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JDN カレンダーデザインアワード 2009・審査について
審査会の様子 審査会の様子 審査会の様子
JDNメンバーによる審査会の様子

■ 総評

今年の応募者は、例年と同じく、イラストレーター、デザイナー、デザイン学校の 学生といった若手応募者が大半であった。カレンダーコンペのコンセプトは、若手の 登竜門との位置づけを持ち、活躍の場を求めるクリエィターの弾みとなることが目的 である。そういった意味では、応募者のレベルや属性は、非常に好ましく、カレン ダーコンペの趣旨どおりである。

応募作品は、コンピュータグラフィックスから、水彩、油彩、色鉛筆、などアート を意識した作品から、デザインを意識した作品まで様々でした。また、技法などのテ クニックを意識した作品も中にはあり、作品性も高く感じられた。

一方では、カレンダーコンペの趣旨やコンセプトを汲み取っている作品が少なく、 カレンダーコンペのコンセプトをうまく生かせてない作品が多いと感じた。
作品を作る上で、テーマやコンセプトを明確に設定し、そこにアイディアを盛り込む と、見るものを引きつける作品となる。そういった意味で、カレンダーコンペのカレ ンダーというメディアの特性を考慮に入れると、日本の四季を生かしたり、その年の 干支を活用したり、時代の流れをうまくつかんだり、そういったコンセプトが作品に 深みを与えることが考えられる。今後はそのような作品を期待する。

また、最終媒体がカレンダーだからといってグラフィックに終始するのではなく、 写真や立体、書道など、あらゆるジャンルの方々からの応募を今後も期待する。
カレンダーという媒体の枠組みを取っ払って、ぜひとも応募をお願いしたい。

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■ 審査員からコメント


表紙 「Ambition」 :
今にも動き出しそうな掠同感溢れる牛の絵、飾っているだけで来年の運気をUPさせてくれそうな力強さを与えてくれます。表紙にふさわしい作品になっていますね。





1月 「赤富士」 :
真赤に燃える初日の出が富士の峰を赤く染め、「富嶽三十六景」を連想させる構図でバシっと決めてきた1枚。「元旦!」と思わず漏れてしまう作品です。





2月 「Snowbound」 :
平面でありながら、奥深くまで世界が広がっているような、立体的な印象を与 え、シンプルなモチーフと構成により、コンセプトをより強調させているところ が、見る側にストレートに伝わってきます。 カレンダーを飾ったお部屋が、冬の雰囲気を演出しそうですね。





3月 「いぬいぬいぬ」 :
口を開けて行進を続けるカラフルなイヌたち。来るべく新しい月が楽しくエキサイティングな月になる予感を感じさせてくれます。一匹一匹をクローズアップしてみても微妙に表情が違っていて、見ていて飽きません。どこか北欧を感じさせる色使いも部屋に飾ってみたくさせます。欲をいえば、一匹だけ逆を向いている、的な「ハズシ」があると個人的にはもっと良かったです。





4月 「リズム」 :
眺めていると春の訪れを感じさせる、そんなワクワクするメロディーが聞こえてきそうです。この楽譜を弾いたらどんなメロディーになるのでしょう?





5月 「緑の夢」 :
爽やかな風が吹いてきそうな大樹の下に、夢の中から出て来た様なキリンの群れ。希望に満ちた大樹のシンプルな表現と、個性豊かなキリンのコラージュとの対比が、どこか切なさを感じさせる。見ていると、思わずぼっーとどこか遠くの世界に思いを馳せてしまう詩的な情景だ。





6月 「Flow-er」 :
水を感じられる作品、紫陽花のような印象を受け、雨の多くなる6月にぴったりだと思いました。PCで描くことを完結している方が多い中、この作品のように、手描きの暖かい作品は、やはり良いと思っています。





7月 「天の川」 :
一年に一度だけ逢うことを許された夜。再会を願い仕事に励む二人は、現代社会のオフィスワーカーとシンクロします。私たちは何を願い仕事に励んでいるのか…。考えさせられますね。





8月 「フラミンゴ」 :
フラミンゴから女性的なスタイルを表現したアイデアがとても面白いと思いました。確かに、細長く綺麗に伸びた足、滑らかな曲線を描く首など、見れば見るほど女性的な動物なんだなぁと思いました。色も鮮やかですが、決して派手ではなく、涼しげで良いですね。





9月 「月歩」 :
月が移り変わる様子を幻想的に表現しています。まるで、ひとつの短い物語を観ているようです。色を一切使わない、モノクロの静かな世界。白い月は、白を超えて銀色に輝いてさえ見えます。月はもちろんのこと、月を映し出す地面、月から漏れた光の塊などが、味わいを深めています。このモチーフは、少し間違えると教科書に出てくるような図版風にまとまり、つまらなくなってしまいがちですが、デジタルではなく、アナログに仕上げていることで、成功していると思いました。作者の感性の良さを感じます。9月は、月を観て楽しむ季節でもあります。この作品が、そんなことを思い出させてくれるキッカケになればと思います。





10月 「knock the door」 :
すごく明るい配色で、「CAN YOU KNOK THE DOOR」という言葉通り、新しい世界への扉を開けることが出来るような力強さが伝わってきます。キリンがかわいいですね。





11月 「馬」 :
円のみで描くことによって、馬の持ってる力強さと、繊細さがうまく表現できているのではないでしょうか。このような表現方法があったかと、驚かされました。また、馬の胴体を描かず、円で終わっている、空間の余白が、とても心地良い作品だと思いました。





12月 「THE KINGDOM」 :
ツートンカラー、気球と月、昼なのか夜なのか、まるでおとぎの国に迷い込んでしまったような不思議な世界感。見ていると一年を締めくくるお祭りが行われているかのように感じられます。明と暗が同時に介在する世界が見る者の想像力をかきたてます。






 

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