商品化・実現化
2017/10/19 19:30

【第1弾】あのヒット商品も! コンテストから誕生したモノ3選

あのヒット商品も!コンテストから誕生したモノ3選【第1弾】

わたしたちの身近には様々な製品があふれていますが、公募やコンテストの受賞作品が製品化されたものも多いんです。

そこで連載「話題になったあの商品も! コンテストから誕生したモノ3選」では、公募から生まれた大ヒット製品を3つずつ、厳選してご紹介していきます。

今月の3選は「歌舞伎フェイスパック」「マスキングカラー」「マリンジャンボ」の3点!

歌舞伎フェイスパック

歌舞伎フェイスパック(画像提供:一心堂本舗)

画像提供:一心堂本舗

【この製品を生んだコンペ】
Tokyo Midtown Award 2008デザインコンペ
時期・主催:2008年・東京ミッドタウン
テーマ:Japanese New Souvenir 日本の新しいおみやげ
受賞作:JAPANESE、FACE(学生の部 準グランプリ)

【この製品を生んだ人】
小島梢さん
現在のお仕事:デザイナー、アートディレクター
略歴:1984年生まれ、武蔵野美術大学卒、株式会社電通に勤務

【どんな製品になったの?】
販売元:一心堂本舗
商品化時期・価格:2013年12月・900円
販売実績:東京ミッドタウンなど各所で販売。発売直後の2日間で4,500個を完売。発売から2年半でシリーズ累計販売数200万個を突破!

ちょっと楽しい癒しアイテムの定番「プリントフェイスパック」の草分けとなったのがこの作品。

製品化した一心堂本舗は、技術的課題をクリアするだけでなく、歌舞伎役者の七代目市川染五郎に監修を依頼、日英併記で歌舞伎の説明書を同封するなど「日本の文化を知ってもらう」ことに注力したとのこと。受賞した小島さんは、一連のフェイスパック商品のデザインやパッケージ、宣材写真も手がけました。

素晴らしいコンセプト・デザインと企業努力の結果、日本の新しいお土産にふさわしい商品に育った歌舞伎フェイスパック。G7伊勢志摩サミット2016の公式お土産にも選定されています!

MASKING COLOR(マスキングカラー)

太洋塗料株式会社

水性塗料マスキングカラー(画像提供:太洋塗料株式会社)

【この製品を生んだコンペ】
東京ビジネスデザインアワード
時期・主催:2012年・東京都
テーマ:塗って、はがせて、色も自由自在 ”水系はくり塗料”(太洋塗料株式会社の提示テーマ)
受賞提案:ユーザーの創造性を活かせる、塗って”はがせる”水性塗料

【この製品を生んだ人】
小関隆一さん
現在のお仕事:デザイナー、アートディレクター
略歴:1998年に多摩美術大学を卒業、IDKデザイン研究所を経て2011年にRKDS設立

【どんな製品になったの?】
販売元:太洋塗料株式会社
商品化時期・価格:2013年8月・Sサイズ1,500円、Lサイズ3,800円
販売実績:販売開始から3年で2万個強を販売。現在、東急ハンズ、LOFTのほか、百貨店やセレクトショップ、ネットショップなどで販売中。海外にも展開。

ものづくり技術に優れた中小企業とデザイナーのマッチングにより新たな事業や製品を創り出すコンペ「東京ビジネスデザインアワード」。第一回である2013年の受賞から生まれたのがこの製品です。

塗ったあと24時間乾かすと剥がせるようになる水性塗料は、好きなところに塗ったあとから剥がして描き直す・別の所に貼ることができ、塗料の概念を変えました。製品は国内外でヒットしただけでなく、グッドデザイン賞ベスト100やドイツのiFデザインアワードを受賞しました。

ちなみに今年の東京デザインアワードは、10月28日までデザイン提案を募集しています。あなたもマスキングカラーのヒットに続け!

2017年度 東京デザインアワード(募集要項)
https://compe.japandesign.ne.jp/tokyo-business-design-2017/

マリンジャンボ(機体デザイン)

マリンジャンボ  画像提供:全日本空輸(ANA)

画像提供:全日本空輸(ANA)

【この製品を生んだコンペ】
全日空全国テクノジャンボ機体デザイン公募
時期・主催:1992年12月~翌1月・全日本空輸(ANA)
テーマ:君の夢をジャンボにしたい!
採用作:『海より広い大空を泳いでみたい!』と願うクジラたちの夢

【この製品を生んだ人】
大垣友紀惠さん
現在のお仕事:アートディレクター、デザイナー、アーティスト
略歴:1980年生まれ、千葉大学大学院修了後、アサツーディ・ケイに勤務

【どんな製品になったの?】
就航時期:1993年
実績:B747ジャンボ機に特別塗装され、1993年~95年に国内線・国外線を就航。多くの人に「マリンジャンボ」という愛称で親しまれました

企業キャンペーンの定番である特別塗装機。世界的なさきがけが、この公募企画なんです。空飛ぶ巨大なクジラとなった飛行機は大人も子どもも魅了。1年半の期間限定就航の間、全国の空港にはたくさんの人が就航時刻を調べて見学に押し寄せました。(私も当時、空飛ぶクジラにとてもワクワクしました! この頃はまだ赤ちゃんだったという方は、親御さんに聞いてみてね!)

採用時に小学6年生だった作者の大垣さんは将来デザイナーになりたいという夢を持ち、現在は広告会社でアートディレクターとして活躍中。Tokyo Midtown Award 2016 デザインコンペの受賞者です。クジラの夢も、ご本人の夢も叶いました。

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いかがでしたか? 公募への挑戦で、あなたもいつか「あの定番商品の生みの親」になれるかも。

なお、今回ご紹介した受賞者の小島さん、大垣さんが挑戦したコンペ「Tokyo Midtown Award」は今年で10周年。これを記念して、10月13日から11月5日まで、東京ミッドタウン「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2017」にて、これまで9回のデザインコンペ受賞作品全77作品を一堂に見渡せる展示が開催されています。

日本を代表する人気商品のもとになった受賞作の数々、ぜひ見にいってみてくださいね!

Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2017(東京ミッドタウン)
http://www.tokyo-midtown.com/jp/event/3701/

構成・文:猪瀬香織(JDN)

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