結果発表
2021/12/24 10:00

日学・黒板アート甲子園 2021《学生限定》

応募作品数:227点
受賞作品数:32点(黒板の部〈メイン大会〉:21点/黒板の部〈ジュニアの部〉:4点/白板の部:3点/動画の部:4点)
主催:日学株式会社
※ここでは、各部門の最優秀賞をご紹介します
黒板の部(メイン大会)

最優秀賞

冬の幾何学
静岡県立浜松大平台高等学校/大平台高校Aチーム/7人
冬の幾何学
作品コメント
部活帰りの渡り廊下は肌を貫くような厳冬の風が吹く。私は制服のシャツで眼鏡のレンズを拭いながら、今日は星が綺麗だと思った。唐突に部活の仲間が星の散る夜空を指し、興奮した様子で声を上げた。
私が徐に眼鏡をかけると、そこには…
絵のモチーフとして皆で写真を撮りに行きました。部活の結束が強まりました。
審査コメント
「部活帰りの渡り廊下は肌を貫くような厳冬の風が吹く。私は制服のシャツで眼鏡のレンズを拭いながら、今日は星が綺麗だと思った。」という高校生活の一場面から生まれた作品です。眼鏡をかけると友達の背中越しに一段とくっきり見える星。そして浮かび上がる星座の形。太古の昔から人間を引きつけてきた星空は現代を生きる高校生をも強く魅了するでしょう。そのとてつもなく広がる宇宙に指を指しながら、友達同士どんな言葉が語られているのでしょうか。かけがえのない青春の一場面を見事に描いています。
黒板の黒い地を生かした夜空にきらめく星と天の川。チョークの粉を吹き付け表しているのでしょうか。また、校舎の壁や眼鏡のフレームなど、それぞれの質感を丁寧に描き分けています。レンズを通して見ているような風景の歪みと水平を斜めに傾け切り取った構図も素晴らしいです。
黒板の部(ジュニアの部)

最優秀賞

夜の静けさ
熊谷市立富士見中学校/1年齋藤組/4人
夜の静けさ
作品コメント
みんなで、いろいろおしゃべりしながらの制作で、いっぱい笑い合い、いっそう仲良くなれました。
審査コメント
背景のグラデーションと、木の部分はあえて塗り込みをせず黒板の地を活かして表現し、右側の池(湖?)に映り込む木々の描きこみも良かったです。タイトルどおり、静寂さを感じる仕上がりで、全体的なバランスも良いです。
白板の部

最優秀賞

Alice is in battle now ~只今アリスは戦闘中!~
静岡県立浜松大平台高等学校/まじかる☆ついんてぇる/5人
Alice is in battle now ~只今アリスは戦闘中!~
作品コメント
途中、意見の食い違いが起きたりもしましたが、最終的には一人一人の思いを込めることができました。
審査コメント
様々なタッチや色を使い分けながら、アリスの世界観を独創的な解釈で表現している点が高く評価されました。アリスと猫の目をカラーにすることで眼差しに引きつけられます。チェス盤の模様のうねりとコマの歪みから感じる、押し寄せてくる戦闘中の緊迫感は、直線を基調とした背景の本棚の動かぬ静けさによって引き立てられています。デザインの工夫や描写の完成度の高さにより最優秀賞に選ばせていただきました。
動画の部

最優秀賞

Tea Time
宮城県古川黎明高等学校/古川黎明美術部/26人
作品コメント
童話のようなファンタジーの世界と現実の世界を対称にして幻想の世界を表現しました。人物の位置やポーズに注力し黒板のどこを見ても楽しめるような構図を意識し、チョークを水で溶いて制作しました。思ったように遠近感が出なかったり、塗り直しが大変だったりしましたが、まとまりのある絵に仕上げられてよかったです。
審査コメント
下絵を描き、そこに水で溶かしたチョークで色をのせていく姿がコマ送りで流れていきます。チョークに含まれた水分が乾いていくと色が変化し、その様子が分かるのも動画ならではの魅力です。童話の世界と高校生の日常とを、なぜ左右に描き分けたのだろうと思ったら、背景を消したときにその意味が見えてきました。見事に童話の中の少女と高校生が対峙する構図が現れました。向き合って二人とも飲物を飲んでいるのです。もしかしたら、ここが完成の場面なのでしょうか? 見えているようで見えていない私たちの世界は、余分なモノを消すことによって見えて来る。こんなメッセージが伝わってきそうな作品です。
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