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2018/06/15 11:35

【イベント】アニメ原画や最新技術がズラリ 「メディア芸術祭受賞作品展」開催中

第21回メディア芸術祭 受賞作品展(国立新美術館)

6月13日から24日まで、東京・六本木の国立新美術館で「第21回文化庁メディア芸術祭 受賞作品展」が開催中だ。アート・エンターテインメント・アニメーション・マンガの4部門の受賞作品170点以上と、日本のメディアアートを確立してきた方に贈られる功労賞の功績が一挙に展示されている。開幕前日の6月12日には内覧会も開かれ、「登竜門」編集部も熱気あふれる会場の様子を取材してきた。

同芸術祭は文化庁主催のもと、優れたメディアアート作品を顕彰するとともに、受賞作品の鑑賞機会を提供するメディア芸術の総合フェスティバル。1997年から開催されており、今年は世界98の国と地域の4192作品から受賞作品が選出された。

受賞作品展は、6月24日まで東京・六本木の国立新美術館を中心に開催される。同展のポイントは2つ。

ポイント1 膨大な設定資料の展示!構想が作品になる過程が見える

まずひとつは、制作前のスケッチや設定資料などの展示が豊富で、クリエイターが構想をかたちにするまでに何を考え、何をどのようにつくってきたか、その過程がつぶさにわかることだ。各作品のファンはもちろん、「登竜門」読者をはじめ“なにか”を作ろうとするすべての人の参考になるだろう。

アニメーション部門大賞を「夜明け告げるルーのうた」とともに受賞した「この世界の片隅に」

アニメーション部門大賞を「夜明け告げるルーのうた」とともに受賞した「この世界の片隅に」。ブースでは原画のほか、調査資料、ラフスケッチ、「主人公すずの一日の家事スケジュール」といった、映画に直接登場しなかった設定も大量に展示されている

第21回メディア芸術祭 アニメーション部門大賞「この世界の片隅に」の片渕須直監督

「この世界の片隅に」の片渕須直監督。どこかの街ではなく広島にかつて実在した”この街“を描くため、そこに生きたキャラクターを理解するために作った資料やスケッチは膨大な量になるという。

第21回メディア芸術祭 マンガ部門優秀賞「ニュクスの角灯(ランタン)」

マンガ部門優秀賞「ニュクスの角灯(ランタン)」。やはり原画や設定資料がずらりと並び、圧巻だ。会期中は表参道ヒルズで連動展示も開催される。写真右は作者の高浜寛さん

ポイント2 体験型作品で“時代(いま)”を体感

もうひとつのポイントは、現代社会をとりまくシステムや最先端の技術を体験できる展示が、今年は特に多いこと。アート部門では、インターネット、メモリー、アルゴリズムといったものを解釈した展示に触れられる。エンターテインメント部門ではAI、VR、ニューラルネットワークといった最先端の技術そのものを最大限に駆使したゲームやガジェットの展示が多数。同祭のキャッチコピー「“時代(いま)”を映す」の言葉通り、芸術を媒介にして、時代を構成するテクノロジーを体感できる。

エンターテインメント部門・大賞のゲーム作品「人喰いの大鷲トリコ」展示

エンターテインメント部門・大賞のゲーム作品「人喰いの大鷲トリコ」。会場では大きなトリコが来場者を迎える。手前は内覧会で解説する、開発チーム代表の上田さん

エンターテインメント部門の新人賞「Dust」(マーリア・ユードヴァー/アンドレイ・ボレラフスキー、スロバキア)

エンターテインメント部門の新人賞「Dust」はVR技術を用いた空間表現。ヘッドセットを装着すると、視野が線と粒子で描画され、目前に線描のダンサーが出現。一般的なVRの没入感とは違い、いま自分がいる世界が溶解して別次元に変わる感覚を味わえる。

アート部門優秀賞「アバターズ」(菅野創/やんツー)

アート部門優秀賞「アバターズ」。展示ブースに置かれているものにカメラや小型コンピューターなどが組み込まれ、インターネットに接続されている。来場者は鑑賞者でもあり、インターネットごしの鑑賞対象にもなりうる。両者がインターネット越しにコミュニケーションを取ることも可能。写真右は作者の菅野創さん、やんツーさん

まだまだ紹介したい作品が尽きない。内覧会で取材した展示の一部は「登竜門」Facebookでも紹介しているが、できればぜひ会場でメディア芸術の“いま”を体感して欲しい。期間中は、鑑賞ツアーやワークショップも実施される予定だ。

開催概要

期間:2018年6月13日~6月24日
会場:国立新美術館 (東京都港区六本木7-22-2)ほか
入場料:無料
※国立新美術館での展示時間:10:00~18:00(金・土は20:00まで/入場は閉館30分前まで、6月19日は休館日)

公式ホームページ
http://festival.j-mediaarts.jp/exhibit/outline/

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