結果発表
2021/12/14 10:00

第21回 学生限定 立体アートコンペティション AAC 2021《学生限定》

応募作品数:107点
受賞作品数:10点(受賞3点、入選7点)
主催:株式会社アーバネットコーポレーション

最優秀賞

Power of Flower
隗 楠(京都市立芸術大学大学院 美術研究科 漆工領域)
Power of Flowera
受賞コメント
この度は、最優秀賞をいただき、大変光栄に思っております。誠にありがとうございました。
今回の作品は、革を用いて漆制作を展開して以来、初めて挑戦した大きなサイズのものでしたが、審査員の方々に高い評価をいただけことは本当に嬉しく思っています。自分の努力した作品がよい結果を得られたことは、今まで継続してきた自身の制作が世に認められたのだと考えています。
今回最優秀賞をいただいたことはこれからの制作活動、そして人生の中でも重要なスタートになりました。今後の制作活動の糧にしていきたいと思います。
審査コメント
隗楠さんの作品は鹿革が孕んでいる自然な形を、漆を塗ることで固定した作品です。外側を黒色で直線的な形とし、内側を赤色で優しい有機的な形にした、中外で対比的な性格をもった、魅力的かつ大胆な、また大変な技術を要する作品です。
作品が置かれるマンションは、環七と川越街道の立体交差点の側という、かなりハードな環境にあり、作品にはそれに負けず、その環境に拮抗する力が必要だと、今日、現地で感じたのですが、この作品は、他の2作品と比べてかなり大きく、そこから外に向かって放たれ、流れ出る力を感じさせ、そんな期待に十分に応えられていました。
建物に入る前、ガラス越しに見えるところから始まって、エントランスに入って通り過ぎ、エレベータ前に至るまで、この作品は姿を大きく変え、その変化も楽しく、ここに住む人々に元気を与えてくれることでしょう。そうしたところから、この街のなかに、この建築のこの場所に置かれるべき作品として、隗さんの作品がもっともふさわしいと、審査員一同、一致した意見であり、満場一致で最優秀賞に決定いたしました。(青木淳)

私は漆の素材であのような状態になっているものを見たことがなかったので、最初に見たときに初めての感覚を抱きました。最初の直感や思いつきというものが、最後の形になるまで落とし込まれていて、その作品も広がりがあり、その直感の部分をどんどん広げていって大きな可能性というものに繋がっていくようなダイナミックな感覚を感じました。すごく圧倒的なクオリティを持っている作品でした。(荒神明香)

優秀賞

さんすいの間
袁 方洲(東京藝術大学大学院 美術研究科 工芸専攻)
さんすいの間
受賞コメント
今回は初めてマンションのエントランスホールという特別な空間のために作品を制作しました。制作の途中にはさまざまな困難がありましたが、それを乗り越えて、作品を完成させることができました。完成した作品は自身の作風を活かしつつ、表現したいものになったと思っています。
今後も、自身のガラス作品が公共空間で展示される機会をもっと増やすことができるよう、今回得た経験を生かして制作活動を頑張っていきたいと思っています。
審査コメント
袁さんは黒いガラスと透明なガラスを組み合わせた山のような立体を提案して作られています。このマンションが建つ「ときわ台」という町は田園調布のような放射状に作られていますし、その放射状のパターンは、エントランスホールの床や天井に使われています。袁さんの作品は、その求心的なパターンの中心に、いわば凝縮点として置かれることを意識したもので、実際に置かれた姿を拝見して、すぐれた選択と感じました。(青木 淳)

ガラスの素材の有機性と無機性の拮抗というものを作品自身から引き出しているという面白さを感じさせてくれる作品でした。(南川憲二)
蜃気回層
山口聡士(東京工業大学大学院 環境・社会理工学院 建築学系建築学コース)
蜃気回層
受賞コメント
この度は、栄誉ある賞をいただき、誠にありがとうございます。イメージを形に変えることの難しさを改めて痛感しました。同年代で創作活動をしている方々と話せたことも大変刺激になりました。
本当にとても貴重な体験をさせていただき、感謝申し上げます。
審査コメント
マンションのエントランスホールの中で、分からないもの、認識できないもの、というのをテーマにしてるのがとても興味深く、やろうとしてることはとても面白いと思いました。制作過程で、技術的に壁があったかもしれませんが、そのテーマ設定や思っていることは面白いので、今後も諦めずにそのテーマに突き進んで行って欲しいと思います。(荒神明香)

頭の良さを感じる作品でした。理知的な感じであり、基本的な図形、基本的な形の中に、永遠のようなものを感じることができる作品でした。(小山登美夫)
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