【結果発表】痴漢抑止バッジデザインコンテスト2018授賞式 最優秀賞は誰の手に?
電車などでの痴漢をとどまらせるツール「痴漢抑止バッジ」のデザインを募った学生向けコンペ「痴漢抑止バッジデザインコンテスト2018」。12月8日(土)に東京・六本木の東京ミッドタウン内で授賞式が開催された。
同コンテストは、女子中高生が抵抗なく身に着けられ、かつ加害者が痴漢行為を自制したくなる缶バッジのデザインを学生に募集したもの。2015年にクラウドファウンディングとして行われたのが最初で、今年で4回目を迎える。731点の応募があり、153名の中高生が参加した2次審査を経て入選12作品が選出。Webや展示会場での一般投票を経て最終審査が行われ、受賞作が決定した。
最優秀賞は可愛さと抑止力を同時に実現
731点の中から最優秀賞に輝いたのは、東洋美術学校夜間部に通う山本千春さんの作品「見てるぞ、捕まえるぞ」。抑止力の高い警察官を描きつつ、女子高生が付けやいようにシュールなポージングやゆるい表情で可愛さを出したとのことだ。
最優秀賞「見てるぞ、捕まえるぞ」山本千春さん作
山本さんは、自身が痴漢被害にあったときに恥ずかしくて声を上げられなかったり、あるいは上げても加害者に反省の色がなかった経験を踏まえてデザインしたとのこと。「犯人は痴漢が悪いことだと思っていないので、捕まえるより防止する方が効果的なのかなと思う。バッジが広まってくれたら嬉しい」と話す。
審査員でイラストレーターのキタイミコトさんは「痴漢抑止バッジは、実はデザイナーにとって難しい課題です。小さな缶バッジの中で『女性がつけたくなる』『痴漢が実行を思いとどまる』を両立させ、かつ『ロゴ』『キャッチコピー2点』とたくさんの要素を入れるので。受賞作は文字の読みやすさ、デザインが整っているうえに、個性的なポージングで女子高校生がつけやすそう。よくまとめてくださいました」と評した。
ほか優秀賞2点、審査員特別賞2点が授与。今回はさらに、当初予定のなかった「Osaka Metro 日本橋管区駅賞」が追加され表彰された。同賞は、Osaka Metro(大阪メトロ)の日本橋駅長が痴漢抑止活動に共感したことが契機となって設定された。駅長はこの作品を選んだ理由として「駅員が乗客を見守る視線が表現されている」とコメントを寄せた。
Osaka Metro 日本橋管区駅賞「ピュア・アイズ」Takenaka Yusukeさん作
授賞式には最優秀賞の山本さんのほか、優秀賞を受賞した沖縄県立芸術大学のTAiGAさん、「Osaka Metro 日本橋管区駅賞」受賞の町田・デザイン専門学校のTakenaka Yusukeさん、入賞となった町田・デザイン専門学校の木村明日香さんが参加し、試作品の痴漢抑止バッジを手にした。
受賞6作品は来年3月に商品化。5作品はオンラインショップや私鉄キオスクなどで発売され、「Osaka Metro 日本橋管区駅賞」受賞作は同地下鉄の駅構内にあるローソン限定商品となる予定だ。
痴漢抑止活動センター公式ホームページ
http://scb.jpn.org/contest/2018/