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コンテストやデザイン・アートに関わることを、ゆるりと更新します

コンテストの応募数増加策(1)-魅力の設計

コンテストを始めたい、これまで実施してきたコンテストの応募数をさらに増やしたいという方に向けて、以前に運営していたコンテスト「公募ラボ」の研究発表をベースに、本サイトの「コンテスト実務:作り方」を少し深掘りして、数回に分けてお話させて頂きます。
今回はコンテストの応募数の増やし方についてです。

コンテストを開催する目的は様々ですが、共通する課題は「いかに多くの応募数を獲得するか」でしょう。

結論から申し上げると、「コンテスト自体の魅力」×「告知」の結果が、応募数や登録数、アクセス数という結果を左右すると考えています。
コンテスト自体の魅力がいかに素晴らしくても告知が適切になされなければ、応募数にはつながりません。そしてコンテスト自体の魅力が乏しい場合は、いくら告知に力を入れたところで結果を出すのは難しいでしょう。
言うまでもなく、まずはコンテスト自体の魅力をしっかりと作ることが大事です。

コンテスト自体の魅力とは?

Contest irohaでは、コンテスト自体の魅力を構成する要素として以下の7つを設定しています。
a:賞金・賞品
b:提出までの期限
c:制作の難易度
d:受賞後の扱い(商品化、展示等のパブリシティ)
e:公募の知名度・ブランド
f:審査員
g:主催者

これらの総合力でコンテスト自体の魅力が形成されます。
では、これらの重要度はというと、あくまでも目安なのですが、前述の要素を次の方程式として表現しています。

コンテストの魅力 = 3a+2.5b+2c+d+0.5e+0.5f+0.3g

係数は、コンテスト情報サイト「登竜門」が実施した読者調査の設問「応募時に重視する項目は何ですか?」への回答を元に設定しました。いただいた複数回答を、多い順に要素を並べています。中央値となった回答項目「受賞後の扱い」を 1と設定し、3倍の回答数を得た「賞金・賞品」を3としています。
支配的な要素とみることができる「受賞後の扱い」と「賞金・賞品」はインセンティブ、「提出までの期限」と「制作の難易度」は実際に応募する際のハードルと言い換えられます。

「インセンティブは高く、ハードルは低ければよいのか。そんなの当たり前ではないか?」
そう思われるかも知れませんが、それぞれに適度な設定というものがあります。どの程度が適度か?というのは、
・主催者様が求めるもの
・コンテストの目的
・総体の予算
によって変わってくるでしょう。

賞金の設定の参考として、「コンテスト白書」にジャンルごとの平均賞金額などの調査結果をまとめてありますので、是非ご活用ください。