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応募件数を予測するには?実績データで見る傾向と目安

弊社で運営を担当したコンテストの応募実績から、日別の応募件数をグラフ化してみました。

ここで取り上げている3つのコンテストは全てWeb上の専用フォームからデータで提出する応募方法です。郵送の日数を考慮する必要がなく、締切時刻ギリギリまで応募ができます。

コンテストA
カテゴリー:プロダクトデザイン
応募期間:約2か月
応募総数:約1300件
概要:著名な審査員や高額賞金、受賞作の商品化などで毎年注目度の高いコンテスト

コンテストAの日別応募数の円グラフ(締切当日の応募が43%)

 

コンテストB
カテゴリー:アイデア(スペースデザイン系)
応募期間:約3か月
応募総数:約250件
概要:2回目の開催となるコンテスト。アイデアベースの応募が可能で、学生からの応募も多い。

コンテストBの日別応募数の円グラフ(締切当日の応募が58%)

 

コンテストC
カテゴリー:イラスト
応募期間:約2か月半
応募総数:約1000件
概要:複数カ国を対象にした、既存キャラクターのイラストを描くコンテスト。

コンテストCの日別応募数の円グラフ(締切当日の応募が29%)

 

応募のほとんどは締切直前、特に締切当日に集中します。

夏休みの宿題を8月末に焦ってやることが多いように、締切が迫ると応募件数が急増します。そのため、[受付開始初日の応募件数]×[締切までの残り日数]という掛け算での予想はできません。締切まで数週間ある段階では最終的な件数の予想が難しいです。そして締切直前の件数集中は確約できるものではありません。コンテストの周知活動をおこない、興味を持ってもらうことがまずは大切です。

コンテストに興味を持ってくれている人数や属性を大まかに把握する一つの方法として、事前エントリーの導入があります。
例として、応募者が事前エントリーフォームに登録すると、自動返信メールでエントリー番号を通知し、応募時にそのエントリー番号入力を必須にするというものです。

コンテストAでは、応募前の事前エントリーを導入しています。

下記はコンテストAにおける事前エントリーと応募件数の日別グラフです。締切の一週間前には事前エントリーは約1000件にのぼっていました。(コンテストAでは応募開始1か月前から事前エントリーを開始していました)

コンテストAの事前エントリーと応募の件数推移を比較した棒グラフ

事前エントリー件数は約1770件、応募件数が約1300件だったので、エントリーから応募への遷移率は約70%でした。コンテストによって、この遷移率は異なります。

事前エントリーを導入すると、締切前にエントリー者へリマインドメールを発信して応募を促すという施策も可能になります。

年間で複数のコンテストに挑戦する応募者も多いため、締切日を忘れてしまっている場合もあります。SNSやメールなどで締切直前のリマインドをかけることは効果的でしょう。

以前のコラムで9月締切のコンテストが多いことを取り上げました。ご興味ありましたら、こちらも併せてお読みください。

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