結果発表
2023/03/10 10:00

米百俵デジタルコンテスト2022(米100DC)

応募作品数:131点
受賞作品数:5点
主催:ながおか・若者・しごと機構

グランプリ、技術賞

はなまる屋
阿部桃香(長岡造形大学)
作品コメント
今日頑張ったことなどに“はなまる”のついたレシートが出てくる可愛いミニプリンターです。はなまるや達成したいことをアプリに登録して簡単に使えます。レシートはシールになっているので、ノートなどに貼って頑張ったことを振り返ったりもできます。
審査コメント
デバイスデザインが可愛くて、親近感あふれるアイデアだ。宿題や勉強などに「どうも苦手」と感じている子どもたちのモチベーションアップを身近なツール感覚でやさしくサポートしてくれそうなうえ、全体的にあたたかなユーモアもある。完成図のモックアップ(実物模型)のクオリティーとその再現度合いが非常に高く、プロダクトのイメージも湧きやすかった。“褒めてもらう”という人間の根源欲求をはなまるを通して叶えてくれて、デジタルではなく物理的なレシートで自分の成果を感じられることは、子どもたちの喜びにもつながるだろう。小学生のユーザーニーズにドンピシャだったとも言える。(市原えつこ、高瀬章充、改田哲也)
受賞コメント
コンテストへの参加が初めてで、受賞できたことにとても驚いています! はなまる屋は、自分の小学生時代を振り返り、いい点数だったテスト用紙をとっておいた経験から発想しました。褒められたときの嬉しい気持ちを物理的に残すプロダクトとして、デジタルの便利さと紙の良さを結びつけることができました。一次審査のフィードバックから、3Dプリンタでモックアップを制作したことで、より良いものになったと思います。同級生からも「欲しい!」と言われたので、子どもに限らず幅広い人に受け入れられるよう、製品化に挑戦してみたいです。

表現賞

ハコくんとえらぼう!
森田琴葉・岡崎理来(和歌山大学)
作品コメント
多数決やじゃんけんに代わる新たな“選ぶ”方法を提供するアプリです。スマホなどの画面に表示された順位を目指してミニゲームで遊ぶだけ。目標順位は1位だけではないので、ゲームが苦手な人にも公平にチャンスがあります。勝っても負けても納得して選ぶことができます。
審査コメント
「多数決は完璧な手段ではない」という強いコンセプトと独自の問いを現実的なソリューションに落とし込んでいる点が非常に面白い。“新しい決め方”という概念がユニークで、UX(ユーザー体験)設計を作り込むセンスも卓越しており、すごいアプリだと感じた。身近な生活をメタ的に捉え直しており、“負けに行く”という新しい行動が生まれることも面白い。一次審査後のプレゼンやアプリデザインのブラッシュアップが目覚ましく、世界観のまとまりや楽しい雰囲気なども担保されていた。可愛い仕上がりなのに、社会のシステムや民主主義の仕組みを根底からひっくり返すような可能性があるすごい発明だ。世間の常識やルールへの反逆精神・パンク精神のようなものも素敵だと思った。(市原)
受賞コメント
この度は表現賞という名誉ある賞をいただき誠にありがとうございます。コンセプトや表現方法などこだわった点を評価いただき大変嬉しく思います。自分たちの経験を振り返りながら、今の小学生の身近な悩みに触れ、解決策を考えるということはとても貴重な経験になりました。本当にありがとうございます。

持続可能性賞

おしゃべりタイムカプセル
内山葉月(長岡造形大学)
作品コメント
今の自分の音声を録音して未来へ送ることができる可愛いクマの顔をしたIoTデバイスです。メッセージを録音して日時を指定すれば、その日にメッセージが届きます。他のおしゃべりタイムカプセルや専用アプリに送信もできる優れものです。
審査コメント
「時をまたがったメッセージ」という新鮮さ
もう一人の自分がさりげなく語りかけるという面白さ
子どもだけでなく高齢者の“忘れ”へのメッセージ
祖父母から孫へなど多様なコミュニケーションが生まれそうな可能性──
など、深さと広がりのあるアイデアだ。ビジュアル(視覚)ではなく、あえて声(音)で伝えるところに“心”を感じる。生の声は“魂の会話”を生むように思う。話したときと聞くときの心や気持ちに隔たりがあって、パラレルな時間を体験できそうなのも面白い。作品を通していろいろなことを考えさせられ、利用シーンの空想が発展していった。日時に加え、将来訪れるだろう特定の状況や「ひ孫への死後のメッセージ」を指定できるようにするなど、アイデアを進化させていってほしい。(改田哲也)
受賞コメント
この度は、持続可能賞という素晴らしい賞をいただき、大変光栄に思います。初めてのことばかりで、たくさん悩みながら作った作品だったので、こういった評価をもらえたことが自信になりました。この作品に、アドバイスや協力してくれた人たちに感謝の気持ちでいっぱいです。この経験を、これからの作品づくりに活かしていきたいと思います。グランプリを目指して、また参加したいです!

中・高校生賞

さがしものウォッチ
渡久山 寛(東京都立両国高等学校)
作品コメント
「あれ、どこに置いたっけ」を解消する腕時計型デバイスです。手が物を握っているかを感知し、離したときに内蔵カメラが記録。その物の場所を聞くと、記録データから探し当てて答えてくれます。片付けや落とし物、物忘れなどに重宝のツールです。
審査コメント
​​「ものを失くす」という経験は誰にでもあり、ターゲットが非常に多いという点で良いと思った。家族で共有できたりなど「共用物」の行方も可視化でき、毎日の生活をさらに便利にしてくれると期待感がある。このように私たちの「日常のシーン」に使え、さらには建設現場などの「特定のシーン」においても活用できそうだ。ビジネス的にもサービスとして光るものがあり、大きな拡張性を秘めているアイデアだ。また、医療面においては、世界中で記憶障害に苦しまれている患者さんにとって、画期的なツールになりうると感じた。このアイデアが進化し、実現し、より多くの人が恩恵を受けることにつながるように、今後も挑戦し続けてほしい。大いに期待している。(長岡公務員・情報ビジネス専門学校)
受賞コメント
この度は、米100DC2022で名誉ある賞を頂戴し、大変光栄に思います。小学生が喜んでもらえるようなデジタルプロダクトを考え、小学生に投票してもらうのはとても新鮮で楽しかったです。この大会に応募するにあたって、小学生の頃の自分がワクワクするような魅力的なものとは何だろう、と思いながら制作を進めてきました。今回の経験を生かしてこれからも人のためになるものづくりをしていきたいと思います。

長岡市長賞

そらミル
古野間久知(新潟明訓高等学校)
作品コメント
世界各地の気象情報をIoTと3D技術を使って可視化する作品です。3Dで視覚化するため、地理学習や災害対応、有事のシミュレーションなど、活用の幅は多岐にわたります。新体験で近未来を感じ、遊び・学び・暮らしがより楽しくなるはず。
審査コメント
地形と天候の変化を3D画像で一体化して可視化する作品で、教育的にもデジタル技術の活用面でも面白い。これからのトレンドにも合っており、大きな可能性を感じた。Google Earthの3D地理情報に気象情報を載せれば技術的にも実現できるかもしれない。このアイデアが実現し、子どもたちの学習や遊びなどで活用されれば嬉しい。また、災害対応にも役立ちそうだ。例えば、豪雨の際に河川の上流は雨が降っているのか、それとも晴れているのかなどは、すごく大事な情報だ。それをこうしたIoTデバイスで簡便に確認できれば、下流の備えにものすごく役立つ。社会的にも大きな意義を持つアイデアだと感じた。長岡市では、みなさんに考えていただいたアイデアをもとに、デジタル技術を使いながらより良い生活環境、そしてイノベーションが進むまちをつくっていきたいと思っている。(磯田達伸 長岡市長)
受賞コメント
コンテストに応募させていただくのは初めての経験でしたが今回、長岡市長賞という名誉な賞に選んでいただきとても光栄です。作品を応募したあともブラッシュアップを通して作品についてさらに深く考えることはとてもいい経験になりました。この経験を活かしてこれからもITについて考えていきたいと思います。
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