【FACE 2017 損保ジャパン日本興亜美術賞受賞者インタビュー】 グランプリ 青木恵美子 [PR]
これ以上ないと思える作品を出品できた“FACE 2017”
-グランプリを受賞されて、どのようなお気持ちですか
青木恵美子(以下、青木):素直に、とても驚いています。そして、このような賞を受賞できる機会を与えてくださったことに感謝しています。
-受賞されて、心境や活動の変化はありましたか
青木:まだ具体的な変化はありません。いままで働きながら作品を制作し続けてきましたが、受賞を機にもう少し制作に掛ける時間を増やせてゆけたらうれしく思います。両立はなかなか大変なので(笑)。ただ、そうした葛藤の日々から生まれるものも、少なからずあるとは思っていますが。
-FACE2017に応募しようと思ったきっかけを教えて下さい
青木:今回、最初からFACE2017に出品しようと、制作したわけではありません。コンテストに出品する時は、その性質をある程度鑑みはしますが、でも結局は自分が納得し自信を持てる作品しか出品はできません。今回も、これ以上ないと思える作品が出来たら出品しようと思っていました。だから、最終的に出品を決めたのは直前でした。
-絵を書くことにどのように興味を持ち、今に至ったのかを教えて下さい
青木:小学校のころから絵を描くことは好きでした。とはいえ、画家になるなんて夢にも思ってはいませんでした。高校も理系コースに進み、将来は薬学の道に進もうと考えていましたから。物心つく頃から音楽も習っていたので、音楽での進学も頭にはありましたが、両親の勧めもあって、結局は安定した職業をと薬学の道に決めたんです。でも、高校3年生になり将来のことが迫るにつれて、本当にこれでいいのかと思い始めました。そして、悩んだ末に進路変更をして、短大の工学科デザインコースに進むことを決意しました。それから同大学を卒業し、デザイン関係の仕事に就きましたが、でもやっぱり、心の底では美術を追求したいという思いが捨てきれなかったんですよね。そこで思い切って美術大学に入学しなおし、今にいたります。
-作品制作において、どんな手法を用いていますか
青木:私は3つの手法をシリーズ化し使い分けています。今回グランプリをいただいたシリーズの作品は、アクリル絵の具をパレット上で筆跡によって固めたものを、画面に貼り付けたり直に塗ったりする手法です。一筆一筆の集積が、作品を形成していくのです。
-画家として、大事にしていることはなんですか
青木:作品に対して真摯に向き合うこと、信念を持つということ。この2つが、すべての作品作りの根底にあります。
常に追い求めている「純粋無垢な世界」
-今作品「INFINITY Red」という作品に込められた想いと、コンセプトを教えて下さい。
青木:制作の動機になった、私が常に追い求める「純粋無垢な世界」は、日常の事象を超えた理念的な世界であり、何よりもまず体感するものだと思っています。そんな中、宇宙をも想起させるような、生命の無限の生成の場としての画面をつくってみたいという一心で制作しました。そうした、生命の繋がりやイメージの無限の生成の場を、私にとって生命の象徴的な色であるRED=赤を使って表現したのです。
-制作にはどれだけの時間を掛けましたか。
青木:かなり根気のいる作業を要するので、3~4か月ほど掛かりました。しかも、100号という大きさは今回が初めてだったんです。だから、本当に手探りの状態で、体力だけでなくかなりの気力も使いました。
-今後、どういった活動をされていきたいのか、目標や夢があれば教えてください。
青木:まずは、これまでと変わらず着実に制作を続けて、そしてさまざまな展示をして経験を積みたいと思っています。そしていつかは、働きながら作品作りを行ってきた自身の経験をもとに、社会と美術の関わり合いついての活動を、何かしら出来ればと思っています。
■会期
2017年2月25日(土)~3月30日(木)
■休館日
月曜日(ただし、20日は開館、翌21日も開館)
■会場
東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
〒160-8338 新宿区西新宿1-26-1 損保ジャパン日本興亜本社ビル42階
■開館時間
10:00~18:00(入館は閉館30分前まで)
■観覧料
一般:600円
大学生:400円 ※学生証をご提示ください
高校生以下:無料 ※生徒手帳をご提示ください
※障害者手帳「身体障害者手帳」「療育手帳」「精神障害者保健福祉手帳」をご提示のご本人とその付き添いの方1名は無料
被爆者健康手帳をご提示の方は、ご本人のみ無料。
■申込期間
9月18日(月)~10月22日(日)
※作品搬入は10月30日~11月3日(宅配便)、11月11日・12日(直接搬入)
■賞
グランプリ(1点) 賞金300万円 他賞あり
■募集内容
未発表の平面作品
■主催
公益財団法人 損保ジャパン日本興亜美術財団、読売新聞社
URL:http://www.sjnk-museum.org/face
登竜門応募要項:https://compe.japandesign.ne.jp/face-sompo-japan-art-2017/