【結果速報】第16回 「ART MEETS ARCHITECTURE COMPETITION 2016」、最終審査に挑む3作品が決定
第16回「ART MEETS ARCHITECTURE COMPETITION(AAC)2016」の最終審査に挑む3作品が発表された。
株式会社アーバネットコーポレーションは、2016年5月2日から7月7日まで「AAC 2016」として、「(仮)蔵前Ⅱプロジェクト」のエントランスホールに展示する立体アート作品を全国の美術を学ぶ学生から募集。応募総数は62作品、応募者数は57名であった。一次審査を7月20日に開催し、1点1点厳正なる審査のもと、最終審査にすすむ入賞3作品、ならびに入選9作品が決定した。
一次審査を通過した入賞3作品には、制作補助金として20万円と搬出入費が支給される。10月18日の最終審査では 「(仮)蔵前Ⅱプロジェクト」のマンションに作品を持参し、その場に仮設置をした上で審査を行い、最優秀作品を決定。入賞3作品は以下のとおり。
「GEMME」/古川千夏(広島市立大学大学院)
【コンセプト】
モチーフとしている菊の模様は、高貴なイメージもありますが、愛情や真実、信頼などの意味もあり、昔から親しまれている模様の一つでもあるので、人が行き交う公共の場としてふさわしいと思い、モチーフに選びました。今作は有線七宝技法を用いて制作しますが、一般的な有線七宝技法とは異なる工程で、研磨をなくし、銀線を突出させる、という表現方法で制作します。銀線、銀箔、釉薬がそれぞれ違った輝きを放ち、見る角度や光の加減によって、作品の表情も変化してみえます。宝石のように輝きを放ち、人と人が繋がりをもつことで、生活に輝きが増すように、という思いを込めました。
【入賞者コメント】
この度は入賞作品に選んでいただき、 誠にありがとうございます。以前から作ってみたいと思っていた作品だったので、実制作の機会をいただき、本当に嬉しいです。これから理想の作品ができるよう、制作に励んでいきます。
「Corona」/中尾俊祐(国立大学法人 和歌山大学)
【コンセプト】
マンションエントランスの役割として「出迎え」の役割と「見送り」の役割が重要であると考えました。帰ってくるマンションの住人に癒しを与えることを「柔」、これから出かける住人へモチベーションをあげる活力を与えることを「剛」ととらえ「柔と剛」のオブジェクトを表現しました。メタリック調のスプライン曲線は太陽の周りに見えるコロナをあらわしています。コロナの2つの特性、普段は見ることができないが日食などの超自然的条件下でのみ美しい姿を現すという神秘性、産まれ元の太陽表面の温度の400倍の高熱を放つ力強さという点から今回のオブジェのモチーフとしてふさわしいと感じました。
【入賞者コメント】
入賞作品に選出していただき、ありがとうございます。 実際に自分のデザインしたものが作られる経験をさせていただける貴重な場なので、これを糧に 学生としての能力をひとつ上に押し上げられるよう取り組みたいと思います。安全で且つ壊れにくいオブジェを作るという難しさと、提案作品が持つシャープさと曲線の審美性をどのように実現するかという難しさをクリアしていけるように頑張りたいと思います。
「朝の輝き」/堀田光彦(東京藝術大学大学院)
【コンセプト】
台東区に設置されるという事で、台東区の花である朝顔をモチーフに選んだ。朝顔は江戸時代に御徒町や入谷で広く栽培され庶民に親しまれてきた花である。台東区では7月に朝顔まつりが開かれ今も人々に親しまれている。また朝顔にはどこか懐かしさを想わせる美しさがある。朝顔の花言葉は「愛情」や「固い絆」「はかない恋」などであり私はこの花とその花言葉をモチーフとしたこの作品を通して、マンションに住む人達の心を癒したいと思っている。丸く円を描く葉や蔓は人々の繋がりや絆を表し、花の青色には気持ちを落ち着かせる効果があると言われている。ここに住むであろう若い住居者の方の気持ちに寄り添えるような作品にしたいと思っている。
【入賞者コメント】
この度は入賞及び実制作の機会を頂き誠にありがとうございます。エントランスというパブリックな空間と、マンションを行き来する方々を心に留めながら制作します。作品からふと何かを感じて頂き、日々の生活がより豊かになって頂けるよう励みたいと思います。