2018年度 東京ビジネスデザインアワード
テーマ賞:8点(最優秀賞1点、優秀賞2点を含む)
主催:東京都
※ここでは、最優秀賞・優秀賞をご紹介します
【提案最終審査総評(審査委員長 廣田尚子)】
今回の8つの提案は、以前の提案と比較しても過去最高のクオリティで、甲乙つけがたい素晴らしいものばかりでした。そのため最優秀賞の選定も大変難航しました。
(中略)また、今回、チームワークが非常に良い印象でしたが、それは事務局の方で新たにワークショップを企画したことが功を奏したように思えます。企業とデザイナーが将来の目標ややるべきことについて語り合う時間を設けた結果、チーム力が高まり、提案の質も上がりました。今後は、提案やビジネス化へ至るプロセスの部分も研究を重ねていきたいと考えています。今回のアワードを通じ、改めて東京の企業の持つポテンシャルの高さ、中小企業がデザインとマッチングして出会うことでビジネスの新たな可能性が広がっていくということをリアルに感じていただけたと思います。
最優秀賞
「立体視・金属調印刷物」を唯一無二の素材にするための事業提案
今井裕平、林 雄三、木村美智子、鈴木杏奈(kenma inc.)
「透ける金属表現」という特殊印刷の特徴を活かした、メタルインターフェイス制作とビジネスモデルの提案。
- テーマ
- 透明樹脂素材を立体的かつ本物の金属に見せる「立体視・金属調印刷」/株式会社技光堂(板橋区)
- 審査コメント
- 高度な技術が必要となる特殊印刷と、デザイナーの提案力が見事にマッチした実現可能性が見込めるビジネス提案。技光堂独自の印刷技術を用いてBtoCのプロダクト制作を行いつつ、本業であるBtoBのOEM事業の価値向上を目指し、多面的に提案した点を、総合的に高く評価した。
優秀賞
灯りと香りで想いを伝えるアロマキャンドルプロダクト
中村知美(LURA Design Studio)
アロマキャンドルとメッセージカードの組み合わせによる郵送できるポストカード型キャンドル。新しいコミュニケーションツールとしての提案。
- テーマ
- ワックス(ロウ)のブレンドにこだわった「キャンドル製造技術」/東洋工業株式会社(江東区)
- 審査コメント
- キャンドルを楽しむという文化を根付かせるために、気軽に使用できるコミュニケーションツールとしてデザインされている。長年のキャンドル製造技術を最大限発揮しながら、その他のビジネス展開や他分野とのコラボレーションも考えられる、実現可能性の高いデザイン提案を評価した。
香りの魅力を楽しく学ぶプロダクトの提案
清水 覚、山根 準、山根芽衣、安次嶺彩香
絵具形状の画材と教本により、自分で香りを調合してしくみを学ぶことのできる教育プロダクトの提案。
- テーマ
- 精油の魅力を引き出す「アロマブレンド技術」/GRASSE TOKYO(グラーストウキョウ)株式会社(江東区)
- 審査コメント
- 絵の具の色を混ぜるように、自分で調香して、香りのしくみを学ぶことのできる全く新しいプロダクト。アロマの特性を生かした新市場に向けた製品とビジネスモデル提案が評価された。教育だけではなく、福祉現場、日常生活に至るまで様々な展開が考えられる。ぜひ、実現化を楽しみにしている。