結果発表
2023/01/30 10:00

Idemitsu Art Award 2022

応募作品数:860点
受賞作品数:9点(入選を除く)
主催:Idemitsu Art Award事務局、出光興産株式会社

グランプリ

せんたくものかごのなかで踊る
竹下麻衣
せんたくものかごのなかで踊るグランプリ「せんたくものかごのなかで踊る」竹下麻衣
作品コメント
この作品を描いているとき、どのように着地するのかと悩んだこともありました。ですが最後は楽しく描きあげることができました。自分のなかでしっくりくる色の組み合わせやかたちを合わせることができたり、気持ちよく線をひくことのできた作品になったと思います。

木村絵理子 審査員賞

あなた(の欲望)は燃えている
高見基秀
あなた(の欲望)は燃えている
作品コメント
今回の作品ではSNSなどで見られる炎上をテーマに作品を制作しました。歪んだ家のようなモチーフは、まるで欲望が肥大化したかのように醜く歪んだ造形になっています。作品を見る視線は、画面の中の家を対岸の火事として見る視線と重なります。悲壮感や切迫感のない様子は日常的に炎上を見慣れている私たちの無関心な目線そのものかもしれません。

正路佐知子 審査員賞

Pit Lo Ssence #1
𠮷田桃子
Pit Lo Ssence #1
作品コメント
私の作品の中に繰り返し描かれる、制作のプロセスの中で具体化される架空の人物は、自身のノスタルジーやエモーショナルな感情の中に鑑賞者が入り込める余地を作るための、重要なモチーフの一つです。この作品では、現代を生きる若者というキャラクターを設定し、「個人主義的で、様々な価値観にフラットであり、何にも属さないような、あるいはあらゆる境界を横断できる」という、私がZ世代以降の若者に対し感じる空気感を、ポジティブな解釈として表現したいと思いました。

桝田倫広 審査員賞

プランツとプラネット
檜垣春帆
プランツとプラネット
作品コメント
今年の3月、初めてグループ展に参加した際に持って行った絵です。今の生活を始めてから描いたもののなかでもとくに納得できるところまで粘った絵でした。

鷲田めるろ 審査員賞

bathroom 1
石川ひかる
bathroom 1
作品コメント
住んでいた家のバスルームを描きました。モチーフは実家のバスルームですがもう何年も実際に見ていないので、ぼんやりした記憶の中で自分によって強調されている部分や、よく覚えていること、人の気配や水の気配を表現しようと制作しました。

青木恵美子 審査員賞

Untitled 刻む
ナカバヤシアリサ
Untitled 刻む
作品コメント
この絵はNY郊外の森を明け方散歩していたときに観た景色になります。その日は陽が高く、緑が濃すぎて私の目には真っ赤に見え、影は長くそこに染み込んだように黒くジワッと刻みこまれていました。日本に帰って来てから、あのときの自然の中の不自然さや感じた違和感を絵にしたいと思い、写真やドローイングをもとに描き始め、跳ねたり飛んだ絵の具の滲みなどコントロールできない部分はそのままに一気に描き上げたこの絵は写真よりもリアルにそのときの記憶を現してくれました。

学生特別賞

あるようでなかった夏 ─ summer that seems to be there and not there.
魏 嘉
あるようでなかった夏 ─ summer that seems to be there and not there.
作品コメント
この作品では、これまでよりも少しずつ実験的なことをやっているような気がします。期待されていた映像的な結果には至っていませんが、現在の作品の段階を記録として、さらなる表現の可能性を模索していく。この作品を作る過程は、生活を記録する喜びでもあり、この作品を通して、この夏が私にもたらした物事や感情を見ることができるのです。
nn DOLL collage I
松浦美桜香
nn DOLL collage I
作品コメント
この作品は実際に制作した人形の作品をコラージュし、油彩で描くという複雑な工程によって生まれた作品です。パンデミックによって外界から閉ざされたときに他者を模索するように制作していた人形達を再構成することで、いま自分が見ている他者という存在の不透明性を改めて考え直すきっかけになった作品だと思います。

オーディエンス賞

Trail
茅根賢二
Trail
作品コメント
記憶を描くために記録を見るという行為を描く。記録から再生される記憶の映像を留めるために。揺らぐ光、散乱する色彩、溶けだす輪郭線。キャンバスに描かれた朧げな日々は、新たな意味を持ち合わせ、誰かのあのときへと繋がっていく。
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