結果発表
2025/03/12 10:00

交通総合文化展 2024

主催:公益財団法人日本交通文化協会、「鉄道の日」実行委員会

応募作品数:769点(写真部門)
受賞作品数:14点(入選を除く)(写真部門)
※ここでは、写真部門の上位4点をご紹介します
写真部門(新日本観光写真)

国土交通大臣賞

春の風物詩
池田新一
春の風物詩
作品コメント
別府では4月に「別府八湯(はっとう)温泉まつり」を開催、その期間に行われる扇山の野焼き「扇山火まつり」は夜に浮かび上がる炎の壮厳さとスケールの壮大さから、別府温泉の春の風物詩となっています。扇山全体と別府の湯けむりの街並みが見渡せる沖合の堤防から、街の灯りと真っ赤な炎が映った海面を入れて撮影しました。(2022年4月撮影)
審査コメント
市街地越しに見る野焼きに目を奪われました。眩い街の光と真っ赤に燃え盛る様子が反映された海面が迫力に拍車をかけています。そこにあえて静寂や冷気を感じさせるブルーモーメントの空やシルエット気味の山の稜線を取り入れたことで壮大で余韻溢れる作品が生まれました。たなびく湯煙も別府らしく、スケール描写につながりました。(清水哲朗)

環境大臣賞

錦秋の響き
水野敬雄
錦秋の響き
作品コメント
駐車場に車を止め歩くこと15分、日本一の落差350mを誇る称名滝(しょうみょうだき)にたどり着きます。轟音を響かせ流れ落ちる滝は、どれだけ見ていても飽きることはありません。この日は紅葉の全盛期で絶壁を錦の紅葉が彩り、流れ落ちた水は清く澄んでいました。空に流れる雲も爽やかな秋を感じさせ、この壮大な景色を表現するために超広角レンズで撮影しました。(2022年10月撮影)
審査コメント
秋らしい雲、青空、色とりどりの紅葉、澄み切った渓流とこれ以上ないほどの好条件で撮影した称名滝。この光景を目にした時の作者の感動が臨場感よろしく伝わってきます。落差日本一を誇る滝だけに写っているのは下段の一部。この上には何段もの滝が連なっています。水量が多く、緑に包まれた春や夏とは違った魅力、格別な美しさが秋にはありますね。(清水)

東日本旅客鉄道株式会社社長賞

一番列車が来るまでに
志田幸夫
一番列車が来るまでに
作品コメント
真冬には積雪が3~4mを超える、日本有数の豪雪地帯を走る只見線。越後須原駅の一番列車、午前5時58分会津若松行きが来るまで、ホームの除雪は時間との闘いになります。特に冬型の気圧配置が長引き雪が降り続くと、毎朝悪戦苦闘の連続となります。安全に運行できるよう働く人たちには、頭の下がる思いです。(2022年12月撮影)
審査コメント
世界でも類を見ないほど時刻表どおりに運行される日本の鉄道。首都圏から津々浦々まで実践できているのは驚きであり、安心と信頼、利便性につながっています。ただ、利用者は鉄道関係者の日々の努力を想像することは、あまりありません。作者の視点は豪雪地帯での奮闘を静かに伝え、利用者からの感謝の気持ちを代弁してくれているようで心に響きます。(清水)

公益社団法人日本観光振興協会会長賞

ゼロキロポスト(4枚組)
小野杏太
ゼロキロポスト(4枚組)
作品コメント
タイトルの「ゼロキロポスト」は鉄道で始発点を意味することばです。東京駅は全国に広がる鉄道網の起点であるのと同時に、多くの人々が旅を始める、あるいは旅の目的地とする駅です。待合室のガラスに反射する新幹線、遠くに見える丸屋根の駅舎などから、旅に出る前のワクワク感を感じ取っていただけたら嬉しく思います。(2022年3月撮影)
審査コメント
東京駅新幹線ホームを舞台にした組写真。これから始まる旅に興奮しているのか、目に入るすべてが尊く、見落としがないよう鋭い嗅覚かつ独創的な視点で新幹線を絡めつつ、力強く断片的に捉えていく作者に圧倒されます。鉄道と旅、どちらの起点ともとれる印象的なタイトルも想像力をかき立て高く評価できます。旅に出たくなりました。(清水)
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