結果発表
2025/09/03 10:00

第16回 バンフー 学生Tシャツデザインコンテスト《学生限定》

主催:株式会社帆風

応募作品数:2612点
受賞作品数:26点、2校(学校賞)
※ここでは、最優秀賞・優秀賞・笠井修二賞・審査員賞から14点をピックアップしてご紹介します

最優秀賞

浜野有沙(桜美林大学)
作品コメント
私達と音は切り離せない関係であると考えている。日常の中で聞こえる環境音や日々の通勤通学などの移動時間にイヤホンやヘッドホンを通して聴こえる音楽。耳を塞いでいても聞こえてくる自分の心臓の鼓動、私達は常に様々な音に囲まれて生きている。今回のデザインに取り入れたキャラクターは本来人の耳の位置にヘッドホンをしているがウサギの耳の部分では常に聞こえてくる人と音の関係を表現した。
審査コメント
誰もが体感したことがある音を聴きながら歩く情景を、素直に表現できていて凄く共感できました。街中の音やリズムに乗って歩く感覚、音の世界への没入感など、音という一感覚だけでなく五感を目で感じられる良い作品です! キャラクターデザインや色使いも音の世界観にマッチしててレトロポップでとても可愛いです!(しおたにさやか)

優秀賞

清野堅一朗(山脇美術専門学校)
作品コメント
募集テーマの音のローマ字表記「oto」を記号的に捉えて並べ、模様にしました。また、球が釘などに当たり音を奏でながら落ちるピンボールをイメージし、「o」という球が釘に見立てた「t」や他の「o」とぶつかりながら落ちていくところを表現しました。
審査コメント
「音」に対する解釈の仕方、作られたグラフィックから感じられるサラサラとした静的な音が非常に心地よく、数ある作品の中でも存在が際立っていました。また、単純にTシャツのグラフィックとして非常に完成度が高く、空間を感じさせる配置とデザインが秀逸であり優秀賞とさせていただきました。(鈴木 章)
八木海璃(静岡産業技術専門学校)
作品コメント
この作品を見て「ん?」と思った方、それが狙いです。本音は他人に見せたくない、隠したいもの本当の音です。外見や表情では本当の考えはわかりません。その「隠す」行為をデザインに込め、五大感情(恐怖、驚き、怒り、喜び、哀しみ)を色で表現しています。本音が内面に潜む感情で成り立っていることを感じ取っていただければと思います。
審査コメント
審査員の多くが、このアイデア(切り口)の独創力を評価しています。見え隠れする本音をシンボリックなタイポグラフィでうまくまとめあげ、かつ、配色の意図とバランスも良いです。これからのクリエイティブ活動に期待しています。(吉田広信)

笠井修二賞

青木結菜(桜美林大学)
作品コメント
私が「音」と聞いてイメージしたのは「ハーモニー」です。私は高校時代、吹奏楽部に所属していました。練習中に一人で演奏しているとちっぽけに感じる音でも、皆の音色を合わせると綺麗なハーモニーが生まれ、大きな感動を生みます。これを、様々な材料を掛け合わせることによって完成し、皆の笑顔を生むケーキと関連付けて、たくさんの音が重なって一つのハーモニーが生まれる瞬間の感動を表現しました。
審査コメント
笠井氏が審査において大切にされていた「Tシャツとして着ることを考えられているか 」「ボディカラーを意識してデザインされているか」「Tシャツを通じてコミュニケーションが取れるものか」などの審査基準において、それらを網羅されており、かつ「音」を重ねるハーモニーとケーキの重なりなどのアイデアも秀逸で、色味も含めかわいいTシャツに仕上がったと思います。(新里真一郎)

審査員賞

坂本由希子(東京都立工芸高等学校)
作品コメント
爆発の勢いと清々しさ、そのすべてはあの爆発音があってこそ!! 音のない画面でも鮮に思い出せるほどの強烈な響き…。脳裏にこびりついて離れないあの音は聞いた者に妙な満足感を与えてくれる。目には見えないのにこれほどのパワーがある爆発音。そしてこの力はミュートになっていたとしても失われないのだ。
審査コメント
一目見て音が聞こえるまでのスピード感が抜群に速く、様々な音の中でも爆発音をチョイスしつつミュートで聴かせる小粋な技にとてもセンスを感じます。思わず「なるほど!」と手が止まり、ミュートを消すとどんな爆発音だろうと想像したくなりました。ビジュアルからアイディアによる動線が良く考えられてます。(しおたに)
権丈愛姫(福岡デザイナー・アカデミー)
作品コメント
Sound has no shape._音に形はない。という意味です。音の表現方法は自由であることを、無造作な曲線で表しました。
審査コメント
デザインの基本である、点・線・面から「線」のみで表現され、シンプルな中に自由で滑らかなうねりを感じます。左下にある「Sound has no shape」は曲線に沿わせず、真っ直ぐにしたのも好感が持てます。規定の四角内すべてデザインをせず両端にある「間」が良いですね!(関口 崇)
神 ひなた(専門学校日本デザイナー芸術学院)
作品コメント
私は昔からキーホルダーを色々なところにたくさん付けるのが好きなので、それらがぶつかり合う音を描きました。高校時代、友達や自分の付けているものがうるさいくらい鳴っているのを思い出す青春の音です。
審査コメント
学生を中心に大人たちにまでブームが再燃している大量のバッグチャーム、心臓の位置にカラビナのハートを描いたところにもセンスの良さを感じます。まさに学生たちが楽しそうに闊歩している光景とともに音が鳴っている学生らしさが存分に伝わるデザインに仕上がっています。(鈴木一成)
山岸千紘(東京工科大学)
作品コメント
私は音と聞いて「音楽」を思い浮かべた。私にとって音楽は嬉しい時や、悲しい時、辛い時や、モチベーションを上げたい時など様々な場面で寄り添ってくれた親友のようなものだ。どんな感情の時でも、最後は笑顔にしてくれるという意味を込めて表現した。
審査コメント
丁寧な人物(鬼)描写に、ヘッドホンや聞こえてくる音楽をラフに描くことで動きが生まれ、活き活きとしたイラストになっていると感じました。色使いも明快で、どこか不思議な世界観が目を引く、ユニークなデザインだと思います。(胡桃澤章宏)
秋葉優杏(東京工科大学)
作品コメント
聴覚を塞ぐことはできない。音は常に耳に流れ込み、調和して一つの「音」として感じられる。うるさい音、繊細な音、機械的な音、不規則な音など、様々な個性を持ちながら、耳の中で混ざり化学反応を起こす。今回のデザインでは大小様々な図形を組み合わせ、不規則の中に見える規則性や、あたらしい形やパターンの現れる偶然性とその面白さを表現した。
審査コメント
今回のコンテストには黒地のTシャツを使った作品が多かったこともあり、本作品のような色使いに非常に目が惹かれました。「音」をシンプルな図形の組み合わせで表現するという試みも面白く、パターンのみで形作られた「音」が非常に素晴らしかったです。(鈴木 章)
氏井 渚(山脇美術専門学校)
作品コメント
音という漢字が心踊る人に見えました。並べることで音の波を表現してみました。
審査コメント
今回のテーマである「音」という漢字を並べたというアイデアですが、一つひとつが飛んで踊っているような人に見えてなんだか楽しくさせてくれます。漢字を逆さにしてもきちんと人に見えるようにデザインされているのもいいなと思いました。たくさん並べたことで楽しさが一層表現されたのではないでしょうか。着ればテンションが上がるようなTシャツデザインです。(新里)
福田 鈴(専門学校アートカレッジ神戸)
作品コメント
私は今回、一目惚れしたモノやコトに出会った時の「ズキュン」といった衝撃の音をイラストと共にデザインしました。音のイメージから連想して全体的な色合いは可愛い印象のピンクをメインにしており、文字の部分には「ズキュン」の瞬間のハートの矢が刺さっているデザインにしたりズキュンの響きを表現できるように文字を重ねるなどして工夫しました。
審査コメント
日本文化ならではの擬音語を表現した点、キャラクターのイラストだけでなく背景や文字を含めてトータルでデザインしている点が評価できる。着る人は選ぶかもしれないが、自分の「好き」をストレートに表現した潔さを応援したい。(吉田)
河野光将(総合学園ヒューマンアカデミー秋葉原校)
作品コメント
人は音を使って様々なことができます。とくに喉は様々な可能性を引き出すことができます。人によっては声だけでグラスを割る人も彼は絵だけの世界であるこのシャツから抜け出そうと全身から声を出しています。新たなる可能性を信じて。
審査コメント
「音」というテーマに対して、声をモチーフにしながらも、しっかりとアグレッシブで力強い「音」を感じさせるビジュアルになっているという点と、Tシャツとしてインパクトあるデザインになっている点からこの作品を選ばせていただきました。(村田 恒)
安野花怜(HAL東京)
作品コメント
音と聞いて思い出すのは、親戚の子供のことです。子供は声の大きさをうまく調節できず、「アリくらいの声で」と伝えることがあります。そんな時、音量を視覚で伝えられたら便利だと思い、このTシャツを作りました。大きさに緩急をつけ、音の持つリズムや楽しさも表現しました。
審査コメント
音楽やメロディではなく“声の大きさ”に着目した点が新鮮。エピソードから着想を得て「アリくらいの声で」といった声の大きさを“目に見える音のものさし”にしてしまう発想もとてもユニーク! アルファベットの「A」が日本語の「あ」にも通じる“はじまりの音”としての意味も重なり、コンセプトの奥行きを感じました。(畑野裕美)
山本結衣里(東京工科大学)
作品コメント
Turn Up the Silenceは直訳すると静けさの音量を上げろ。一見矛盾した表現だが、喧騒に満ちた現代であえて“静けさ”を意識的に感じ取り、内面の声や感覚に耳を傾けることを表現した。音があふれる世界だからこそ、静寂を「聴く」という感覚を伝えている。耳の形の中に蝸牛の渦のような模様を描き、賑やかな音を連想させるようなカラーと水面のような地面を置くことで、静けさの中にある音を表現している。
審査コメント
『音』の中で「静けさ」に着目した点が良い。シンプルな中にもうまくカラーを取り入れている。一見鮮やかな色目だが、深みがあり、なぜか穏やかさを感じる。(伊藤信子)
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