募 集 終 了
毎年豪華ゲスト陣を審査員に迎えているザッカデザイン画コンペティション。
第24回コンペの5人のゲスト審査員から応募者への応援メッセージを紹介いたします。
(株)ユナイテッドアローズ UA本部 クリエイティブディレクター
UA本部クリエイティブディレクターとして、顧客に感動を与えるような素晴らしいクリエイションを探求し続けている。
大賞を受賞された独創的で美しいデザインの猪股さんのWATERと並び、私が今回着目したのは以下の2点。生活の中の有りきたりなものに着目した神山さんのsuper market bagと、クラシックなマスターピースを題材にしたCHRISTOPHER HANCYさんの“Space Cowboy”bootsの発想は、既成のものから新しいデザインと価値観を生み出すという点で共通したクリエイティビティが感じられました。表層的なデザインのみに陥りがちなコンペの中で、ひときわ評価したい作品です。例年同様に多数の作品の応募がありましたが、残念ながら大半はドローイングの質が稚拙でした。デザイナー、クリエイターを志すのであれば、デザイン画などを通して自分の意思を反映することは必須になります。上手くなくても良いです。一生懸命に描くことです。プレゼンボードは、相手に自分の思いを伝えるための言葉に変わるコミュニケーションツールです。頑張ってください。
アーティスト (株)ヒロコレッジ代表取締役
東京藝術大学大学院にて博士号(美術)を取得。円と直線のみで表現される図柄を特徴とし、プロジェクト「HIROCOLEDGE」をはじめ、ジャンルの垣根を越えた幅広い表現活動を行う。
ものの表面には見えてこない部分に、どれだけ心血を注げるかが、そのものの存在意義を大きく左右すると考えます。ぜひ、様々なことに意識を巡らせて、使い手にも作り手にも影響を与えるようなデザインをしてください。これからの世代の新しい感性から生み出されるものやことを楽しみにしています。
(株)小学館 ライフスタイル誌編集局 通販事業室室長 休日研究所所長
『DIME』『BE-PAL』『サライ』の雑誌通販事業と、オリジナル商品の開発を統括。休日研究所所長として「幸せな方の生活」も研究中。
デザインを志す方たちは「見聞を広める深める」をモットーにしているとは思うが、その上でぜひ「疑ってみる」ことを忘れないで頂ければと思う。
常識に囚われない発想が製品として魅力を高め、賛否両論が巻き起こるデザインが、商品のとしての可能性を高めるからだ。
「どこかで見たことがあるもの」では市場に評価されないし、「皆が素晴らしい」というモノでは買ってもらえる商品には成りえないからだ。モノが多く溢れている市場で、人の心に引っかかり記憶に残るモノでなければ売れないのである。
そのためには常識的発想とデザインを壊すことから始めよう。
「カーナビが横型なんていったい誰が決めたんだ?」「靴は左右対称でなくてもいいじゃないか」「モノが入らないカバンがあってもいいじゃないか」と、反対意見が次々に誘発されるようなことを考え、どんどん常識を疑って欲しい。
「議論が沸騰」し、「いらない意見とデザインが蒸発」し、「必要な要素が結晶」すれば、それはきっと自分だけの、またはそのチームの財産となることは間違いないのである。
(株)ビームス シニアクリエイティブディレクター
1985年ビームス入社、2004年レディース統括部長、2010年3月より現職として活動。
デザイン画を描かれる際に、独創性、オリジナリティーはデフォルトですが、そのデザインのアイテムを持つ、または身に着ける人のコーディネイトやスタイルまで想定して描かれると、そのデザイン画に、より説得力が増すのではないかなと思います。どんどん面白いデザインを考えてください。
(株)松屋 バイヤー
1998年(株)松屋入社。紳士雑貨、紳士服、販売促進などを経て現在は紳士靴、紳士鞄などの仕入れを担当。
作品と商品の違いは一体何でしょうか?
「素材」「流行」「価格」「機能」の4つの要素が全て揃っているものが商品で、「価格」が無い物が作品であると私は考えます。デザイン画を描く皆さんもデザインがそれだけに終わらず、市場に出ていく事を思い、価格をイメージしてみてはいかがでしょう。きっと何かが変わるはずです。
今後も、消費者にこの4つの要素が全て受け入れられる(=商品が買われる)ことが、いかに尊いことかを一人でも多くの方と共に味わいたいと思っています。
デザインを勉強されている学生の皆さんには、ぜひデザインとは無関係なアルバイトや趣味をお勧めします。デザインの世界にどっぷり浸かるのもよいとは思いますが、人は一見関係のないモノやコトからヒントを得ることがあります。
沢山の経験で広い視野を身につけ、優れたデザインを輩出して下さい。