東日本大震災 復興フォト&スケッチ展 2016
応募作品数:349点(フォト部門:326点/スケッチ部門:23点)
主催者:独立行政法人都市再生機構
【作品展のお知らせ】
このたび、みなさまからご応募頂いた作品の一部を作品展にてご紹介いたします。是非会場までお越しください。
●UR賃貸住宅 団地景観/東日本大震災 復興 フォト&スケッチ展
日時:2017年2月24日(金)~ 2月26日(日)10:00 ~ 21:00まで
場所:横浜ランドマークタワー ランドマークプラザ1F フェスティバルスクエア
●東日本大震災 復興フォト&スケッチ展2016
盛岡会場
日時:2017年3月9日(木) ~ 3月11日(土)10:00 ~ 17:00(最終日16:00まで)
場所:アイーナ いわて県民情報交流センター 4階県民プラザにて展示
仙台会場
日時:2017年3月10日(金) ~ 12日(日) 終日(初日11:00より・最終日17:00まで)
場所:AER(アエル) 2階アトリウムにて展示
福島会場
日時:2017年3月4日(土) ~ 3月8日(水)9:00 ~ 17:00(初日10:00より・最終日16:00まで)
場所:コラッセふくしま 1階アトリウムにて展示
復興の歩み大賞(フォト)
- 作品メッセージ
- あれから三年が過ぎた松島湾です。
この写真は、月明りに照らされた松島湾ですが、今までフォトコンへは投稿出来なかった写真です。
拡大をして見ると、小さな島の向こうに沢山の重機が写っております。
三年も経つのに、工事はまだ続いておりました。 月明りの風景写真に重機は必要ありません。
この光景は私の記憶に残し、何年か先に、この重機が無くなった頃に、あの時の記録としてアップするつもりでした・・・。
- 審査員コメント<大西 みつぐ氏>
- 記憶とは私たちの心にさまざまなイメージとして残されていくものです。それをなんらかの「かたち」として留めていくものが「写真」です。そしてそれらは「記録」として積み重なり、私たちの歴史を形成します。美しすぎる風景にズシリとした重みが感じられるのは作者だけではないでしょう。抑制の効いたトーンの中に見える光は、祈りや希望を表現し、私たちに深い思索を誘います。
復興の歩み大賞(スケッチ)
復興に流れる白滝~大槌風景~
鈴木 宣人(岩手県上閉伊郡大槌町)
- 作品メッセージ
- 大槌町のメインストリートを車で走っていると突然、奇妙な台地が出現した。
上の方では重機が山を切り崩している。その土がまるで白い滝のように下の方へ流れ落ちていた。
この土が新しい宅地を生み出しているのだろう。
この絵は、復興途中の街へのエールの意味を込めて、一瞬異様に感じた風景を大きな朝日で照らしてみた。
- 審査員コメント<池邊 このみ氏>
- 復興の進む被災地の造成地の周囲の自然地と対照的な重機を含む無機質な風景をシュールに捉えつつも、落ちる土を白滝の如く捉え、朝日の中で働く人々、被災地への思いが伝わる圧巻の作品です。
復興の歩み賞(大西みつぐ 選)
虹色の橋かかる(場所:宮城県本吉郡南三陸町)
遠藤正弘
- 作品メッセージ
- 寒くなった朝に日の出を撮ろうとして駄目でしたが、その帰りにたまたま通りかかると、元南三陸町防災庁舎に虹の橋がかかる光景を目の前に発見しました。何か防災庁舎から訴えるものがあると思いました。
刻々と新しい町に変貌し続けている南三陸町は未来に向けて、元防災庁舎から語り掛けていると思いました。
- 審査員コメント<大西 みつぐ氏>
- 虹の向こうになにがあるのかという「ファンタジー」もありますが、この虹は鎮魂でもあり、会いたい人を心に結びつける不思議な力を持っているのではないでしょうか。元防災庁舎の毅然とした佇まいと美しい虹が一体となり、また色合いもきれいに統一され、印象的な一枚になりました。ローアングルでの撮影と構図が見事です。
復興の歩み賞(千葉 学 選)
- 作品メッセージ
- 被災地陸前高田市の休日です。この日はブルドーザーもお休みです。
見上れば青空に白い雲。早く復興されることを願います。
- 審査員コメント<千葉 学氏>
- 瓦礫の撤去や大規模な造成工事を推し進める何基もの重機、こうした風景は、被災地においてはもはや日常の一部になってしまっているのでしょう。その現実はやるせないですが、この作品は工事が行われていない休日の重機を人に見立ててユーモラスに描いています。そこから滲み出る重機への労いの気持は、復興への前向きな姿勢を彷彿とさせ、素敵だと思いました。(千葉)
復興の歩み賞(なかだえり 選)
- 作品メッセージ
- いわき市の漁業はまだ試験操業の段階で大変厳しい状況にあります。
ただ市内にある水産高校はマグロ漁を海外での実習で行っております。
これはいわき市漁業の復活や明日を背負う子供達の未来のためにも明るいニュースです。
マグロの水揚げを笑顔で見る生徒たちに希望を見た思いです。
- 審査員コメント<なかだ えり氏>
- 大きなマグロに純粋に驚き喜んでいる笑顔が、とても清々しい作品です。原発事故の影響で今は自粛を余儀なくされている福島の水産業。未来につなげるという大きな役割を、若き高校生たちが担ってくれていることに心打たれます。不安や悩みも忘れるこのような瞬間が増え、日常を取り戻す日が来ることを願っています。
復興の歩み賞<池邊 このみ 選>
命の道に血が通う(場所:岩手県大船渡市)
大谷 桂太
- 作品メッセージ
- 三陸沿岸道の三陸、吉浜両ICを結ぶ吉浜道路が昨年平成27年11月、開通した。
峠越えの難所解消に至り、産業経済や救急、災害時対応など、各方面で気仙の「動脈」としての存在感を強めている。
日没後に行き交う車列の光。まるで血が通っているかのように映った。
- 審査員コメント<池邊 このみ氏>
- 雪明りにてらされた新しい道にを行く車の列、そこに気仙の「動脈」としての存在感を、強く脈打つ動脈という形でコメントを付した美しい作品です。新しい気仙の血流として大きく活躍して欲しいという作者や復興を願う人々の期待が込められていることがひしひと伝わってきて感動させられました。
復興の歩み賞(UR都市機構 選)
鳥居の先に見える景色(場所:宮城県石巻市)
久保安加莉
- 作品メッセージ
- 帰省する度に、ここからの景色を見に来ていた。
震災から5年経ち、談笑しながら景色を眺める人達を見かけ、本当に少しずつだが前に確実に進んでいるのだと感じた。
また、夕日を浴びる鳥居は、とても神秘的で、これからの復興の歩みを見守っているようにも思い、制作した。
- コメント
- UR都市機構の職員投票により最多得票を獲得した作品です。