結果発表
2024/10/15 10:00

アイデア重視のポスターコンテスト Rethink Creative Contest 2023

主催:株式会社クリエイターズマッチ

応募作品数:601点
受賞作品数:59点
※ここでは、上位10点をご紹介します

Rethink PROJECT賞

空気でごはんがすすむまち
西村秋風
空気でごはんがすすむまち
作品コメント
鰹節の生産量日本一を誇る鹿児島県枕崎市は、市内に47軒もの鰹節工場を構え、実際にまちの中でも鰹節を燻す香りが漂っています。
そこにいるだけでつい白ごはんがすすむ枕崎。ぜひ一度、美味しい空気をご賞味ください。
受賞コメント
この度は、Rethink PROJECT賞に選出していただきありがとうございます。思い入れのある鹿児島県枕崎市をテーマにした作品で受賞でき、大変嬉しく思います。鰹節の名産地である枕崎市に訪れた際、街一体に香る、鰹節の香りが面白いなと思ったので作品のテーマにしました。作品を見た方が枕崎市を知っていただき、また興味を持つきっかけになれば幸いです。
審査コメント
最初は「どういうことだろう?」と疑問に思ったのですが、意味を理解した瞬間、本当に美味しそうな匂いが漂ってくるように感じられました。五感に訴えかける切り口って強いなと思わされた作品です。背景の写真にノスタルジーを感じる点も良いですね。(筒井美希)

「鰹節のかおり」を「空気でごはんがすすむ」と表現し、そのメインビジュアルも町のあたたかい雰囲気を感じる一枚写真で見事にまとめた秀逸作品。(中嶋克安)

フォントの明晰さと、12文字でまとめた手腕に脱帽。少しお米が残っているお茶碗。そこに「心のひっかかり」が生まれ、おかわりのために訪ねたくなる。(竹下隆一郎)

夕暮れ、空のお茶碗、ローカルな空気感、そこに漂う鰹節の香り、五感に響いてくる秀逸な感性が漂う。まさにローカルをリシンクし、表現する素晴らしい作品。(鶴本晶子)

Rethink PROJECT賞(特別テーマ)

意外とレアだった!? 男鹿のなまはげ
大橋やや子
意外とレアだった!? 男鹿のなまはげ
作品コメント
なまはげの存在は全国的に知られているが、他県の人との会話でその文化が一部地域にしかいないことを伝えると、驚かれる経験をした。一部の地域で、中でもたった1日と限定的であることに着目し、限定感に目を引き、魅力的に感じるスーパーの特売チラシ風に表現。また、祭りの様子はあえて描かないことで興味をそそらせ、実際に訪れて見てほしいという思いを込めて制作した。
受賞コメント
この度はRethink PROJECT賞に選出いただき、ありがとうございます。初対面の相手との会話で、地元の話をするのは鉄板だと思います。そんな他愛もない、日常の会話の中で生まれたアイデアです。なまはげが民家を巡るのは年に一度ですが、男鹿真山伝承館では、観光客向けになまはげの来訪を体験できる実演を行っています。ぜひ足を運んでみてください。
審査コメント
チラシを模した表現で目を引く力はばっちり。そしてよく考えるとこの表現、他の祭りでは成立しなさそうなんですよね。全国的な知名度があり、ナマハゲというシンボリックな存在がいる「男鹿のナマハゲ」だからこそ、あえて王道に表現しなくても伝わる設定が面白いと思いました。(筒井)

「なまはげ」を写真を使わずに、あえて2色刷チラシのパロディーでポップに表現したインパクトのある作品。(中嶋)

スーパーのチラシという身近なデザイン。親しみやすさから革新性を感じる。(竹下)

誰しもがえっ?と思い見入ってしまう、意外な組み合わせ、発想、チラシという日常の馴染み深い媒体と、非日常のなまはげが出逢い、ビビットに私たちに語りかけてくる素晴らしい作品。(鶴本)

審査員賞

あなたは、だんだん富山が好きになる、食べたくなる。
田村貞夫
あなたは、だんだん富山が好きになる、食べたくなる。
作品コメント
富山の蒲鉾は断面に渦巻模様ができるのが特徴で均等に味がしっかりゆきわたるよう工夫されています。江戸時代後期、北前船によって運ばれた昆布で魚のすり身を巻いて蒸した「昆布巻きかまぼこ」が生まれ、そのバリエーションとして着色した薄いすり身と一緒に巻いた「色巻きかまぼこ」が作られるようになりました。
受賞コメント
この度は、輝かしい賞を頂戴し、誠に光栄に存じます。富山県では当たり前でも、他には意外と知られていない魅力をどこまで「Rethink」できるか試行錯誤を重ね応募いたしました。今回の応募を通じて、当たり前を「Rethink」し、考えを「Create」する大切さを認識することができました。本当にありがとうございました。
審査コメント
先ず視覚的に吸い込まれる様に惹きつけられ、えっ富山、蒲鉾、渦巻きと、意外な連鎖で入り込まされ、最後には、初見とは違う蒲鉾に見えてしまうという、シンプルながら、インタラクティブな、素晴らしい作品。(鶴本)
東大阪なくして回転寿司は語れない
bloom.f
東大阪なくして回転寿司は語れない
作品コメント(一部抜粋)
東大阪市はかねてより「ものづくりのまち」と呼ばれています。製造業の事業所密度は全国で1位を記録し、ネジやナットなど建物の基礎となる部品から、歯ブラシ、カバン、アスリートも愛用するスポーツ用品まで、日常を支える製品が盛んに作られています。ですが、何が作られてるのか、そもそもものづくりのまちであることがあまり知られていないのではと考え、それを周知させるために本作を制作しました。人に説明した時に「え、そうなの?」と驚いて東大阪市を覚えてもらえるきっかけになることをポイントに考え、回転寿司が東大阪市発祥であることをテーマに決めました。誰もが慣れ親しんで今や世界に広がる回転寿司が、東大阪市で働く人達の発想力、技術力、情熱から誕生したことを知っていただき、ものづくりパワー溢れる東大阪市に遊びに来ていただければ幸いです。
受賞コメント
この度は審査員賞に選んでいただきありがとうございます。
大阪を観光する場合、やはり中心部の大阪市にスポットが当たることが多く、隣に位置する東大阪市まで足を運ばれることは少ないと感じていました。しかし、東大阪市は日々多種多様な製品を作り出し私たちの日常生活を支えてくれています。もしかしたら皆さんの身の回りに「東大阪市」が潜んでいるかもしれません。よければぜひ遊びに来てくださいね。
審査コメント
テストの問題と解答例は、SNSで人気のコンテンツ。誰もが「読み解き方」がわかるデザインこそ広く伝わっていく。(竹下)
土足デ教室イキマセウ
上所真理子
土足デ教室イキマセウ
作品コメント
小学生の時神戸から別の学校に転校した私は、上履きの存在を知りませんでした。神戸に上履きという概念はなく、あるのは体育館シューズのみ。上履きを買うまでスリッパで過ごしたのは苦い思い出です。
神戸では教室に土足で上がるので下駄箱はなく、下駄箱にラブレターなんていうトキメキを神戸っ子は逃していたかもしれません。そんな子どもの頃の当たり前だと思っていたことが当たり前ではなかった思い出を、[居留地時代のハイカラ感]と[子ども時代の色塗り風]に表現しました。最近では新設校のほとんどが衛生面に配慮して上履き制を導入しているそうで、[神戸市=土足制]の定説は崩れつつあるそうなのが少し寂しいです。ちなみにレモネードは神戸発祥です。
受賞コメント
この度は、地元神戸をテーマにした作品で賞をいただくことができ、大変嬉しく思います。
「当たり前だと思っていたこと」を意識した時、友人や家族との会話の中や、仕事中、散歩中など色んなところに「Rethink」はありました。そのみつけたテーマでデザインを考えて制作する作業が一番好きで楽しかったです。今後も地元の魅力を再発見し形にしていきたいです!
審査コメント
神戸ならではの「独特」な習慣を入り口に、その土地の歴史、文化を深掘りしてみたくなる作品。シンプルだが、こだわりの感じるレトロな書体とイラスト。色使いも最小限で効果的。他の作品とは一味違ったまさに「独特」なRethink ポスター。(中嶋)
白い鉄火巻きを食べたことあるか!?
岡庭秀晃
白い鉄火巻きを食べたことあるか!?
作品コメント
長崎県では鉄火巻きは白い。
鉄火巻きと言えば赤色なのは長崎では非常識。きっと長崎に来たらカルチャーショック体験ができるはず、長崎に来て寿司屋で鉄火巻を注文して欲しい。
受賞コメント
審査員賞を受賞することができ、大変光栄です。長崎の鉄火巻きなのに白いというインパクトと面白さ、白い鉄火巻きを意識したデザインを評価いただけたことを嬉しく思っております。元々私が赤い鉄火巻きの県出身だからこそ長崎の白い鉄火巻きをきっかけに長崎に興味を持ってもらえるのでは?と考えていたので今回の受賞作を機に長崎に興味を持ってくださる方が増えると嬉しいです。この度は素敵な賞をいただきありがとうございました。
審査コメント
食材や料理を通じて表現した作品は数多くあったのですが、この作品は特に目を引きました。その理由は「白い鉄火巻き」という切り口を最大限強調するため、あえて写真ではなくグラフィックにし、一貫して色を強調する表現に落とし込んでいるところかなと。実際に「白い鉄火巻きってどんなの?」と思って画像検索しちゃいました。(筒井)

審査員賞(特別テーマ)

忘れんといて。そのおどり。
くろ
忘れんといて。そのおどり。
作品コメント
・題材のどこに着目したか
徳島県民が誰もが経験する運動会の阿波踊り、たくさん練習したのに大人になるとほとんどの人が忘れてしまうこと。
・どのように視点を変えたか
子どもの頃経験したことを忘れてしまうことは、残念なことであり当たり前なこと。私自身、故郷の徳島を離れて十年、送られてきた甥の運動会映像を観た時懐かしい気持ちと共に大切なことを忘れていたのではないだろうかと気づきました。日本三大盆祭りで徳島県が誇る阿波踊り。徳島県出身というだけで「阿波踊り、踊って」と言われることも多いが、実は踊れません。かけがえのない瞬間と大人になった今をノスタルジックに表現しました。徳島の子どもたちが大人になり故郷を離れ、この格好いい踊りを披露する時がきた時、全国で阿波踊りに興味を持つ人がもっと増えれば嬉しいと思い制作しました。
受賞コメント
この度は受賞作品に選出していただきありがとうございます。
題材は日本三大盆祭りで徳島県が誇る阿波踊り。大人になると忘れてしまう。そんな当たり前なことを再考し、胸に響くような作品にしたいと思い製作しました。
審査コメント
人は誰しも「地元の忘れたくない大切なもの」があり、それを思い出させてくれるような作品です。「ザすだち」も、徳島を離れたら滅多に口にすることはないのだろうけれど、今だけは故郷を思い出して飲みたい。祭りを思い出すことで地元を守りたい。そんな想いが伝わってきました。(加藤優子)
お祭りが終わっても、逢えるお祭。
Cha.ppe.kko Zoo
お祭りが終わっても、逢えるお祭。
作品コメント
・宮城県のお祭。宮城と言えば「七夕祭」が有名。そのお隣の港町では毎年「みなと祭」が開催される。
・「日本三大船祭」にて「日本で唯一神をのせる御座船」が見れる。
・その御座船に注目し、お祭り後は跡形もなく消える祭りが、塩竈ではその後も港に佇む御座船を見ることができる。
・お祭りの余韻を年中楽しめるそれが「塩竈みなと祭」
・鳳凰丸、龍鳳丸を作者が3Dにてリアルに表現
・塩竈で活動する姉妹デザイナー
受賞コメント
塩竈神社の鳥居の先の202段の石段。道路を埋め尽くす道路脇の出店の呼び声。人混みをかき分け、潮の香り。辿り着いた先に浮かぶ【御座船】コンテストのテーマを知った瞬間に浮かんだ、幼少期の風景を描きました。震災を乗り越え、塩竈が誇る日本唯一の船を知っていただける機会を頂戴し心より感謝いたします。みなと祭はもちろんのこと「364日塩竈で逢おうぞ。」
審査コメント
深い色合いから、神様にまつわる神聖な雰囲気を感じました。絢爛な本番の祭りも魅力的ですが、実はいつでも御座船に会えるという部分にフォーカスし、逆にしおがま港に佇む姿を見に行ってみたくなるような作品です。(加藤優子)
全部神席
小笠原葉南
全部神席
作品コメント
三河一色大提灯まつりでは全長6~10mもの巨大な提灯が設置されます。ついついその大きさに目が行きがちですが、それだけではありません。提灯の全体には神話や時代絵巻を題材にした絵が描かれていて、360度どこから見ても楽しむことができます。お祭りでは人が多すぎて肝心の踊りや山車が見えないということがあります。しかし三河一色大提灯まつりでは、見上げればすぐに見え、360度どこからでも楽しむことができ、会場全てが神席となっています。お祭りに人が戻りつつある今だからこそ、ぜひ会場に足を運んで大提灯を楽しんでいただきたいです。
受賞コメント
この度は審査員賞にご選出いただき誠にありがとうございます。地元である愛知県西尾市の三河一色大提灯まつりは、全国最大級の大きさの大提灯を展示するお祭りです。お祭りに行くとついつい良い位置で見たいと思ってしまいますが、大提灯まつりでは会場のどこにいても圧巻の大提灯を眺めることができます。今回ポスターを制作する中で、お祭りの見方は一通りだけではないということに大提灯まつりは気づかせてくれました。ぜひ実際に訪れて見てみてください。
審査コメント
インパクトのあるイラストと、イラストに絡みあうキャッチコピー「全席神席」は、イラストに描かれているモチーフ(実物には神話や歴史の絵巻物が描かれているとのこと)の説明かと思いきや、ご来場なさるお客様の「視点」で見たお祭りの魅力を教えてくれる、素敵な作品。(加藤達也)
一人角力(ひとりずもう)
田村波瑠子、村田実優
一人角力(ひとりずもう)
作品コメント
愛媛県今治市大三島大山祇神社のお祭りで行われている神事です。このひとり相撲は、負けることで、豊作が約束されます。見えない相手がそこにいるかのように、本気で相撲を取る様子をわかりやすく、強く、表現しました。
受賞コメント
この度は、審査員賞と地元PR賞に選出いただき、誠にありがとうございます。二人で、どの魅力をどう表現するか楽しく話合い、制作しました。都市集中化が進む日本で、地方の魅力を発信することはとても大切だと思っております。Rethinkプロジェクトの今後のご発展を楽しみにしています。
審査コメント
大山祇神社御田植祭を知らない人でも、コピーとイラストで伝え収穫祈願の古式ゆかしい神事で行われる一人角力をしっかり理解できる作品でした。相撲は本来は勝つためにやるもので、神様に最後わざと負けるのだろーなと想像させて実際にその相撲の演技を生で見たいと思わされてしまった点がよかったです。(呉 京樹)
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