第三回 入江泰吉記念写真賞
応募作品数:95点
受賞作品数:1点
主催:入江泰吉記念写真賞実行委員会
共催:奈良市、一般財団法人奈良市総合財団(入江泰?記念奈良市写真美術館)
入江泰吉記念写真賞
- 作品コメント
- ハワイの島々は私の中で強い輪郭を持って存在している場所であり、たくさんの人達と出会い、お互いの時を重ねてきた場所でもあります。
偶然とも必然ともとれるような出会いから大切な存在となっていった彼らと日々を過ごしていくうちに、いつからかハワイの島々が持つ歴史や風土がリアリティーと意味を持って自分に迫ってくるようになりました。
変わりゆく風景の中にも大切な人達が生きてきた時間や心の動きが映っている、そんな風に思います。
人々が生きてきた時間を包含しながら、今なお動き続けるハワイの島々。
自然の脅威を肌に感じながらも、全てを受容するように島で生き続ける人々。
今になり思い返してみると、私は十数年かけてそのような人間と島の在り方を垣間見させてもらったのかもしれません。(真鍋 奈央)
- 審査コメント
- 目の前に現れた眺めを、先入観を排したピュアな眼差しで見つめ、その鮮度を保ち続けたままパッケージしていく能力の高さで、従来のドキュメンタリー写真の枠組みにはおさまらない写真群として成立していると思う。(写真評論家・飯沢耕太郎)
真鍋さんの視線の揺らぎのなさに、一番感銘を受けました。まだ、若い方なのに、その視線に、海のように深い母性を感じさせる。それを的確に写真として表現している、その技量も確かなものです。(写真家・三好和義)
自分勝手に世界を解釈して切り取るのではなく、自己と対象との関係について自問自答を繰り返す。そういった愚直とも思える地道な姿勢からのみ生みだされる美しく澄んだ世界。大好きな作品です。(写真家・有元伸也)