結果発表
2022/04/22 10:00

第44回 公募「写真新世紀」

応募作品数:2191名(組)
受賞作品数:7点(佳作を除く)
主催:キヤノン株式会社

グランプリ

THE LAKE
賀来庭辰
作品コメント
標高1000mを超える山々に囲まれた湖。
冬の3カ月間、湖を眺める部屋に滞在し、湖が凍ってから解けるまでを記録した。
風が吹くと海のように波を立て、雨が降ると霧が舞い込んでくる。
そして冬の最も寒い頃、徐々に湖は氷結していく。
湖が凍る夜、その場所には特別な音が鳴り渡る。
やがて湖が解けたとき、
「それはそこにかつてあった、が、確かにそこにまだある」という感覚を覚える。
私はただ自然の生活(変化)を見つめ続けることに身を任せることにした。

本作は、日記のようであり、写真のアルバムのようでもある。
幾度も湖の周りを歩き、時に石を投げ、舟を漕ぐ。
それは、3カ月にわたる湖と私との言葉なき対話でもある。
ただそこに境目などはなく、すべては見る人にひらかれている。
受賞コメント
今この場所に立てることを非常に嬉しく思っています。僕がこの作品でグランプリを獲るためにずっと支えてくれた友人や大切な人たちがいて、そのような方々に恩返しができたかなと思っています。写真新世紀2017年度で佳作をいただいて、また今回優秀賞をいただいたことで非常に救われました。写真新世紀がなくなってしまうことを聞いたときは本当に驚いて、悲しい気持ちになりました。この写真新世紀が忘れられないように、作家である僕たちが頑張らなくてはいけないと思っています。また、両親とは隔たりがありますが、今回グランプリを受賞したことはしっかり伝えたいと思います。本日会場に来ていただいた皆様、審査員の皆様、本当にありがとうございました。
審査コメント(一部抜粋)
グランプリを受賞された賀来さん、本当におめでとうございます。アナログ写真のコンクールとして始まった写真新世紀の最後で動画作品が受賞したことは非常に象徴的で、写真の概念や撮影技術がここまで変化してきたことの表れだと思います。先ほど賀来さんがおっしゃっていた2017年の佳作受賞時はご自身のルーツをたどった作品であり、今回は私小説の作家が傷を癒しに湖へやってきたというような、非常によくできたフィクションでした。これから映像作家や写真家としてまったく別の作品を作っていく可能性を感じ、グランプリに選出しました。(清水 穣)

優秀賞

OS
千賀健史
OS
Slaghuis II
テンビンコシ・ラチュワヨ
Slaghuis II
やさしい沼
中野泰輔
やさしい沼
もしもといつも
光岡幸一
もしもといつも
Watching A Tree Disappear
ロバート・ザオ・レンフイ
Watching A Tree Disappear
河はすべて知っている ─ 荒川
宛 超凡
河はすべて知っている ─ 荒川
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