を外し、無人の世界を創り出しているところも作品の内容に非常に合っていると思います。カッコいい写真をありがとう!と言いたくなる作品です。
まちぼうけ
平澤 碧
まちぼうけ
作品コメント
電車を待っている時にスマートフォンでパチリ。なかなか来ないので座って日向ぼっこしてました。
審査コメント
一見、電車はどこだ? と画面の中を探してしまう作品ですが、タイトルを見て納得。列車が来るのを待ちくたびれて自分のスニーカーを写した写真です。待ち時間の遊び心でスマホを使って撮ったという、のんびり感や旅の気楽さが漂っています。雪の残る長野の山並みや雲の点在ものどかで、どこか外国のようにも見えます。列車が写っていないからこそ逆に多くのことを想像でき、真新しいスニーカーを主役にすることで「小さな旅」という“物語”が生まれました。当然このあと列車が来て作者はそれも撮られたはず。でも最終的にこの待っている写真のほうを気に入って出されたのではないか、と想像しています。
雪路を切り裂く
橋本理生
雪路を切り裂く
作品コメント
上越線 上牧駅~水上駅。流し撮りバッチリきまりました。山男ロクヨン最高!
審査コメント
降りしきる夜の雪の中を驀進してくる車両の、このヘッドライトの光の描写が天使の羽根のようにも見えて素敵だなと思いました。切り取り方に迷う状況かなと思いますが、悪天候の中の列車の力強さがとても良く表現されています。作者コメントによると「流し撮りもバッチリ」と書かれていますので、おそらくこれはレンズの縦振りでしょうね。ISO12800でF2.8・1/40秒という撮影データで、こうした天候の中でチャレンジするだけに、かなりカメラの扱いに手慣れた方なのでしょう。上からのアングル、手前の明るい光の部分など、撮影ポジションの選び方も熟知した、相当に熱心な方とお見受けしました。

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