結果発表
2020/12/21 10:00

おおしま国際手づくり絵本コンクール 2020

応募作品数:197点
受賞作品数:7点(奨励賞・入選を除く)
主催:公益財団法人射水市絵本文化振興財団

最優秀賞 文部科学大臣賞

あおくん あかくん きいろちゃん
よしおかゆきこ
(一般の部)
あおくん あかくん きいろちゃん
審査コメント(一部抜粋)
擬人化がうまく、信号の色それぞれの役割にピッタリ合ったキャラクターにしているせいでお話にすっと入っていけます。さらに後半のエピソードもそのキャラクター設定がきいてきます。ハラハラする場面もありリズムもあるプロ顔負けのまとまりのある作品でした。(はたこうしろう)

お話がとてもシンプルで、きちんとまとまっている。イラストも可愛らしく、キャラクターも個性的で感情移入しやすい! 商品として書店にあっても、違和感のない出来。きいろちゃんが動かなくなったときは、思わず心配してしまいました。手描き見返しも、作品への愛情が感じられました。(山本 孝)

画面の中に綺麗な色の固まりが転がって白い背景にとてもかわいらしく、グレーが生きています。けなげな信号機の役割を助け合いの視点からみつめ、サイズも展開もバランスよく手に取りたくなる作品です。(広田郁世)

金賞 富山県知事賞

ゾウリムシばあさんインドでくらす
モニカ
(一般の部)
ゾウリムシばあさんインドでくらす
審査コメント(一部抜粋)
奇想天外な展開にびっくりしてしまいます。なのに不思議と置いていかれることなく話の中に入れるのです。根底に流れるやさしさと、どこか達観した語り口で納得させられてしまいますね。表紙に「その1」とありますが「その2」もぜひ見たいと思わせます。(はた)

表紙からガッツリと心を掴まれた作品。ゾウリムシ? インド? そんな疑問を感じる間を与えさせない、強引かつ奇想天外な展開! その読者を置きざりにしていく潔さは快感の一言! 読み終わってまたすぐ読みたくなる! 中毒性の強い作品! その2もぜひ!(山本)

変というか妙というか不思議な魅力に溢れています。ミクロな世界とワールドワイドな世界が混在して、私にも落ち着いて考えられる場所を~と思ってしまいました。次はどこで暮らすの? どんなシュールな出会いが? と次が見たくなり、作った方に興味が湧きました。(広田)

金賞 射水市長賞

ひっぱってみて
かのあき
(しかけの部)
ひっぱってみて
審査コメント(一部抜粋)
しかけとしたらとっても単純なのに逆にそれを最高に生かした楽しい作品です。そしてアイデアもさることながら造形のセンスが光っています。大人も子どもも引っ張るたびに歓声が上がることでしょう。ジンベイザメが気に入りました!(はた)

シンプルな表紙にまんまと騙されました。ページを捲っていきなりの富士! もうあちらの思うツボ…。ジンベイザメに感動! 東京タワーに勇気を貰い! お姉ちゃんのタオルにドキドキし! 太陽系の壮大さに息を飲み! 特大ウンコでサヨウナラ~♪ 見事に心も引っ張られてしまいました(笑)(山本)

楽しい力作です。東京タワーが飛び出したかと思ったら、宇宙までも。たくさんの刺繍、追加もどんどんできそう。お姉ちゃんにはドキドキしました。ジンベイザメは手を入れてパクパクできると楽しいな。(広田)

銀賞 富山県教育委員会賞

うつくしいきもの
五月二三
(一般の部)
うつくしいきもの
審査コメント
絵に魅せられました。全編にわたりまったく手を抜くことなくプロ並みに隅々まで美しく描き上げました。自分の中の「伝えたいというもの」をテーマにすれば、この情熱と高い美意識は、たくさんの人々の心に残るものが作れるはずです。(はた)

絵が美しく、各場面の絵の表現力は見とれてしまうほど。特にヘビのシーンの迫力は素晴らしい! それだけにストーリーの長さ、設定の難しさが気になりました。読んでいる最中、ページを戻って話を確認し直すことも。もう少しお話のシンプルな作品も見てみたいです。表紙(裏表)見返しにも少し拘ってもらえると、世界観が上がるのではと思います。(山本)

色も構図もとても素敵。それぞれの場面の絵そのものが、たくさん語っていると感じました。(広田)

主人公シクンの成人式の着物についている血痕を取るために西の島へと旅に出る壮大な物語。落ち着いた精密な絵が物語を一層深めています。(細川律子)

銀賞 射水市絵本文化振興財団賞

ぼくがネアンデルタールじんだったころ
小松原 健
(しかけの部)
ぼくがネアンデルタールじんだったころ
審査コメント
子どもたちがネアンデルタール人になって古代に行くというアイデアがいいですね。ワクワクしてお話に入れます。そして次々に飛び出す動物は迫力がありました。全体に正確で綺麗なしあがりも感心させられました。(はた)

思わず表紙をめくりたくなるタイトル! 飛び出す動物も迫力があって楽しい! たっぷり冒険して、最後にパンパンで戻ってくるのも、流れが自然で気持ちいい! 大冒険なので入り口と出口(特に)を少し明確にしてもらえると、読者にはより分かり易いかも。(山本)

罠に落ちたナウマン象の様子に感心しました。幼稚園の場面から空想の世界の場面に、いつの間にか突入。先生の手拍子に私もハッとしました。(広田)

子どもたちの空想の世界が縦横に広がっていくわくわくしたしかけ絵本です。(細川)

銅賞 射水市教育委員会賞

ばあちゃんの おっぱい七変化
尾山舞子
(一般の部)
ばあちゃんの おっぱい七変化
審査コメント
老化を否定的にではなく、愉快で役立つものに変化させる発想が素晴らしいです。ユーモアも斬新で構成力もしっかりしていました。絵の技術を高めればぐっと良くなると思います。(はた)

かつてこんなおっぱい絵本があっただろうか!? おっぱいの使い分け? 上巻き? 下巻き? さらにおっぱい使いはエスカレートしていく! 大胆に…好き放題に…こりゃあ男には描けません(笑)驚きと笑いに満ちたトンデモナイおっぱい絵本でした! 表紙上部のおっぱい(?)もっと思いきって欲しい(笑)(山本)

そうそう! と、ひいおばあちゃんを思い出しました。ありそうでなかった気がします。渦巻きパンを見たら笑ってしまいそう。(広田)

8人の子どもを育てたおばあちゃんの長いおっぱいの役割を描いた作品。大笑いした後、自分もおっぱいに育てられたことに気づきしんみりとなりますね。(細川)
8月15日の誓い
竹田美喜子
(しかけの部)
8月15日の誓い
審査コメント(一部抜粋)
広島の原爆がテーマです。ふつうおどろおどろしくなりそうですが、美しい造形で表現されています。そうすることで人類の希望を強く感じることができる素敵な作品となりました。もっと大きなサイズだったらさらに力のある作品となったでしょう。(はた)

戦争をテーマにしているにも関わらずとても美しい印象を与えてくれる絵本。文章に寄り添った絵が戦争の恐ろしさ、平和、命の大切さ伝えてくれます。ただページが少ないように感じます。もう少しページを増やしても良いかも。今のままでも良いのですが、そうした方がより絵本の個性が上がる気がします。表紙(裏表)見返しにももう少し時間をかけて欲しいです。(山本)

光沢フィルムと黒紙を効果的に使っています。表紙からは想像できない内容で暗いところでそっと開きたいです。新しい原爆の表現を見た気がしました。(広田)
関連記事