Metro Ad Creative Award 2019
受賞作品数:23点(デザイン部門:11点/プランニング部門:12点)
主催:株式会社メトロアドエージェンシー
※ここでは、各部門のグランプリ・準グランプリ・審査員特別賞・学生部門賞をご紹介します
デザイン部門
グランプリ
この食感を味わえないなんて辛すぎる。
安田広美(中央アド新社)
共同制作者:大友景祐(中央アド新社)、安田 橙、安田 陸
- 審査コメント
- グランプリ、おめでとうございます。電車の中でこの広告と出会うことを想像してみると、やはりこのビジュアルのインパクトが狙い通りに効いてるなと思いました。「はをだいじに」というコピーワークからは当然堅あげポテトの「堅い」という特性からきていることもありますが、お菓子のブランドが人々に末長くお菓子を楽しんで欲しいから歯を大事にしようとメッセージしている企業広告の域に及ぼうとしているスタンスに感心しました。(八木義博)
堅あげポテトって、本当に美味しいですよね。でもって、本気で堅いですよね。そして何より問題なのが、商品名が秀逸すぎて、言いたいことがほぼ伝わってしまっているということ。じゃあ、どうするか?というところからの、思い切りのいいジャンプが清々しくて好感が持てました。幼く見えて高度な表現。お見事です!(渡辺潤平)
準グランプリ
検索せずにいられない広告
松沢洋祐(クリエイターズグループMAC)
- 審査コメント
- 準グランプリおめでとうございます。突然妙なワードが目の前に飛び込んでくる。なんじゃこりゃ?!という体験から実は徳島の地名になっているという構造が上手に作れていて気持ちいいです。広告紙面上には文字しかないのに、まだまだ日本に知らない面白いことがたくさん潜んでいるんだという想像力も働くリッチな広告になっていると思いました。(八木)
審査会場で一番目立っていた作品でした。なぜこうなった?という地名を発見した根気と熱意に脱帽です。地名の下の住所表記の部分に、もう一工夫欲しいかなという気もしました。が、この堂々とした佇まいはすごい。交通広告で人の興味を引き付けるのは、やっぱりアイデアの力ですね。勇気と嫉妬が湧きました。(渡辺)
審査員特別賞(八木義博)
- 審査コメント
- 審査員特別賞おめでとうございます。一瞬見てハッとさせるビジュアルが強い。言葉は一切ないのですが、とてもいろんなことが伝わってきます。そのためにデザインも必要最小限の要素、カラーリングになっていて、勇気あるシンプルさが評価できます。潔く気持ちいい。(八木)
審査員特別賞(渡辺潤平)
- 審査コメント
- シンプルでぶっとくて芯を食った言葉が大好きなので、一次審査の段階からこの作品はすごく気になっていました。自虐的なアプローチの作品が大半を占める中、ポジティブに堂々と徳島県を発信していく。そのアプローチが気持ちよかったです。コピーの野太さをさらに増幅させるデザインワークも秀逸ですね。こういう広告が世の中にあふれたらいいのにと思いました。(渡辺)
審査員特別賞(尾形真理子)
- 審査コメント
- バスケットボール選手に、背が高い人が多い。それを知らない人はいないでしょう。背の低いスーパースターだってたくさんいる。だから、背が高い人たちが見られるという広告では、Bリーグを観に行く人はいないでしょう。(そういう企画は多かった)だけど、別のプロリーグからあの巨人をお借りすることで、身体的特徴の話から、人並みはずれた逸材たちの集団であることがわかる。あざやか。(尾形)
学生部門賞
ケンタッキーのような人
福田菜々(専門学校千葉デザイナー学院)
- 審査コメント
- 学生部門賞おめでとうございます。アルバイト募集という通常だと退屈になりそうなテーマに対し、本当によく考えて、よくできていると思いました。考え方にとどまらず、中吊りに掲載されることを計算した大胆なデザインワークも併せて素晴らしいと思いました。(八木)
計4タイプのシリーズ作品なのですが、丁寧にあたたかく作られていて、審査会場でとても目立っていました。「求人募集」というやや難しいテーマに、しっかりと商品で答えていく。このテーマのつかみ方にセンスを感じました。何より、美味しそうな広告ですよね。ケンタッキーが食べたくなりました。(渡辺)
プランニング部門
グランプリ
青春でかプリ
中村朱里(東急エージェンシー)
共同制作者:本多陽一(東急エージェンシー)
- 審査コメント
- 本当に優れたアイデアは意外と目の前に落ちているもの。でも見つけるのが一番難しかったりもする。“フレームを広げるだけ”という実にシンプルで強いアイデアにたどり着き、この案を信じたチームの才能は賞賛に値する。本当に素晴らしい。(佐藤カズー)
新宿のサラリーマンや観光客が行き交うなか、ユニフォームを着用した女子学生たちの行列待機列が容易に想像できます。毎年恒例企画になる要素もあり、部室に学年別の歴代でかプリが並ぶかもしれない。さらに、この企画がビジネスマンの多い新宿の地下のプロムナードでやることも含め、ちょうど良い「違和感」もあり、そのインパクトが企画を生かす。(吉田宗平)
準グランプリ
- 審査コメント
- ネーミングがアイデアに直結していて強いアイデアだと思います。この企画は恐らくジャンプ中の顔が一番シズルので、写真の集合体がKVとして出ていたらOOHとしてより強いものになったでしょう。(佐藤)
「全力でシャンプ」するだけという誰にでもできる行動入り口。すごくジャンプできても、大してジャンプできなくても、どちらでも青春の思い出になる強いコンセプト。複数人プレイ版、ボールの位置の変更や小道具、アシストツールがあると、簡単に横展開もできそうな間口の広い企画性。お見事。(吉田)
THE LIFE GAME
小野将夢(東急エージェンシー)
共同制作者:熊川祐介(東急エージェンシー)、中村優希(東急エージェンシー)
- 審査コメント
- 人生ゲームというアイデアは他にもありました。でもこのチームの徹底したエクセキューションのこだわりがこの企画を特別なものにした気がします。(佐藤)
人生のポジティブ分岐点が「surface」であることを可視化した企画。人生ゲームの盤面が横長になるインパクト、マス目を読むために近づいてしまう、マス目をつい考えたくなる企画も同時に実施できれば期待効果はさらにアップ。最終的には、人生ゲームのsurface版のアナログ盤、デジタル盤に実現できそうだし、いろいろ希望やアイデアも勝手に膨らみます。(吉田)
審査員特別賞(佐藤カズー)
ひもみくじ
大川将平(博報堂)
共同制作者:梶川裕太郎(TBWA HAKUHODO)
- 審査コメント
- ロッカーという駅らしいインターフェースと、紐をひっぱるだけというアクションの相性がとてもいい。アイデアはとても好きです。紐がスポーツおみくじだけだと少し地味? 紐の中身にもう少し企画があったらより強い引きになるかも。(佐藤)
審査員特別賞(木村健太郎)
ちちしぼり
菅野晴彦(ADKクリエイティブ・ワン)
共同制作者:松原沙希、大野聡馬(ADKクリエイティブ・ワン)
- 審査コメント(一部抜粋)
- ちちしぼりの案はたくさんあったが、この案以外は、牛が普通の牛だった。ひとつだけ、生きている本物の牛の乳を絞るという勇敢な案があったが、小心者の僕にはそれを選ぶ勇気はなかった。しかし、この案だけは、なんと牛が長かった。これなら公衆衛生上も問題ない。でもなぜ長いのか。多くの人が同時にちちしぼりをするためなのか。この地下通路のスペース特性を活かすためなのか。フルーチェのために開発された新種の牛なのか。実は牛ではなくダックスフンドなのか。こんなに長くてこの牛はちゃんと歩けるのか。いずれにしろ夢にでてきそうな違和感がある。さらにコピーがアホで、なんとなくちょっとエロい感じもする。父としぼろう。父とつくろう。これが通り過ぎる親子に、「さあおまいら、ここでちちしぼりをしておくれ!」と呼びかけてくる。(木村)
…
審査員特別賞(吉田宗平)
- 審査コメント
- 「国旗(日の丸)を混ぜてみたらフルーチェになるかも」という独自着眼点が圧巻。静止画でなく、動画などでもフルーチェの混ぜ過程を表現できると、さらに興味深く、見たく要素が深掘りできそう。フルーチェのお題、多くの応募者が提案の方向性がかなり重複するなか、他にない独自着眼点だったので選出させていただきました。シンプルに、いろんな国旗のフルーチェを食べてみたい。(吉田)
学生部門賞
- 審査コメント
- 学生なのでカンプの精度は下がりますが、アイデアそのものはシンプルで素晴らしいと思いました。回すことでインタラクションするビジュアルが子供が楽しめる内容になったらグッと点数が上がったかもしれません。将来はぜひ広告業界目指してください。拾います。(佐藤)
「回す」という父子の共同作業、80mの超長画面でこれができたら、確かにインパクトはありそうだ。ただ、費用がかかり、技術的な調整が大変そうなので、実現することにその難易度を乗り越えるだけのもうちょっと何かアイデアが欲しいところが課題。(吉田)