【結果速報】JFAファーデザインコンテスト2019、グランプリは自然の力強さを表したコート
11月20日、東京・銀座の時事通信ホールにて、毛皮を利用したファッションのコンテスト「JFAファーデザインコンテスト2019」の最終審査会が開催され、各賞の発表が行われた。
同コンテストは、日本毛皮協会(JAPAN FUR ASSOCIATION 以下、JFA)が主催し、香港やコペンハーゲンなど世界各地の毛皮産業団体・企業が協賛して開催されている。18回目を迎える今年は、テーマを「活かそう自然からの贈り物」としてデザイン画を募集。全国40の服飾専門学校や大学生、一般の方から合計2,413点の応募があった。
一次審査を通過した16点は応募者と職人により作品化し、最終審査会は作品をモデルが着用してランウェイを歩く、ファッションショー形式で行われた。
グランプリは吉田千尋さんの、植物の姿をモチーフにして自然の美しさや躍動感、力強さを表現した作品。吉田さんは名古屋モード学園4年生で、これまで数度同コンテストに応募していたが、最終審査に進んだのはこれが初めてとのことだ。コンテスト委員長を務めたJFA理事の塚本喜左衛門さんによると、断トツの全会一致で選ばれたという。
吉田さんには賞金50万円と、デンマーク・コペンハーゲンにある毛皮専門機関「サガデザインセンター」研修旅行、2020年の香港インターナショナルファー&ファッションフェア招待が贈られた。
ほか、優秀賞は齋野真央さん(宮城文化服装専門学校)による弱肉強食をメルヘンに表現した作品、コペンハーゲンファー賞には唯野礼菜さん(東京モード学園)による草原を風が駆け抜ける様をモチーフにした作品、サガファー賞には杉本知春さん(一般)の、特殊作業服をベースにメッセージ性をもたせた作品、HKFF賞は水野巧さん(名古屋モード学園)のデザイン作品が、それぞれ選ばれた。
審査員講評で、スタイリストで審査委員長の馬場圭介さんは「毎年審査を楽しみにしているが、今年はびっくりするほど出来栄えが良かった。特にグランプリは気品があって、たとえばレディー・ガガが着たらとてもかっこいいんじゃないか。また、メーカーの努力と熱意にも感服した」、ヒステリックグラマー・デザイナーの北村信彦さんは「毛皮の持つ古典的な価値観は排除して、ニュートラルで斬新なアイデアを基準に選んだ」と今回のコンテストを振り返った。
これらの受賞作品は、国際毛皮連盟が主催する国際毛皮コンペティション、国際毛皮連盟アジア地区主催の国際毛皮コンペティションと、2つの国際コンペにエントリーされる予定だ。
取材・文・撮影:猪瀬香織(JDN)