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結果発表
2016/09/07 10:00
Creative Hack Award 2015
映像・アニメ・動画
応募作品数:365点
主催者:WIRED(コンデナスト・ジャパン)
グランプリ
Fairy Lights in Femtoseconds
落合陽一
作品コメント
映像と物質という関係性をハックし、更新する。触覚ある映像は物質と区別がつかない。
フェムト秒(10の-15乗秒)の単位でプラズマを発火させ、空中に浮かせています。このプラズマという現象は、本来はとても危険なものです。しかし、フェムト秒程度の一瞬であれば、その触り心地を確かめられます。ここで我々が狙っているのは、通常のメディア装置の発想で視覚に属すると思われているような光を、触覚的に味わうことです。私たちは光には視覚が、音には聴覚が対応すると考えがちですが、それはテクノロジーが規定してきた条件に過ぎません。現代のテクノロジーは光が触覚を操ることを可能にしているのみならず我々の受容器の写像としてのメディア装置の存在を覆そうとしています。我々はこの作品によって映像と物質というパラダイムの間にあるもの、新たな魔法的表現によるハックを可能にしました。
審査員講評
いまぼくらがイマジネーションを介在化するときに、とても限られた方法でしかできていません。ぼくらの頭のなかにあるイメージはもっとマルチモーダルで、共感覚的なもの。これはおそらくマルチメディアの先にある世界を予兆させる作品というかメッセージのような気がしています。130年前にはまだ何もなかったことを考えると、今後新しい触覚のある映像が生まれてくるかもしない。そういうものを先駆けて見せてくれる落合さんにありがとうと言いたいです。(水口哲也)
1960~90年代の初めごろまで、一部の人しかアクセスできなかった世界にアーティスト自ら飛び込んでいき、コンピューターやプログラミング言語をつくり、やがてわたしたちの生活にコンピューターやスマートフォンというかたちで広まりました。でも最近、特に日本においては、そのようにないものをつくっていこうとするアーティストが減ってしまっている。落合さんがいまつくっているものが、新しいメディアとして何十年か後に社会にデプロイされるとき、どうわたしたちの日常を変えていくのか。その未来を楽しみにしています。(福原志保)
準グランプリ
Ethical Things
Matthieu Cherubini、Simone Rebaudengo
審査員講評
テクノロジーというものは、わたしたちの生活のなかに中立を装って入ってくるわけですけれども、それに対して「怪しむ」という気持ちをもつことも重要です。この作品はユーモアと少し皮肉も込めて、テクノロジーの背後にある人間の繊細な部分を表現していた。その点を評価しました。(クラウディア・クリストヴァン)
フィジカルとデジタルのオーケストレーションを試みているこの作品は、身体と心の定義といったことまで考えさせられるものです。悲しいことにテクノロジーの文脈においては、身体は心ほど成熟はしていません。この作品ではアナログで安価なファンが使用され、高度なアルゴリズムが組み込まれています。人工知能をテーマとして扱っていることは、重要なことだと思いますので、今後の制作においても、この問いは続けていってほしいです。(齋藤精一)
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