結果発表
2016/10/11 10:30

第11回 大黒屋現代アート公募展

応募作品数:約380点
主催:株式会社板室観光ホテル大黒屋

大賞

rolling field
對木 裕里
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作品について
型取りの作業は、私ともののあいだに「間」を生みます。
型取りされ、別の物質に置き換えられることによって、粘土のかたまりは絶対的な場から、相対的な次元へと転換します。そこでは私も空間の登場人物となります。
ごろごろ転がったり、転がされたりすることで生まれる速度は、色彩に乗って空間へと流れ込みます。私は対象に興味があるのではなく、転がりながら開いていく次元の変化に興味があります。
物事の関係や立ち位置の変化そのものを包み込むための方法を探しています。
審査コメント
とってもユニークな造形感覚と色彩感覚を持ちながら、形を作り出すということのみに陥ることなく、制作過程における自己と作品との関係やそこに現れてくる空間に視点をむけているところがとても興味深い。それには客観的な思考だけではなく自己の身体感覚も必要で、今後の作品の進展の可能性が非常に楽しみです。(小山 登美夫/小山登美夫ギャラリー代表)

この作品は、風変わりな形にもかかわらず、突然現れたというより、ずっとそこにあったような親しみを憶えさせます。作家自身もそのステートメントで述べているように、モノとしての作品を作り出すのではなく、それが置かれることによって生まれたり、あるいは変化する「場」の創出に関心があることが示されています。そして、結果何かが生じるその場に作者の主張は背後に隠れ、この作品が自然にそこにあるかように存在させることに成功しています。(天野 太郎/横浜市民ギャラリーあざみ野 主席学芸員)

この公募展も当初は10年間は続けようと決心して早11回目を迎えました。今回大賞の對木さんも3回目の応募です。こうやって応募してくださる方々が大勢いらっしゃる限り20回30回と継続していこうと心新たにしました。現代美術家も世界に自己の作品を提示するための「才覚」が必要だと感じます。才能ある人達の作品がこの場で観られることの喜びとさらなる飛躍を期待します。(室井 俊二/板室温泉大黒屋 代表)

入賞

2と6のための装い
石川 かすみ
2と6のための装い
Overlap
谷 正也
Overlap
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