今までの登竜門のブランドイメージを保ちながらも変化し続ける気持ちをどう表現するか。また登竜門という言葉のもつ意味の明快さとどう取り組み、どこを変化させるか。いろいろな意味で難しいコンペだったと思います。
そのためか、良くも悪くも折り目正しく表現している作品が多く、飛び抜けた作品があまり無かったのが残念でした。表現に意味を込めるというデザインの仕事の難しさがここにありますが、コンペを取りにいく!感が強いなと。一か八かで大胆に取り組んだ作品ももっと見てみたかった思いです。そのような意味では学生賞のカタカナでのデザインは、完成度はともかくナイストライでしたね。
私が審査で重視したのは、初見の瞬間のアイキャッチ性があるか、登竜門という世界観、ストーリーが語られているか、という2点でした。最終に残った作品はこうした点をクリアしたものが多くありました。プロの方は経験上、押えの利いた作品を作られていましたが、学生さんのものの中にもプロと肩を並べるようなものもありました。今後も冒頭のようなロゴの効果、力を持った若手の作品が沢山作られることを期待します。
1000点近くの応募があり、JDN(登竜門)に対する関心の高さが窺えた。赤の使用、漢字3文字を基本とする規程が足かせとなったのか、類似した作品が多く、独創的でずば抜けた作品が無かったのは残念だった。その中では、比較的個性的で印象が強い作品が選ばれた。
984点ものご応募に心より感謝しています。金赤、漢字を使うなどは、審査基準を守る作品が圧倒的に多い中で、ローマ字表記やカタカナなどユニークに挑戦する作品もあり、審査する立場として全てを真摯に受け止め考察した。中国や、登る、竜、門、などのイメージが、発想から図柄になると具体的には同じ結果に着地するように感じられた。楽しい発想の作品も多く、クリエイティブを応援しコンテスト主催者とつなぎ未来を想像する作品も見られた。
文字については、漢字を使ったものが圧倒的に多かった。その他のモチーフでは、竜、門、鯉といった登竜門からの連想と、ステップアップを想起させる階段や矢印、王冠などで受賞の表現など。どうしても幾つかの着眼点・表現にまとまっており、頭一つ抜けた作品というものが、最初は見つけられなかった。数は多いのだが小ぢんまりした印象だ。審査規準に照らして吟味を重ねた結果、独自性や完成度といった面で評価できる5作品を選出することができた。